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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『修羅の国』での死闘  作者: 橋本 直
第二十七章 現場に派遣されたヤンキーの先輩

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第125話 『新兵器』の現地での評判

「その新兵器は……やはり『法術兵器』なのかね?そのくらいは教えてくれても良いじゃないか」


 士官は島田に尋ねるが、明らかに島田を見下すような態度にヤンキーである島田は怒りの表情を浮かべた。


「そんなもん、神前が使うんだから『法術兵器』に決まってんじゃないですか!アンタ等そんなことも分からねえのか?」


 いつもの乱暴な口調に戻った島田は今にも士官の胸倉を掴みかねない勢いでそう言った。


「法術兵器……あてになるのかね?あんな現代科学で説明できない現象など……まるでオカルトだ。確かにあの『近藤事件』では役に立った。法術が存在することも認める。しかし、法術も万能では無いだろ?いくら神前誠曹長に素質があったとしても現状の変更などもう無理な話だ」


 自身が遼州人でありながら法術適性の無い士官はそう言って絶望の表情を浮かべて見せた。


「オカルトでもなんでも結構じゃないですか。目で見たリアルを信じるのが俺達の合言葉でしてね……まあ、見ていてくださいよ。すべてが終わった時、この地域に平和が訪れる……かっこいいなあ!がんばれよ!神前!」


 島田の自信満々の言葉に東和陸軍の戦車兵達は今一つ納得できないような表情を浮かべていた。


「いい加減辛気臭い顔はやめてくださいよ。見ていてこっちまで神前を信じられなくなる。今回もまたあの胃弱なヒーロー神前誠が見せ場を作ってくれますから……安心してください。絶対に作戦は成功します。この俺が保証します!」


 完全に誠の任務で成し遂げれば誠の手柄だと言うのに、まるで自分の立てる手柄について語っているかのように島田はそう言い切った。


「胃弱のヒーローねえ……余計あてにする気が無くなってきた」


 戦車兵達は島田の言葉に全く動じることなく、暗い表情のままそれぞれの持ち場に消えて行った。


「全く、俺の事を信用できねえって言うんだ!後でぶんなぐってやる!」


 自分が全く彼等に信用されなかったことに腹を立てて島田はそう叫んだ。慣れない丁寧な口調を使ったことの馬鹿馬鹿しさに腹を立てながら立ち上がった島田は再びタバコを取り出すと表情をにこやかな表情に戻してタバコに火をつけくゆらせながらほほ笑んでいた。


「神前……オメエの本気、見せてみろや。オメエが失敗すると俺の面子も潰れるんだ。成功しなかったら後で隊に戻ったらぼこぼこにしてやんからな」


 島田はそう言って、島田が聞かされている時間ではまだこの国の上空に到着していない誠に向けてそう言った。


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