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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『修羅の国』での死闘  作者: 橋本 直
第四十三章 それぞれの過去のお話

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第199話 今日はかえでが責められる日なので

「お姉さま、すみません。時間になりましたので」


 まだ開始一時間を過ぎたばかりだと言うのにかえでとリンは帰り支度を始めた。


「おいおい、なんだよ。これからだろ?辛気臭い話はこれくらいにしてこれからは楽しい話をしようや!これからうちの馬鹿な連中の話とか教えてやろうと思ってたのによう。付き合いの悪い奴だ?なんでこの時間に帰る?」


 妹の突然の帰宅表明にかなめは不機嫌そうにそう言った。


「今日は僕がリンの攻めを受ける日なので」


 かえでの言葉にこの場にいるリン以外の全員が絶句した。


「やっぱり……かえでちゃんは……私の同人誌に出てくるようなエッチな日常を送ってるのね。感動しちゃった。じゃあタクシーの手配をするわね。当然、私も同乗させてもらうけど。色々プレイの内容とか話を聞きたいし」


 18禁同人誌を集めることも趣味の一つである多趣味の人アメリアは感動に打ち震えながらそう言っていた。


「いいえ、別にこれが普通ですよ。今日は僕がリンに女性として扱われる日。そう決めているんです」


 かえでは笑顔でアメリアに感謝しながらそう言った。


「それのどこが普通なんだよ!そんな普通聞いたことがねえよ!アタシのせいか?これも全部アタシが悪いのか?」


 妹の妄言にかなめがキレた。今にも銃を持ち出してかえでを射殺しかねないかなめの殺気に誠はかなめもかえでとリンの関係は普通ではないと感じていた。


「ねえ、どんなプレイをするの?おもちゃとか使うの?変態的なプレイとか?タクシーの中でゆっくり聞かせてよ。動画とかある?ちょっと創作の参考になればうれしいんだけど」


 アメリアはかなめの事など全く無視してかえでがリンに何をされるのかをただ知りたがっていた。彼女自身が先ほどまでは悲劇のヒロインであったと言う事実はもうすでにこの場にいる全員が忘れ去っていた。


「それでは失礼します」


 好奇心で自分の私生活を覗かれるのはあまり好きではないようで、かえではアメリアを無視してそう言うとリンを連れて階段を下りて行った。


「待ってよ!タクシー来るのあと5分くらいかかるわよ!それに私の名前で予約したから私が居ないと乗れないわよ!」


 アメリアはそう叫んでかえで達に続いて階段を駆け下りて行った。


「なんだよ、つまらねえな。この場には第二小隊はまだ18歳だから酒が飲めねえアンしかいねえ。もうこうなったらやけ酒だ!女将さん!『レモンハート』追加で!」


 明らかに不機嫌そうになるかなめに誠は冷や汗を浮かべていた。


「これが飲み会と言うものなんですか……ずいぶん深刻な話題が多いんですね」


 アンは初めての飲み会と言うものの話題の重さにただ沈黙して烏龍茶を飲んでいた。


「アン君。それは誤解だから。いつもはもっと明るい日常の話題とかする場所だから。と言うかなんでこんな話題になったんですか?」


 飲み会と言うものを完全に誤解した状態で烏龍茶を飲んでいるアンを見ながら、誠はただ変な方向に話題を持って行った主犯格が消え去った月島屋で豚串を頬張っていた。



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