102 とある子爵令嬢の呟き その1
すみません。
長くお休みしていた上に、短いです。
しかも続きじゃなくてすみません。
書籍の発売日が決まりました。
2018年12月17日です。
詳しくは活動報告にて。
102 とある子爵令嬢の呟き その1
今日は学園の聖女祭だ。
いつものとおり、デューク様と一緒にでかけるため、私は広場の門の前で待っていた。
昨夜は変なことを言われてしまって、ご挨拶もせずに帰ってしまった。
だって、あんな恥ずかしいことを言うなんて、思わなかったんだもの。
だけど、先に帰ってしまったことはちゃんと謝らないと。
そうすればきっとデューク様だって、昨夜の失言を謝ってくださるに違いないわ。
けれど、デューク様は一向に現れない。
ずっと男子寮の門から出てくるのを見ているんだけれど、影も形もない。
このままでは遅刻してしまう。
こんなことは一度もなかったのに。
どうしたのかしら。
体調でも崩されたのかしら。
でもそれだったら、知らせてくださるわよね。従者の――あれ? デューク様の従者は誰だったかしら?
リチャードは違うわよね?
だって彼はゴルドバーグ侯爵家の……。
――私、ゴルドバーグ侯爵家の従者であるリチャードをどうして知っているの?
頭がすごく痛い。左腕もズキズキとする。
リチャードはたしか、そう、ゴルドバーグ家の嫡男の従者で……そう、チェスター様の従者よ。
え? ケヴィンの息子のバーニーだった気が……
頭痛が酷い。吐き気もしてきた。左腕もなんだか締め付けられているような気がする。
「お嬢様! 大丈夫ですか? なんだか顔色がお悪いようです。今日はお休みをいただいてはいかがですか?」
「大丈夫。大丈夫よ、シーラ。ちょっと昨日の疲れが出ただけだと思うの。けれど、今日は学園の聖女祭だもの。休むわけにはいかないわ」
侍女のシーラに心配されたけれど、昨日、巫女を務めた私が学園の聖女祭を休むわけにはいかない。
せっかくのお祭りが台無しになってしまう。
「そうですか? ですが、体調が悪くなったらすぐに仰ってくださいませ。……もう、デューク様も早くおいでくださればよろしいのに」
「そうね。でもデューク様も昨夜のお疲れが出ていらっしゃるのかもしれないわ。待つのはやめて、先に行きましょう。あとでお会いしたときに謝罪するわ。昨夜のことも」
「そうでございますね。ですが、昨夜のことはお嬢様はお悪くございませんよ。紳士の振る舞いをなされなかったデューク様がお悪いのです。まぁ、そのことはご自身がよくご存知でしょうから、すぐに謝罪なされると思いますが……」
「ふふっ、そうね。いつもみたいに、きっとなにかプレゼントを用意してくださっているのかもしれないわ。とにかく、行きましょう」
そうしてシーラと一緒に登園したのだけれど、結局その日はデューク様には会えなかった。
学園代表の聖女として壇上に立つアイリーン様を見ているあいだ、ずっと頭痛がしていたのも、きっとデューク様にお会いできなかったせいだろう。
長くお休みしていてすみません。
しかも短い……
番号はあとで直していきます。すみません。
書籍の詳細は下記のリンクから詳細ページへ行けます。
詳しくは活動報告にて。
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