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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『修羅の国』での死闘  作者: 橋本 直
第七章 誠の知らない『貴族とサムライの国』

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第35話 遅い買い出し

「でも遅せえな、アメリアの奴。さっさと置いて帰っちまうか?」 


 話を逸らすようにかなめがつぶやく。貴族の生まれながら貴族嫌いのかなめとしてはその貴族の話をしたこと自体があまり気分の良くないことのように誠には見えた。


「とりあえずお前はその前にタバコをどうにかしろ。車から降りたらどこでもタバコを吸っていいと言う訳ではない。そして何度も言うがこの車は禁煙だ。においが残られては困る」 


 そして、ずっとかなめの口元のタバコの火を眺めていたカウラが突っ込みを入れる。誠が生協の入り口を見ると、そこにはなぜかお菓子以外の物まで買い込んで走ってくるアメリアの姿があった。


「ったく何買い込んでんだよ!菓子だけじゃねえのかよ」


 かなめは明らかにおもちゃのようなものまで買いこんで来たアメリアに呆れてそうつぶやいた。 


「かなめちゃん、もしかして心配してくれてるの?大丈夫よ。私は誠ちゃんじゃないから誘拐されることなんて無いし……」 


 かなめは仕方なくタバコをもみ消して一息つくと、そのまま携帯灰皿に吸殻を押し込んで後部座席に乗り込んだ。アメリアは誠がつっかえながら後部座席に乗り込むのに続いて当然のように助手席に座り買い物袋を漁り始めた。


「誠ちゃん。このなつかしの戦隊シリーズ出てたわよ」 


 アメリアがそう言うと戦隊モノのフィギュアを取り出して誠に見せた。


「なんつうもんを置いてあるんだあそこは?おもちゃ屋じゃねえんだぞ、生協は」 


 かなめが呆れて誠の顔を覗き込む。


「大人買いはしないのか?貴様の事だからそう言うものは箱で買うと思っていた」 


 車を発進させながら、カウラはアメリアに目をやった。


「ああ、そっちはもう近くのショップで押さえてあるから。これは布教のために買ったの。部の女の子達に配ってあげなくちゃ。これも部長の大切なお仕事」 


 そう言ってかなめや誠にも見えるように買い物袋を拡げて見せる。そこには他にもアニメキャラのフィギュアなどが入っていた。


「よくそんなの見つけてくるな……」


「すごいでしょ」


「いや、呆れてんだよ。ムダ金使うからオメエの部屋はあんなにカオスなんだ」


 威張るアメリアにかなめは大きくため息をついた。カウラはそのかなめをバックミラー越しに見ながら微笑んでいた。


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