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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『修羅の国』での死闘  作者: 橋本 直
第二十九章 対飛行戦車制圧戦

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第133話 地上に展開する敵

『地上にも飛行戦車が控えてやがる!対空砲火が来るぞ!どうせ向こうの照準はうちの技術部のクラッキングでマニュアルでやってるんだ。慣れないマニュアル照準で直撃弾なんて食らったら笑いもんだぞ!』 


 ジェローニモから逃れるために回避行動を取っていた誠の機体に追いついてきていたかなめの2番機が手にしたライフルで地上を狙う。すでに高度は千メートルを切っていた。誠の機体のレーダーには今回の標的である反政府軍の30両を超える飛行車両の存在が写っている。


 誠の機体をすり抜けるようにかなめの230mmロングレンジレールガンが火を噴いた。現在基地のレーダーは使用不能ということもあり機体の光学照準器の扱いに慣れていないのか、まったく無抵抗に敵の飛行戦車は撃破された。


『西園寺!あまり派手に動くな!あくまで目標地点への到達が主任務なんだからな。敵の撃破は最小限にしろ!クバルカ中佐も常日頃言ってるだろ『無駄な殺生はするな』と』 


 カウラはすでに禿山の続くバルキスタン中部の機体を隠しながら侵攻するのにふさわしい渓谷の合間に機体を降下させていた。通信妨害が主任務として製造されているカウラの機体だが、敵がレーダー施設を『特殊な部隊』の技術士官によるクラッキングで使用不能にしている状態では、その任務は通信妨害により戦況を有利に運ぶことよりかなめと同じように230ミリロングレンジレールガンを装備して誠機の護衛にあたることになっていた。


『でもまあ駄賃くらいは良いだろ?国籍を偽ってる犯罪者だそれなりの罰を与えるのは当然のことだ』 


 かなめはそう言うとライフルを腕のロックに引っ掛けると残り一両の飛行戦車にサーベルを抜いて突撃した。


 反政府軍の明らかに錬度の低いパイロットは何もできずに砲身にサーベルが突き立つまでただ浮いていただけだった。



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