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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『修羅の国』での死闘  作者: 橋本 直
第三十章 掌の上で転がされて

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第137話 増援出現に対抗し

 悪寒がした。誠はレーダーに目をやった。映ったのは先ほどの不整地用車両のような小さな反応ではなかった。一瞬では数を把握できない明らかに飛行戦車と分かる機影が低高度で接近を続けている。


「敵影多数!こちらに!」 


 敵は予備戦力をまだ持っていた。誠にも敵の指揮官が無能ではないことはこのことで良く分かった。


『馬鹿野郎!多数なんざ見りゃわかる!数言え!数を!』 


 わざとらしく誠を罵るとかなめは一気に加速をかけた。相手が飛行戦車となるとかなめのレールガンの出番だった。


『誠ちゃん。その敵はかなめちゃん達に任せて目標地点に向って!05式広域鎮圧砲の発動地点を転送するからすぐに!時間が無いのよ!』


 アメリアの声には焦りの色が滲んでいた。誠も嵯峨が狙った時間が近づいていることは時計を見れば分かった。 


「そんな!西園寺さんが突撃して戦っているんですよ!それを見殺しにするんですか!」


 これまで深く付き合ってきたかなめ達を見殺しにするほど誠は強い人間ではない。それでも任務の為に鬼になる時間なのはそんな誠にも十分わかっていた。 


『神前曹長!これは命令です!すぐに向かいなさい!かなめちゃんなら自分の事は自分で守れます!』 


 厳しい表情のアメリアに誠は何も言えずに転送された地図を見た。南西の地点が光っているのが確認できた。誠は心を鬼にして予備戦力相手に戦闘中のかなめを見捨てて目的地点へと急いだ。


『大丈夫だ神前。私もいるんだ!私が全力で貴様を守る。今回は私は支援戦力ではなく主力戦力だ!あてにしてもらって構わないぞ』 


 カウラはそう言いながら誠機を守るように進軍する。視界から消えたかなめの機体と敵の部隊が接触したことがレーダーで分かった。


『かなめさん……死なないでくださいね。帰って来るって信じてますから』


 誠に今できることは心の中でかなめの無事を祈ることだけだった。



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