何だそれ?
ジル、ホムラ、ロート、ネロは、冒険者ギルドに来るまでの間に買い食いをしていた。
カフェで沢山食べたのにロートとネロは更に買い食いをしていた。
「良く食べるな」
ポツリと呟くジル。
「本当だね~」
若干引き気味のホムラ。
冒険者ギルドに着いたジル、ホムラ、ロート、ネロは、依頼書が貼られてるボードの前で依頼表を見てる。
依頼書。
ランクE
キュア草。
10本で1つとして納品。
報酬、銀貨1枚。
依頼書。
ランクS。
幻の迷宮と呼ばれてる底穴の迷宮で取れる魚を3匹。
報酬、金貨3枚。
依頼書。
ランクB~A。
王都騎士学校。
騎士の卵の剣術の指導。
冒険者の強さを思い知らせて自分より強者がいることを教えてやって下さい。
報酬、金貨40枚
他の依頼書は次々と冒険者が受付に持って、手続きしてギルドを後にする。
残ったのは、王都の依頼書と底穴の迷宮と魔物の討伐依頼と報酬が少ない依頼だけ。
「う~ん、どうする?」
テーブルの紅茶を一口飲んでジルがホムラ、ロート、ネロに聞く。
「キュア草は嫌。あれ見つけにくい」
とホムラが、紅茶を一口飲んで言う。
雑草に埋もれて、鑑定を持ってないと見つけれないのだ。
ジル、ホムラは勿論鑑定スキルなんて持ってない。
ロートとネロは持っているが、あえて持ってない事にしている。
「討伐も駄目だな。」
ロートが言い、続きをネロが
「俺達がいると出てこないし、巣穴に戻って出てこないし。」
と、言う。
う~ん、と困っていると、ホムラの背後から
「じゃ、騎士の卵をボコボコにすると依頼は?」
と声がしてジル、ロート、ネロの視線がホムラの背後の人に集中した。
「久しぶりだね。ジル、ホムラ、ロート、ネロ」
よっ、と片手を上げて笑うがっちりした男。
「「「「元親!?」」」」
ズルズルと椅子を持ってきてジルとホムラの間に座る。
テーブルにマジックバックから取り出した焼き鳥を出してパクリと一口食べた。
ヨダレを出すロートとネロにジルが咳払いをし、「しまった」と顔をするロートとネロだった。
「あの依頼は、貴族のボンボンで、自分達より位が低い者は、ゴミと思ってる頭かわいそうなな屑達が行ってる所だろ?」
「無いな」
「僕達は、貴族嫌いなんだ。」
「奴らをボコれるとしたら?」
「再起不能にしていいなら考える」
(考えるだけ、だけど)
「再起不能か………いいね。面白い………再起不能」
「元親?」
ロートが声をかける
ニヤリと笑う元親。
((あっ、この顔。悪い事を思い付いた時のジルとホムラと同じ顔だ。))
((ロートとネロの悪巧みを思い付いた顔と同じだ。))
「一緒にやらないか?」
元親が、身を乗り出してジル、ホムラ、ロート、ネロに言う。
「どうする?」
ジルが聞くとホムラ、ロート、ネロは、
「リーダーが決めていいよ」
と丸投げしてきた。
面倒な事は、とことんリーダー任せにするホムラ、ロート、ネロだった。
(こいつら………)
そんな事を思いながらジルの回答は、保留だった。
(意外だな。確実に行くと言うと思った。ジルは、石橋叩いて渡れのタイプか?それにしても、ホムラ、ロート、ネロは関係無い顔してるな~(笑))
元親と別れてホテル漣に戻り部屋で緊急会議。
「何で丸投げした?」
「あー………」
とホムラ
「そのー………」
とロート
「だって面白そうだから(笑)」
とネロはニヤニヤしながら言った
((ネロ~!))
「何本当の事言ってんだよ!」っと言わんばかりの顔をするホムラとロートにジルの拳骨が頭に落ち悶絶するホムラ、ロート、ネロだった。
「で、緊急会議だが、元親の誘いに乗る?」
ジルが壁に持たれながら言うと椅子に座ったホムラが、
「貴族の相手でしょ。やる気が起きない」
と言い、ベットに座ったままのロートが、
「見下して来そうだな。手加減出来んと思うぞ」
元龍のロートが言い、ベットに寝転がったままのネロは、
「俺、参加~。奴らの心を折りたい」
ネロの言葉に黙るジル、ホムラ、ロート。
「………全員集合」
ジルの掛け声で、ホムラ、ロート、ネロがジルの近くに集まりヤンキー座りをして
「どうする?」
とジルが真面目なトーンで言うと
「はっきり言って、関わりたく無い。受付嬢の件で懲りたのです。」
「実は、受けたい。手加減の練習にもってこい。でも死人が出てしまうとジルやホムラに迷惑かける」
「俺は、そのまま受けたい。自分達以外に強者が、居ることを身体を徹底的に教えてやりたい。」
ホムラ、ロート、ネロは本心で言った。
「後はリーダーのジルが決めて」
ホムラがジルを見る。
「ジルは、どうしたい?」
ネロがジルを見る。
「俺?俺は………」
「ジルは、なんだかんだ言ってもこちらの意見を聞いてくれる。たまには、我が儘言ってもいいぞ」
ロートがジルの背中を押した。
「俺は関わりたく無いが、元親が気になる。俺やホムラと同じ人?………の匂いがする。」
「「「何だそれ?」」」
ジルの感覚的な事にホムラ、ロート、ネロが突っ込んだ。
「お、俺だって良くわからんだよ。ただ、何となくだ。何となく、感覚的に………?直感?………で感じた」
歯切れの悪いジルの言葉を聞いてロートがパンッと手を打って
「じゃ、元親の誘いにのるか!」
といい、
「いいのか?」
遠慮するジルに
「いいよ~」
「ok~」
とのんびり言うホムラとネロ。
結果、元親の誘いに乗ることにしたジル、ホムラ、ロート、ネロだった。




