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厄災

魔法鉄道の一等客室を4つ予約を取り広々の客室でのびのびと思い思いの過ごし方をしているジル、ホムラ、ロート、ネロ。

一等客室はジル達によって全て完売御礼だ。

中々売れなかった一等客室が売れたので、魔法鉄道はウハウハだ。


客室の扉を叩く音がし、ジルは本をマジックバックに入れて扉の方に歩く。

「はい。」

「僕です」

声の主は、ホムラだった。

扉を開けて姿を現すジルにほろ酔いのホムラはバーテンダーのいる処で飲まないかと誘って来たのでホムラと共にバーテンダーのいる酒場に足を向けた。


「ジル、ホムラ」

ネロが手を振って居場所を教える

「帰ってくるのが遅いので部屋で寝ていると思ったぞ?」

酒をチビチビ飲みながらロートが言う。

「悪い。ロートが教えてくれた(神代)文字と日文(ひふみ)阿比留(あひる)(文字)を調べながら読んでいたんだ。」

「何か分かったか?」

「日記みたいだね」

ジルは酒を頼んでバーテンダーがグラスの中に丸い氷を入れてべっこう色の酒を注いだ。

「ふーん。1000年前の日記か、どんなこと書いて合った?」

グラスを持ち口に付けて考えるジル。ちらりと横目でバーテンダーを見る。バーテンダーと視線が合った気がする。

バーテンダーはニッコリ笑い会釈する。

(こいつ出来るな)

静かな音楽が流れる。

ジルは、一口酒を飲みロートに顔を近付けて話す。

手で口元を隠すロート。

だが、隠しきれず、ニヤリと口元が笑い、ロートもジルに顔を近付ける。

「何が書いて合った?」

「日常の合った事だな。食事の事も書いて合った」

「ほぉ」

ロートがソファーの背凭れに背を預ける。

ジルも同様にソファーの背凭れに背中を預けてグラスを持って飲む。

「なぁ~に、二人でこそこそ話してんだ?」

「ネロ?」

すでに出来上がってるネロは、ロートの肩に腕を回してグラスを煽る。

「酔いすぎだ」

呆れ顔で言うジル。

ストッパー役のホムラは酒により撃沈していた。

「ホムラ?」

身体を揺すって起こすジル。

でも全く起きないホムラを見ておかしいと思った時、背後から声が聞こえた。

「起きませんよ。睡眠薬を入れましたからね」

バーテンダーはカウンター越しに拳銃を持って銃口をジルに向ける。

「一等客室の上客だ。しかも髪が白いと来た。白い髪の奴は生け捕りでも死体でも高く売れるからな!」

肩越しにバーテンダーの話しを聞いてもジルは驚かない。何事も無かった様にホムラに向き直り、爪先でホムラの向こう脛に蹴りを一発入れると

「ホムラ、敵襲だ」

と、声をかけて右にずれる。ジルの腕ギリギリをダガーナイフが飛んで銃口と手に刺さる。

「!!」

のそりと起きてソファーからドスの聞いた声で

「いい気分で寝てたのに良くも起こしてくれたな~」

地を這う声。

ホムラほ寝起きが本当に悪い。

マジックバックから剣を取り出して斬りかかる。

(普段もこんな風に動けたらいいのになぁ~)

と何処吹く風の様に思いながらジル、ロート、ネロも剣を取り出して斬りかかる。


ものの5分で酒場を制圧。

バーテンダーの右腕に剣先を刺し右に90度回して傷口を広くして剣を抜く。左腕に剣を何度も突き刺して筋肉や神経をズタズタにして肉と骨を分けて足で骨を踏み折る。

「腕が!腕が!」

バーテンダーの悲鳴と叫び声が聞こえるが、ロートのサイレントの魔法とジルの波長迷彩魔法で声も血だらけの部屋は見れないし、漏れない。

ウエイトレスの悲鳴や引きつった顔やマスカラが取れて黒い涙を流してる。

寝ぼけてるホムラは叫び声を上げるウエイトレスの手足を切り落として達磨にして笑えと強要した。ジルも叫び声を上げようとさたウエイトレスの口に剣を突き刺して貫通させる。

後頭部から剣先が出て、ウエイトレスの細身の女性は絶命した。

響き渡る声。

寝ぼけてるホムラに取っては、最高の喜びの声だ。

「伏兵ほいないようだな。」

酒場にいたバーテンダーを初めウエイトレスもガタガタ震えてる。

「さて、バーテンダー君。色々聞かせてね」

ネロがスプーンで右の目玉を抉り出し、ガラスのコップに入れると酒を注ぎ笑いながら使える手で渡して目玉まで飲めと言う。

ジルはその行為止める事無くソファーでガラスのコップに酒をついで飲んでいた。

(マイペースだな)

ロートとネロは寛いでいるジルを見て笑う。

「そう言えば、今出回ってるポーションだけど、大きな怪我に対して小規模のポーションを傷口にかけると激痛が走ると、後は、治りが悪くて・・・どうなるか知らないから試して見ようか?」

ネロは、ニヤニヤ笑いながら手には小さな瓶を振り、瓶の蓋を取り達磨になったウエイトレスの身体にかけた。

響き渡る声は止まず耳を押さえるジルとロート。

ホムラは「うるさい」と言い、喉に剣を突き立てて命を狩った。

「騒ぐんじゃねぇよ!頭に響くだろうが!!」

バーテンダーの髪を持ち引きずってを壁に凭れさせて今置かれてる状況を分からさせた。

「知ってる事、全てゲロれ」

ホムラはソファーに座りダガーナイフをバーテンダーに投げつけ頬に一本の傷を着けた。まるでダーツの的だ。

「わ、私たちが聞いてるのは、そちらの白い髪の人を生け捕りにしろとアルビノは珍しいので」

テーブルに肘をおき、握り拳をこめかみに付けてもう片手で酒を飲むジルは、一言言った。

「俺はアルビノじゃないぞ。本物のアルビノは全てが白いぞ?」

「違う?・・・嘘だ!!」

「本当だぞ。ジルはただ魔力の使いすぎで白くなっただけ。元は黒髪だぞ。それにアルビノは、眼皮膚白皮症の指定難病だ。ちゃんと調べれば分かったのになぁ~」

バーテンダーの声にホムラがガターナイフを投げつけ肩に命中し踵で押し入れる。

腕も足も使えないバーテンダーは痛みに持ってかれる意識を殴る事で無理やりホムラに起こされる。

「お、俺は死ぬのか?」

男が聞いてきた。

「「「「ん?」」」」

全員の頭に「?」が付いて、顔を見合せ、思い思いの言葉を話す。

「別に死んでもいいんじゃない?困らんし」

ネロが言う。

研究室(ラボ)が合ったらズタズタにして何日まで生きるか実験してみたい!」

ロートが言う。

「そもそも、こいつ生きる権利、有るのか?僕らを襲って来たのに助かるって思っているのか?」

ホムラが言う。

ジルは何も言わず、ただじっと見ていた。

バーテンダーの男にとって恐怖を与えたのはジルだった。


「まずはこいつらの親玉にこいつな爪を全て剥がして髪も切って封筒に入れて送る?」

ネロがジルに言う。

「それなら手足を切り落として達磨にして送るか?」

絶命しているウエイトレスの頭を踏みつけるロート。

ギシギシと音がして、更に力を加えて踏み潰す。飛び散る脳ミソと血と体液。

「靴が汚れたじゃないか?おい女。舐めて綺麗にしろ」

ロートは靴を女性の口元に持っていき爪先を口の中に蹴り入れた。

折れる歯に笑い出すロート。

他のバーテンダーとウエイトレスに笑う事を強要してる。

「何がそんなに面白いんだ?」

笑い続けたバーテンダーとウエイトレスは壊れた人形の様に笑い続ける。

「壊れたな」

「壊れたね」

「壊れました」

「精神崩壊した」

ジル、ホムラ、ロート、ネロは笑い続ける人を見続けて、ジルが顔の位置に手を上げて一言言った。

「全員集合~」

ジルの元集まるホムラ、ロート、ネロは、ヤンキー座りをして、

「どうする?」

と言った。

酒に酔い後先考えずやってしまった。転がる死体。血を吸収して色が変わった絨毯。

真剣に考えてる様で考えてないジル、ホムラ、ロート、ネロは、

「酒でも貰って部屋に帰るか?」

と言ってガターナイフで遊ぶネロ。

「酒は、十分楽しんだ」

「清掃中として札出しとく?」

「そのままで言いら~?」

「「「襲いかかる火の粉を僕達(俺達)は振り払っただけ」」」

「じゃ、警告ってことで、そのままにしとく?」

ジルが聞くと

「「「異議なし!!」」」

僕達は、酒場を後にした。

彼らを見た者は誰もおらず、ジル、ホムラ、ロート、ネロは、また自分達の部屋で思い思いの過ごし方で過ごす。

乗務員が見つけた酒場のバーテンダーとウエイトレスは、顔の皮が剥ぎ取られ首を切れ味抜群のナイフで皆殺しになっていた。

ジル、ホムラ、ロート、ネロは、その情報を耳にしても、列車の旅を楽しんでいる。

「(犯人探すか?)」

「(嫌。探さなくていいんじゃない?面倒だし)」

「(殺された彼奴らは、其奴(そやつ)に取って使い捨ての駒なんだ)」

「(哀れだな?)」

「(我達は、恵まれてるな~ネロ?)」

「(本当だな。ロート)」

念話で、会話をしながらジルの部屋でババ抜きをする4人だった。




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