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世界史講義録 ロシア史への誘い  作者: 鸛
ロシア史基礎編
14/75

閑話 アフガニフタンを巡るイギリスとロシアの対立

本稿ですが、アレクサンドル二世の件少々お待ちください。


閑話扱いしているのは、あまり入試ででる話ではないということは認めているからです。


しかし、あまりでないことを理解していることが、入試での差になるのと、東大では問答無用に出たので、本稿を書こうと思いました。


センター受験ならば、まあ、大丈夫かも。多分。

ロシアの南下政策という言葉を聞くと、「ああ黒海近辺で起きていたロシアの不凍港獲得騒動ですよね」と皆さんは思われるでしょう。


でも、実は南下政策そのものは、そんな単純な話ではないのです。そもそも、ロシアの目的は不凍港の獲得であって、その最短ルートが黒海でした。つまり、そこ以外のルートもこの時代のロシアはあちこちで攻めこんでいくのです。


そして、あくまで東大受験に限定するなら「黒海以外のルートを如何にロシアが攻めていったのか?」ということを理解することが大事です。


そこで、本日はアフガニフタンを巡るロシアとイギリスのイザコザを考えましょう。宜しくお願い致します。


まず、アフガニフタンですが、地理的にインドの北側にあります。※厳密にいうと、パキスタンの北にあることが解ると思います。しかし、昔はパキスタンもインドも大英帝国領インドとして一緒でした。


このアフガニフタンをイギリスが支配すれば、大英帝国インド領は大きくなるし、何よりロシアが中央アジアから南下してきた時に、ロシアの邪魔ができると考えるわけです。


そこで、イギリスは東インド会社から軍を連れ出し、1839年にアフガニフタンを攻撃します。これが、第一次アフガン戦争です。


イギリスは、この戦争によって、はじめはアフガニスタンを簡単に占領できたと思い込んでいました。


しかし、アフガニスタンの国民は「ジハード」を掲げて、各地で暴動を起し、イギリスに抵抗しました。


これにはイギリスも敵わず、アフガニスタンの植民地支配は難しいと考えて撤退するのです。※結果的にイギリスは、アフガニスタンに負けたのです。


そんな中で、イラン(カージャール朝)はなんとアフガニスタンのヘラードを侵攻します。※影で糸を引いていたのは、ロシアです。イギリスのアフガニフタン獲得を妨害する意図がありました。


もともと、イギリスが狙っていた地域でしたので、イギリスはイランに激怒します。そして、イギリスとイランは戦争状態になります。


これがイギリス=イラン戦争です。1856年に開始しますが、なんとクリミア戦争の終結も1856年です。つまり、クリミア戦争が終わるとともに、イギリスはイランと戦争を開始するのです。


結果、イギリスが勝ちました。そして、イギリスはこの戦争をきっかけとしてイランでの治外法権を獲得することを覚えておきましょう。


そして、1878年になって、イギリスはようやくアフガニフタンにリベンジマッチをします。これが、第二次アフガン戦争です。


このようにして、イギリスは苦労しながらやっとの想いでアフガニフタンを保護国にしてしまいます。


その最大の目的は、中央アジアからのロシアの南下を阻止するためだったことを覚えておきましょう。


本日は以上。





ロシアが中央アジアに南下してくるだろうと思って、一生懸命イギリスがアフガニフタンを攻略しますが、案の定、アレクサンドル二世の治世になり、1860年になるとロシアは中央アジアに進出してきます。


この頃、中央アジアにはトルコ系ウズベク人が作った国があり、ブハラ=ハン国、ヒブァ=ハン国、コーカンド=ハン国と呼ばれていました。


これら3ハン国をロシアが制圧します。イギリスが第二次アフガン戦争に乗り出したのは、こういった情勢も実は関係しています。


また、アフガン戦争は第一次、第二次だけでなく、第三次もございます。第三次アフガン戦争は1919年です。


イギリスがこの時、第一次世界大戦に疲弊し、インドの統治にも苦戦していたので、隙をついてアフガニフタンが独立戦争を行ったのです。


結果、アフガニフタンは独立したことも知っておくといいでしょう。※ロシア史ではありませんがね。


最後に、第一次アフガン戦争で「東インド会社が軍を出した」と書きましたが、「東インド会社」はただの会社ではなく、植民地に軍隊を出して軍事的な支配も行う組織でした。


これらの補説も押さえておいてください。




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