表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『修羅の国』での死闘  作者: 橋本 直
第三十章 掌の上で転がされて

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

142/205

第142話 すべての状況が終了して

「ふう……」 


 ようやく終わった。そう言うように誠はシートに体を預けてため息をついた。そして同時に着陸して敵機の07式の隣でライフルを構えているランの愛機『紅兎・弱×54』に目をやった。


「クバルカ中佐……終わりましたよ。僕は今回もやりました……でも……あの07式……何があったんでしょうか?パイロットがパイロキネシストであってもあそこで自爆する意味が分からないんですけど……それともどこかの法術師が助けてくれたんでしょうか?」


 誠は自信を持っていいのかどうかわかりかねていた。そして目の前に倒れている07式のパイロットが法術の暴走で自滅したのかそれとも誠を援護した謎の法術師の手柄だとその謎の法術師に感謝すべきなのか複雑な表情を浮かべていた。 


『言いてーことは分かるよ。自爆の線はねーな。全く持って意味がねー。07式を仕留めた法術師がどこかで見てるって話しなんだろ?だが、そいつを追うのは今はアタシ等の仕事じゃねーんだ。07式の登場にしろそれを阻止した法術師の存在にしろ、それは隊長のシナリオ外の乱入者だ。法術師の方にはこのまま立ち去ってくれるのを願うしかねー』 


 ランも気づいていた。誠が目の前に07式を見つめた時、明らかにその機体を捕捉している法術師の気配を感じていた。その力の感覚は先日アメリアと喫茶店でお茶を飲んだ時に感じた法術師の雰囲気と似すぎていた。


『そんな悠長なこと言ってられるのかよ!普通じゃねえぞ!こんなところでわざわざ法術を使うなんて全うな市民のすることじゃねえ!テロリストかなんだろ。すぐに追っ手をかけてだなあ』 


 かなめは誠を守ったようにも見える炎熱系の法術を使う人物が敵であると決めつけてそう言った。


『西園寺大尉!とりあえず目の前の仕事に集中!速やかに当該地域の健在な敵勢力の排除しなさい!05式広域鎮圧砲の範囲に入らなかった数機の敵がまだ抵抗の姿勢を見せているわ。それを排除なさい!』 


 アメリアの声が高らかに響いた。かなめは画面の中でサイボーグ用のゴーグルを無理やりはがして頬を膨らましている。誠もかなめの気持ちが痛いほど良くわかった。


『指揮官殿の命令だ。これから先は抵抗する勢力の排除と敵の07式を回収が私達の任務だ』 


 淡々とした調子でカウラがかなめに命じる。


『カウラちゃんは甘いわね。まあいいわ。すでに『ふさ』はこの空域に進行中よ。積荷は食料と医薬品など、これから法術兵器の効果で倒れたあらゆる人命の救助を担当することになるわ。法術兵器の効果についてはすべての観測地点で十分なアストラルダメージ値を観測しているから私達の仕事はこれで終わり。そのデータの調査はひよこちゃんのお仕事だもの』 


 アメリアはそう言うとそれまでの緊張した面持ちから変わって、柔らかい視線を誠に向ける。


『本当にこれで終わり?なんだかあっけないな。それに実際の効果が出てるかどうかは見てみないと分からねえんじゃねえのか?』 


 すでにタバコをくわえているかなめを見ながら誠も頷いていた。


『ああ、それなら大丈夫よ。サラが一目でわかるデータを送ってくれたわ。見る?』 


 アメリアはそう言うと画像を一枚転送してきた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ