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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『修羅の国』での死闘  作者: 橋本 直
第三章 あまり役に立ちそうにない兵器の『実験』

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第16話 非破壊兵器と言う名の超兵器

『それとさっき西君もひよこちゃんもこいつの事『非破壊兵器』とか言ってたよな……と言うことは実弾兵器みたいに物が壊れたり、人が死んだりすることは無い兵器なんだ……だから『人道兵器』か……でも当たらなきゃ意味ないじゃん。砲も銃も』 


 誠はその長いライフルをじっと見つめる。しかし、その原理が全く説明されていない以上、それが兵器であると言う事実以外は分かるはずも無かった。


『誠さん。とりあえずシステム甲二種、装備Aで接続を開始してください』 


 何かを口に頬張っているひよこの言葉が響く。司法局実働部隊の出撃時の緊急度によって装備が規定されるのは部隊の性質上仕方の無いことだった。甲種出動は非常に危険度が高い大規模テロやクーデターの鎮圧指示の際に出されるランク。そして二種とはその中でもできるだけ事後の処理をスムーズにする為に、使用火器に限定をつけると言うことを意味していた。


『非殺傷兵器と言うことだから二種なのかな……』 


 そう思いながらオペレーションシステムの変更を行うと、目の前のやたらと長い大砲のシステム接続画面へと移って行く。モニターの中に『05式広域鎮圧砲』という名前が浮かんでいる。それがこの兵器の司法局での正式名称らしい。直接的な名称はいかにも無味乾燥で兵器の開発には慣れない警察仕事が中心の司法局中心での開発が行われたと言う名残だろうと誠は思った。そのまま彼の機体の左手を馬鹿長いライフルに向けた。


 そのライフルは明らかに左手で引き金を引き、右手でハンドルを支えて照準を付けるようにできているように誠には見えた。


『左利き用なのか?僕専用ってこと?』 


 そのまま左手のシステムに接続し、各種機能調整をしているコマンドが見える。


「接続確認!このまま待機します」 


 誠はそう叫んだ。右腕でライフルのバーチカルグリップを握って誠の機体はハンガーの前に立った。


「待機って……またこのまま何時間も待たされるのかな」


 誠はこれまでの法術兵器の実験の際の経験から待機がいつ解けるか分からない性質のものなのだと理解するようになっていた。



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