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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『修羅の国』での死闘  作者: 橋本 直
第七章 誠の知らない『貴族とサムライの国』

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第33話 女性上位の国になった『偶然』

 嵯峨惟基が当主を務める嵯峨家以外どれも現当主や次期当主は女性だった。先の『官派の乱』と呼ばれた甲武を二つに分けた内戦に敗れた当主九条頼盛の自決で分家から家督を継いだ烏丸響子女公爵と、当主田安元吉の一人娘である麗子を頂く田安家、そして普通選挙法の施行以降の父の爵位返上により当主となったかなめの西園寺家の三家の当主が女性だった。


 さらに誠がニュースとして知っていたのは、娘の茜が東和共和国に亡命という形で移住して甲武帝国国籍を失ったため、嵯峨が姪でありかなめの妹にあたる日野かえでを養女に迎えて家督を譲るという話も聞いていた。


 外を見ると風景は見慣れた寮から隊へ通う道のものになり始めていた。いつものような大型車の渋滞をすり抜けて、カウラは菱川重工豊川工場の通用門を抜けて車を進めた。


「ちょっと生協寄ってなんか買って行きましょうよ。もうそろそろ閉まる時間だから早くしないと。私おなかが空いているし……誠ちゃんも何か食べるでしょ?」 


 かなめににらまれ続けるのに飽きたとでも言うようアメリアがカウラに声をかけた。それを無視するようにカウラはアクセルを踏む。


「オメエは毎日菓子ばっか食いすぎなんだよ……そんなことだとそのうちメタボになるぞ」 


 かなめの言葉にアメリアはうつむいた。かなめは先ほどまでの大貴族の話などすっかり忘れているように見えた。


「いいじゃないの!おなかは出てないんだから!だからお菓子とか買いましょうよ!」 


 そう言いながらアメリアはカウラの頬を軽くつついた。


 そんなアメリアをうっとおしく感じたのか、カウラは生協の駐車場に車を乗り入れた。


「誠ちゃんとカウラはいいの?」 


 アメリアの言葉にカウラは首を振る。


「僕はいいですよ……甘いものはどうも……」 


 そう言う二人を見てアメリアは長身をくねらせてそのまま車を降りた。



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