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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『修羅の国』での死闘  作者: 橋本 直
第三十二章 とりあえずの終戦

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第152話 貴重なサンプルの回収

「西園寺。なにもそんなに慌てなくても良いだろう。07式は逃げない。東和宇宙軍も現状が当方の優先状況にあること位承知しているはずだ。それに一応、私が第一小隊の隊長だ。そう言う指示は私を通して出すものだ」


 カウラは生八つ橋を口に運びながら自分の機体のコックピットでそう言った。 


「細けえこと気にするなよ。どうせやることは同じなんだ。カウラ、起動すんぞ!それと神前のこの馬鹿長いライフルはどうするんだ?」 


 そう言うとかなめは目の前の誠の05式乙型の手にある非破壊法術兵器を指差す。


「仕方が無いだろ。神前はそのまま『ふさ』に帰還だ。私と西園寺でこいつを引っ張りあげる。さあ、西園寺。準備にかかるぞ」 


 カウラはそう言うと自分の05式に向かって歩き始めた。


 誠はあきらめたようにコックピットに乗りこんだ。ハッチが降り、装甲板が下がってきた。朝焼けの中、誠は重力制御システムを起動させ、05式で上空に滞空する『ふさ』に向かった。


「アルファー・スリー。05式広域鎮圧砲を回収後、帰投します」 


『お疲れ様!誠さん!さすが誠さんです!今回も全部誠さんのお手柄ですね』 


 複雑な表情の誠に笑顔のひよこが口に八ツ橋をくわえながら答えた。


「僕も食べたいな。生八つ橋。どんな味なんだろう……おいしいと良いな。でも、あれだけ機体を振り回したのに胃腸の調子が良いなんて……もしかして本当に僕の乗り物酔いは治ったのかも……だと良いんだけどな……」


 誠の意識はすでに戦場を離れ、嵯峨の土産の生八つ橋に向っていた。


 そして同時にこれまで誠を孤独な環境に置いてきた『もんじゃ焼き製造マシン』と呼ばれた胃腸が乗り物に対応してきた事実に歓喜していた。


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