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血は争えない

森の奥に飛ばされたサラと術師は、突っ立ていた。

初めに声をあらげたのは、サラだった。

「な、何なのよ。ここは!」

突然の大声に術師はサラの口を手でふさいで静かにするように言うが、我が儘なサラは聞かない。

手を振りほどき大声で

「何すんのよ!」

と叫ぶ。

「静かにしてください!モンスターが来ますよ!。」

声を潜めて言うが全く聞く耳を持たないサラ。

何度か注意点するが、全く聞かないサラについに術師のビンタが炸裂した。

「うるさい!さっきから何度も言わすな!お前の声でモンスターを呼んでいるんだぞ!状況理解しろよ!このビッチ!!」

左頬に手を当てて呆けるサラだが、次第に怒りが込み上げて来る。

「ビッチって何よ!」

「毎夜、毎夜、男とやって、後片付けをやらされるこちらの身にもなりなさいよ。体液がついたシーツを洗濯の人に持って行く私の身にもなりなさいよ。たかが巨乳しか持ち合わせてなくて、勉学もなくて、親の七光りの分際で、ビッチと呼んで何が悪い!」

「なっ!!」

サラは握り拳をのっとる震わせている。

術師が言っている事は全て当たっていた。

親の七光りで、巨乳目当てで近付いて来る男と一夜の交わりをする。人からビッチや七光りと呼ばれているのは知っていた。

勉強も頑張った。

けど、努力しても皆認めてくれない。そこから男あさりを初めて今の我が儘のサラが、出来た。

「私は貴女の主は私よ」

「あんたじゃ無い。あんたのお父上と契約を結んだ。お前じゃない。」

冷たく言いきる術師は、サラを見る。

何も権限が無いサラは苦虫を潰した顔をする。

「今まで綺麗な顔で巨乳だから男どもがよって来たけど前歯が無いあんたは美人じゃない。どちらかと言うと醜い。」

術師は、馬鹿にしたように笑う。

醜いと言う言葉に腹を立てたサラが掴みかろうとするが、手で払いのける。

「怒ったの?怒ったの?散々私達に言って来たのに自分が同じ目に遭うと怒るの?。 アハハハ、馬鹿過ぎるわ。どうして私が貴女の歯を治さないか分かる?」

「・・・」

「私の友達の歯をヤスリで削り、煮えた切った油を顔にかけて醜くして綺麗な髪を持つ子には暖炉に頭を突っ込ませて酷くして笑っていたじゃない」

嘲笑う術師

「今度はお前の番だ。ここはゴブリンがいっぱい居るところ。良かったね。ビッチ。私は安全な処に帰るわ。そうそうお父上にも貴女が居なくなったって伝えておくわ」

「お父様が許すはずないわ」

術師が鼻で笑い、

「そのお父様からの依頼ですよ。サラ様?。お父上は、貴族の中で上位の家からビッチが出た事が恥ずかしいそうですよ。家督は妹か次ぐそうです。弟君がもう少し大きくなるまでの間ですがね。さて、家紋が入ってる指輪も頂きましたし、私はこれでサヨウナラです。精々、お得意な身体で男を喜ばして差し上げて下さい。」

術師は、転移魔法でサラの前から消えた。





「ご苦労だな。術師ルル。・・・嫌。我娘エリア」

術師の名前はルル。

伯爵から娘と呼ばれていた。

「お父様」

エリアは、学校に通っている時はルルと名乗り、家では、エリアと過ごす。

「私は、伯爵の雇われた番犬でございます。拾って頂いたこの命、尽きるまで伯爵様の手足になりましょう」

「そうか。そうか。では、風呂に入って来なさい。夜の営みを待ってるよ。」

「はい。行って参ります。お父様」

(血は争えないか)

エリアは思いながら廊下を歩いて行った。



その夜は、依頼主件お父様と夜をあかした。

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