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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『修羅の国』での死闘  作者: 橋本 直
第四十一章 すべての後片付けに関して

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第190話 いつも通りの月島屋

「でも月島屋くらいは今日行きましょうよ」 


 手を叩いて茜が微笑む。酒が飲めると聞いてかなめが表情を緩めた。


「それじゃあラン、春子さんへの連絡頼むわ。じゃあ解散だな」 


 そう言って再びタバコに火をつける嵯峨。ランは軽く手を挙げて部屋を出て行く。


「かなめ坊、かえでの奴と仲良くな!」 


「できるか馬鹿!」 


 部屋を出ようとする誠とカウラの背中にかなめの捨て台詞が響いた。


「お姉さま!これから行くのがお姉さまのお気に入りの月島屋ですね……庶民の『焼鳥屋』と言うものには行ったことが無いので楽しみです!」 


 かえではそう言うと立ち上がったかなめに抱き着こうとした。かなめはそれを察するとかえでの腕を交わしてそのまま廊下を走って消えていった。


「僕の何がいけないんだろう?」 


 そう言って耳にかかる後れ毛を弄りながら声の主のかえでが誠を見つめった。誠はかなめからかえでの性癖を聞かされているので思わず目を白黒させた。


「僕はかえでさんはいけないことは何もしてないと思いますよ。かなめさんは久しぶりに自分を慕ってくれている妹に会って照れてるんですよ」 


 震えながら挨拶を搾り出す誠をかえでは静かに頷いた。


「そうか、照れているのか……しかし、君も照れ屋だね。せっかくの『許婚』に向ってそんな他人行儀な態度をとるなんて……もしかして童貞かい?」


 かえでは笑顔で誠にそう尋ねてきた。


「そ……それは……その。僕は乗り物に非常に弱い体質がありまして……」


「聞いてるよ、その体質で彼女が出来なかったのか……君の周りには男を見る目がある女性が居なかったんだね。可哀そうに」


 本心からそう言っているのが分かるかえでに誠はかえでに対する偏見をかなめに散々植え付けられていたので、相変わらずに打ち解けることが出来ずにいた。


「でも今日からはそんなことは気にすることは無い。少なくとも僕は少なくとも気にしない」


「私も気にしないが!」


 そこで突然話題に割り込んできたのはカウラだった。


「カウラさん。いつもエチケット袋ありがとうございます」


 誠はカウラの闖入を利用してかえでからなんとか距離を取ろうとした。


「ベルガー大尉。僕達は『許婚』の関係なんだよ……ああ、むしろ僕に関心があるのかな?」


 カウラの言葉は藪蛇だった。かえでの毒牙はカウラに向こうとしていた。そして、下手にかえでに関わればかなめの言うように自分がかえでの毒牙の餌食になることを理解した。


「そんな話どうだっていいじゃないの!それじゃあ行きましょう!月島屋!アタシはあそこが大好きなのよ!


 ちょうどいいタイミングでアメリアが入ってきた。かえではカウラを落とす絶好のチャンスを失ったかのように静かに黙り込んだ。


「じゃあ、カウラちゃんの車には四人しか乗れないからいつもの四人で。かえでさんとリンさんはタクシーを用意しましたんでそちらでどうぞ」


「ありがとう、クラウゼ中佐。気が利くね」


 そう言ってかえではその場を後にした。


「カウラちゃん、誠ちゃん。これは貸しだからね」


 さすがに要領が良いアメリアの機転にカウラと誠はただ茫然と見守ることしかできなかった。



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