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親友に裏切られ婚約者をとられ仕事も住む家も失った俺、自暴自棄になり放置されたダンジョンで暮らしてみたら可愛らしいモンスターと快適な暮らしが待ってました  作者: 空地 大乃
第三章 放置ダンジョンで冒険者暮らし編

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第107話 合流

 落石のあった場所から俺たちは子どもたちの捜索を続けた。熊谷によると何か気配が近づいてきている気がするらしい。


「ギィ!」

「ギャギャッ!」


 そしてここに来てゴブリンとの遭遇率も増えてきた。スルー出来る相手はスルーしてきたけど、これだけゴブリンがウロウロしていると流石にそうもいかなくなってきた。


「ワンッ!」

「ピキィ!」

「マァ!」


 戦いになりマールが蔦で縛り、ラムが水弾で怯ませモコが体術で倒す。そんな連携が出来上がっていて見ていて感心してしまう。三位一体の攻撃って気がする。


「俺も負けてられないな」


 戦闘が得意とは言えないけど、皆が頑張ってるのに情けない姿は見せられないからな。鍬を振り回して対抗していく。


「フンッ!」

「オラッ!」


 中村の拳が飛び、熊谷は背後をとってからのナイフの一撃でゴブリンを仕留めていた。今のところ順調でもある。


 スルーできないゴブリンは片付けながら進んでいく。途中十字路になってる道があった。


「真っ直ぐだ!」


 そう言って熊谷が先頭を走った。俺たちも後に続くけど十字路に差し掛かったその時、火の玉が飛んできて熊谷に命中した。その一瞬、熊谷が横に倒れながら飛んでいく姿がスローモーションのように感じられた。


「熊谷!」


 火の玉の衝撃でかなり飛ばされた。今のやられ方は不味い!


「フンッ!」

 

 追いかけるように中山が前に出て火の玉が飛んできた方向を向いて両手を広げた。瞬間、再び火の玉が飛んできて中山に命中した。


「大丈夫か中山!」

「俺は大丈夫だ。それより熊谷を!」

「私が回復を!」

 

 火の玉を中山が一身に受け止める中、愛川が熊谷の飛んでいった方へ駆けていった。


「大丈夫! 意識はあるよ!」

「ワウ」

「ピキィ」

「マァ」


 愛川の声に安堵した。モコ、ラム、マールも安心しているようだ。これも事前に愛川の魔法で防御力が上がっていたおかげだろう。


「す、すまねぇ、油断した……」

「無理して喋らないで。今治すから!」


 愛川が魔法で治療している間に俺も十字路に駆け寄り中山を狙っている相手を見た。そこにいたのは杖持ちのゴブリンだった。あいつが魔法を使っているのか。


「ピキィ!」


 すると中山の肩にラムが乗り、水弾で杖持ちのゴブリンを狙った。


「グギャッ!」


 水弾でゴブリンが怯んだ。心做しかラムの水弾の威力が上がっている気がする。


「ウォオォォオオ!」


 俺は杖持ちのゴブリンが怯んでいる間に突撃し鍬を振り下ろした。ゴブリンが地べたに叩きつけられ、動かなくなった。


「やったな風間」


 中山が親指を立てて俺を称えてくれた。だけど中山の活躍ほどじゃない。熊谷が治療できたのも中山が盾になってくれたおかげだ。


「中山大丈夫か!」

「何この程度、俺の筋力なら、おっと」


 中山が片膝を落とした。中山と言えどあれだけ魔法を受けたら無傷とはいかなかったみたいだ。


「無理しないで、まずは体を休めよう」


 そう言って愛川が中山の前にやってきた。そして魔法を発動して中山を癒やす。


「助かったぜ。それと、今気配を感じ取ったぜ。このままいけばもしかしたら子どもたちに会えるかもな」

「それならば、休んでいる場合ではないな」

「ダメだよ! まだ回復しきれてない!」

「いや十分だ。これだけ回復してもらえれば、後は筋肉の超回復で治る!」

「でも中山」

「今は子どもたちを見つけるのが先決、そうだろう?」


 真顔で中山が答えた。最初見た時は変わった男だなと思ったものだけど、今は凄くイケメンに思えるぞ!


「わかった。でも無茶はしないでくれよ」

「それはお前にも言えるだろう。銃の前に飛び込んだような男なんだから」


 それ言われると参ってしまうが、ただ中山の言ってることに間違いないな。子どもたちを助けないと。 

 

 そして俺たちは熊谷の後をついていったが、その先で見つけた。子どもたちと恐らく担任と思われる女性の姿を。


「紅葉ちゃん!」

「風間お兄ちゃん!」


 俺が呼びかけると紅葉が答えてくれた。だけど、何だ? 側にゴブリンがいるように思えるんだが――

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