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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『修羅の国』での死闘  作者: 橋本 直
第三十二章 とりあえずの終戦

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第151話 ヤンキー救出部隊

「そう言えば西とかの姿が見えねえな!」 


 整備班の兵長から生八つ橋に合わせるためにアルミのカップに入れた日本茶を受け取りながらかなめがそうたずねた。兵長はすぐに隣で07式の回収のためにワイヤーを巻きつける作業を指揮していたパーラに視線を向けた。


「ああ、西君?輸送機で島田とサラ達が派遣されていた基地に向かったわよ。どうせ島田君の事だもの。もう復活して退屈してタバコでも吸ってるでしょ『俺は不死身だ!こんなことくらい屁でもねえ!』とか言いながら」 


 そう言うとパーラは再び作業に戻った。パーラはどこまでも真面目だった。


「島田の馬鹿の世話か……相変わらず西は気が回るからな。ちゃんと生八つ橋は持って行っただろうな……島田の奴、ああ見えて自分だけ仲間外れにされるとしょげるからな。ヤンキーは仲間意識が強いから仲間外れにされると途端に弱くなるんだ。それにアイツも酒飲みのくせに甘いものが好きだし……たぶんアイツは生八つ橋のこと知らねえぞ。アイツは馬鹿だからな。食べてどんな反応するか見たかったな」 


 かなめの言葉に、アメリアは腹を抱えて笑い転げる。


「おい、アタシが言ったことそんなにおかしい事か?」


 突然のアメリアの爆笑にかなめは驚いたようにそう尋ねた。 


「いやあ、島田君がサラと生八つ橋を使っていつもの『青春ごっこ』するところを想像したらおかしくなってきちゃって……純情硬派が生八つ橋って……お公家さんはそれこそ生々しい色恋の方がお好みなのに……例えばかえでちゃんみたいに」


「かえでの話はするな。アイツの話をすると茶が不味くなる」 


 抗議するかなめとアメリアを見てさらに誠とカウラは笑う。


「オメー等。くっちゃべっている暇があるなら撤収準備を手伝えや」 


 ランはそう言うとそのまま東和軍の部下達のところに走っていく。


「クバルカ中佐!八ツ橋!」 


 三つの八ツ橋の箱を持ったひよこが走っていった。箱を受け取って笑顔を浮かべるランを横目に見ながらかなめが視線をひよこに向けた。


「とりあえず何かできることあるか?」 


「あ、西園寺大尉。とりあえず05式でこの残骸を運ぼうと思うんですけど……あの東和宇宙軍から借りてる輸送機じゃこれの情報があの機体の情報端末経由で東和宇宙軍に筒抜けになるから、上空の『ふさ』の格納庫までこの壊れた機体を引っ張りあげないと……」 


 八ツ橋を食べ始めたひよこを制したパーラはそう言うと緩んだネクタイを締めなおした。その姿になぜか口を尖らせながらカウラがパーラの前に出た。


「分かった。東和宇宙軍にはこの手柄は渡したくねえからな。早速作業に移るか。神前、手伝え!」


 かなめはまだ生八つ橋の箱を開けたばかりの誠にそう言ってきた。


「ちょっと待ってくださいよ。まだ僕食べて無いんですから」


「そんなことより仕事だ。さっさと搭乗しろ」


 誠はもの惜しげに整備班員の一人に開けたばかりの生八つ橋の箱を手渡しながら渋々自分の05式乙型へと足を向けた。



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