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男爵家の六人目の末娘は、○○を得るために努力します  作者: りな
第2章

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会議は踊る、されど進まず

オルフェウス、マルグリット、エドモンドは、一つの部屋に集まる。

エドモンドは、深刻な顔で言った。

「リリアーナが……偽雪苺を食べた」


「な、なんだと!?」オルフェウスは椅子を蹴飛ばし立ち上がる。

「そんな猛毒を……」マルグリットは口を押さえ、今にも卒倒しそうだ。


「……理由が、分からない。何か知らないか?」と二人を見るエドモンド。


オルフェウスの顔色はどんどん青ざめていく。

「ま、まさか……“領主命令が聞けないのなら出ていけ!”って言った、あれか……?」


「なんですか、それは!」マルグリットの厳しく問い詰める声。


「いや、その……リリアーナが戦いに行くと言うから止めたくて……」と、蚊の鳴くような声で言うオルフェウス。


「じゃあリリアーナは『ここに居られない…』って思ったのか……?」エドモンドの声は震えていた。


「……待て、エドモンド。お前もリリアーナが戦うのに反対してただろ。……どうなんだ?おかしな様子はなかったのか?」とオルフェウス。


エドモンドは腕を組み、必死に思い出そうとする。

「そういえば……魔獣が去った後のリリアーナが……」


「何か、言ったの?」マルグリットが身を乗り出す。


「いや、俺が、何も言えなかったんだ……『ありがとう』も、『よくやった』も、声が出なくて……」


「……リリアーナはお前に、叱られると思ったんじゃないのか?」オルフェウスが言う。


「もしかして……眠っていたのも、特殊な毒を自分で飲んだせい?」マルグリットは涙をためる。


「まさか……。しかし、リリアーナは薬草に詳しい……。無いとも言い切れない」とエドモンド。



暫くの重苦しい沈黙の後、エドモンドは唐突に言い放った。

「……手錠を用意しなくては」


「……………待て。今、なんと言った?」オルフェウスの声が低く響く。


「……いや、寝ている間に逃げないように……繋いでおこうかと」


「……それはやめろ」


「ではロープで」


「……」

「……」


オルフェウスとマルグリットは、顔と顔を見合わせた。


「エドモンド。リリアーナが起きるまで、ずっと一緒にいなさい。仕事は俺たちがやる。……だから、手錠もロープもやめなさい」


「……そこまで言うなら」エドモンドは真剣な顔で頷いた。


二人は同時に深くため息をつく。

「……エドモンド、お前の真面目さは、よく知っている。しかし、方向を間違えてないか?」


……エドモンドは、理解出来ていなかった。



偽雪苺の毒は、高熱を長く続かせる。幼い子供や老人のように体力のない者は、命を落とすこともある……それが常識だ。


リリアーナはずっと眠ったまま、苦しげに息をしている。額には汗が滲み、時折、うわ言のように小さく声を漏らす。


(本当に……大丈夫なのか)


不安で押しつぶされそうになりながら、エドモンドはベッド脇に座り続けた。

熱にうなされるリリアーナの顔は赤く、まるで炎に焼かれているかのように苦しそうだった。



エドモンドは、夜も眠れなかった。

夜更けはとくに熱が上がり、リリアーナの体は火のように熱かった。彼はその手を取るたびに、胸を締めつけられる。


昼間はとうとうとしたまま彼女の隣に椅子を持って来て腰を下ろし、夜になれば眠気を押し殺して見守る。冷やした布を何度も取り替え、乾いた唇を少しずつ潤し、弱々しい寝顔に「がんばれ」と声をかけ続けた。


三日目の深夜。

リリアーナがゆっくりと目を開けた。


目の前には、疲れの色を隠せないエドモンドの姿があった。

何かを言おうとしたが、喉は渇ききり、声にならない。


視線だけが交わる。


リリアーナはそのまま目を閉じた。瞳から一筋の涙が溢れる。

月明かりに照らされたエドモンドの瞳は、淡く月明かりを宿していた。


夜はただ、静けさを守っていた。


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― 新着の感想 ―
なんかもう二章からずっとグダグダで蛇足っぽい、、 リリアーナは明らか余所者異性と迂闊な距離感で気持ち悪い。その他もいろいろ危機感・冷静さがないし、エドモンドは防衛と恋愛ダブルで焦ってるんだろうけどやた…
監禁するほど大事なのに気持ちを慮ることはしないし言葉で労うことも尋ねることもしないんだねー。不器用な田舎男子で口下手とか設定以上にポンコツすぎんかね。親子で。ちょっと気まずかったり声かけづらかったりで…
親父と同じで馬鹿だ。こいつには子育てなんか絶対無理だ。当たり前に虐待する姿しか見えない。
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