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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『修羅の国』での死闘  作者: 橋本 直
第十八章 オタク女艦長の意外な顔

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第80話 人の趣味にとやかく言う奴等

「でも意外だよな、アメリアがこんな雰囲気のいい喫茶店に出入りしているなんてよ。雰囲気をぶち壊すことに関しては一番の壊し屋がこんないい店知ってるなんて……狡いぞ、本当に」 


 そう言いながらかなめは周りの調度品を眺める。甲武四大公家の筆頭、西園寺家の当主であるかなめから見てもこの店の調度品は趣味の良いものに感じられたらしかった。ただかなめはこれだけのこだわりのあるアンティークを並べた店は慣れているらしく、時々立ち上がってはそれぞれの品物の暖かく輝く表面を触っていた。


「なによ、それならかなめちゃんも実は行きつけのバーがあるって……」


 コーヒーを飲み干したアメリアがにやけながらつぶやく。 


「おい、アメリア。それ以上しゃべるんじゃねえぞ!オメエと違ってアタシは謎が多い女で売ってるんだ。ペラペラ人の秘密を話すんじゃねえ」 


 かなめはそう言うとアメリアを威圧するようににらみつけた。


「そんなお店があるなら誠ちゃんを連れて行ってあげればいいのに……合宿の時はホテルの地下のバーで一緒に飲んだんでしょ?全く意地悪ね」


 アメリアには先月の野球部の夏合宿の際、食事会の後に誠はかなめに連れられて地下の高級そうなバーに連れていかれたことはバレていた。


「馬鹿、コイツを連れて行かねえのは飲み方知らねえからだよ!あん時もこいつは酔いつぶれて島田の野郎にどやされてやがった。今度同じことをしたら寮から叩き出されかねないからな。なあ神前!」 


 アメリアに向けてそう言うかなめの言葉に誠はただ頷くしかなかった。誠は自分でも酒を飲めば意識が飛ぶと言う習性を思い出して苦笑いをする。


「どっちのバーにも日本酒がねーんだろ?じゃあアタシは勘弁だな」 


 ランはケーキを楽しみながらあくまで日本酒にこだわることを主張した。


「いやいや……たぶんそれ以前に姐御は見た目で入れてもらえねえから……。それに姐御みたいに普段はほとんど着流しで暮らしてる人には雰囲気ぶち壊しになるんで来ないでください」 


 苦笑いを浮かべるランに向かってそう言うとかなめはコーヒーを口にする。マスターがカウラ達に切り分けたケーキを運んで来た。



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