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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『修羅の国』での死闘  作者: 橋本 直
第二章 射爆場の宿舎にて

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第11話 不安と期待の『被験者』

「実験か……どんな兵器なんだろう?」


 誠は天井のシミを見ながらそうつぶやいた。誠は着替えずに横になったので腕時計を見てみる。すでに誠が床に就いてから二時間が過ぎようとしていた。


 自分の特技である干渉空間を敵めがけて剣状に展開する『(つるぎ)』のことを思い出した。そして、初めてそれを展開した『近藤事件』でのその威力を想像すると誠は少し憂鬱になった。


 死と初めて隣り合った恐怖。誠はこれまでも何度となくあの恐怖にうなされて夜中に目を覚ます事が有った。誠の上司であるカウラはそれが正常でその恐怖に慣れてしまい人を殺すことを何とも思わなくなっているかなめやランのようにはなるなと誠に告げた。


 実際、誠も人を殺すことに慣れたくは無かった。あの『近藤事件』でも近藤を始めとするクーデターを首謀した巡洋艦の乗組員達が多数、誠の繰り出した『光の(つるぎ)』に呑み込まれて消えて行った。


「もう殺したくないんだ。でもそれが任務なんだ……」


 元々軍人向きではないことは自分でも分かっている誠は、一人天井を見ながらそんな言葉を口にしていた。


「力が欲しかったわけじゃないんだ……力が欲しかったわけじゃ……」


 いつの間にかそうつぶやいている自分を誠は少し嫌になっていた。遼州人の持つ力に関心を持っている勢力は多い。夏にはそんな勢力の手先である『革命家』を自称する男に自分の組織に来ないかと勧誘されたこともある。実際、瞬時に巡洋艦のブリッジを消し飛ばした威力の使い道などいくらでもあることは、軍人でありながら軍事にあまり詳しくない誠にも分かった。


 そして明日また新たな誠の力が目覚めるかもしれない。


「この力……壊すことばかりじゃなくて、少しは良いことに……生産的なことに使えればいいのに……」


 少し憂鬱になった誠は腕で顔を覆い、寝返りを打った。


その寝返りの角度が良かったのかいつの間にか誠は眠りについていた。




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