面倒臭くならないで!
今日は、ホムラが桃の実で桃タルトを作る。
用意するものは、
桃2個、砂糖大さじ2、レモン汁大さじ1。
タルト台にビスケット150g、溶かしバター(無塩)70g
ヨーグルト生地にクリームチーズ100g、マショマロ120g、牛乳大さじ3、ヨーグルト(無糖)150g、レモン汁大さじ1、
作り方は、桃の種を取って3㎜程の厚さに切る。
ボウルに桃、砂糖、レモン汁を入れてざっくりかき混ぜたらピタッとする蓋を閉めて氷室で30分程おく。
ビスケットを細かく砕き、溶かしバターを加えて良く揉んだら型に入れて氷室で10分間冷した固める。
クリームチーズ、マショマロ、牛乳を1分~1分30秒加熱して混ぜ溶かして粗熱を取る。
ヨーグルトとレモン汁を加えてその都度混ぜる。
タルト台にヨーグルト生地を流し入れて氷室で2時間以上冷やし固め桃を薔薇の様に並べる。
「今日は桃タルトを作ったよ」
「おお。今日はタルトか~♪」
「桃は甘くて美味しいからね」
「やったー♪」
甘いものが好きなロート、ホムラ、ネロ。
甘いものが苦手なジルは渋い顔をしている。
「美味しいから食べてみよ?」
「甘いですけどケーキでは有りませんよ?」
「茶菓子だと思えばいいんだよ」
「・・・一口だけならな」
ジルは渋々食べる事にした。ホムラ、ネロ、ロートの厚が凄まじいだからだ。
朝に作った桃タルトは、「3時のお茶の時間に出すよ。」とホムラは言ってストーブに薪を入れて木の皮に火魔法で火を着けて薪の間に入れる。鍋をセットして塊の肉を2つ入れある程度の大きさの氷の塊を入れ蓋をする。
氷が溶けたら塩胡椒と砂糖を入れてじゃが芋、人参、玉ねぎを適当な大きさに切って煮込む。
肉が茹で上がりフォークで取り出したら一口大の大きさに切って皿に入れると野菜を皿に移し、マグカップでスープを注いでテーブルの上におく。
「ごった煮です」
「じゃが芋のにっころがしか?」
「肉より野菜の方が多くない?」
「黙って食べろ。いただきます」
「「いただきます」」
「いただきます」
ジルだけが文句を言わず食べてくれる。どんなに不味くても味を間違えても完食してくれるので有りがたい。
「じゃが芋皮付きだけど?」
「人参も玉ねぎだけが皮を剥いて有るけど」
「ちゃんと洗っているから大丈夫だ。問題無し」
イヤイヤイヤ。関係ないべ。
皮剥こうよ。野菜の皮。面倒からずにさ。
そりゃ皮にも栄養が有るから食べた方がいいけどさ・・・何か嫌じゃん!
え?。生ゴミが増えるのが嫌?
土に埋めればいいじゃん?。
え?。栄養が有るから黙って食べろ?
もしかして桃のタルトも皮付き?
えっ?桃タルトは皮を剥いてある。
良かった~
お皿に乗った料理を完食させてマグカップのスープを飲み干す。
食事が終わったら食器と鍋を洗いテーブルの下に片付け、今日は風魔法で庭の草刈りだ。
広大な大地に青々した草が伸びる
ジルとロートが風魔法を使って草を根元から切って、ホムラとネロが熊手を使って集める。魔法で丸く固めると牛を育てていると所から草を譲って欲しいと言うので無償で渡す。庭に沢山実った、みかんや梨、林檎の果実も渡す時が有るのが、たまに果物争奪戦が起こっている事はジル、ホムラ、ロート、ネロは全く知らない。
甘くて美味しいからリピーターが続出中だ。
皆、欲しいから貰った時は見つからない様にこっそりと持ち帰る。
「草を貰いに来ました~!!」
良く通る声で話す若い男。男の裏には荷車が有る。
「おお、来たか。いつものじいさんは?」
若い男に近付き、いつもいる初老のじいさんを探しながらロートほ言う。
「父はぎっくり腰で今日は寝てます。その代わり弟達を連れてきました」
若い男の後ろで「何で俺が手伝わないと行けないんだ?」と顔をしながらそっぽを向く。
ロートは、男の後ろでそっぽを向いてる男に視線を送るが、興味が無いのか直ぐに話を戻した。
「もう少し待ってくれ」
「分かりました」
ロートの後ろからホムラがやって来て、「東屋で冷たい麦茶を出してあるから飲んでくれ」と伝えて作業に戻る。
魔法で次々と草を円柱にしていくジル。その光景に男の弟が目を輝かせて兄に聞く。
「兄貴、あの白い髪の人は?」
「彼はジルさん。黒髪がホムラさん。赤い髪がロートさん。茶色の髪がネロさん。」
麦茶を飲みながら弟に名前を教える。
弟がこっそり兄に耳打ちした。
「白い髪の・・・」
「ジルさんだね」
「あの人、アルビノ?」
「違う。魔力を使いすぎて髪の色が白銀髪になっただけだ。」
兄弟の後ろから声がして振り返るとそこにはジルがいた。
「ジルさん。弟が申し訳ございません」
土下座する勢いで椅子から立ち上がる兄。
「構わん。だが、何処で調べたか知らんが、白いだけでアルビノと決めつけるな。草は荷車に積んだ。後、あのじいさんにぎっくり腰のお見舞いに持ってけ」
紙袋を直接渡し中を見ると、そこには大きな梨5個だった。
「ありがとうございます。弟達にもいい聞かせます。ジルさん、本当に申し訳ございません。」
頭を下げる兄を見て弟は目を泳がせて頭を下げた。
庭は手入れされて、畑に水魔法で大量に水を与えるジル。
畑には、なす、人参、玉ねぎ、ピーマン、トマト、西瓜、メロンが植えている。
たまにやってくるライガーウルフも西瓜やメロン、梨、ジルが作った料理を食べにやって来る。
ライガーウルフさんよ。君、野生だったよね?野生は何処に行ったんだ?お世話される気満々だよね?
え?。ジルがたまに手作り料理をくれて余りにも美味しかったからたべに来た?
じゃ、食べたら帰れよ。
飯目当てで来るなよ!。
旨いぞ。肉、人参、さつま芋、玉ねぎ、トマトを圧力鍋に入れて作ったくれる。出来た物をかき混ぜて、良く冷ましたらお皿によそってくれるんだ。よだれが出るよ。
荷車に沢山の草を貰い帰って行く兄弟を見て、
「ジル」
「何だ?ロート」
「俺のせいでアルビノに間違えられて嫌だよな?」
「好奇心で見てくるのは嫌だな。それに俺は髪だけが白銀髪だ。アルビノとは違う。アルビノは眼皮膚白皮症と呼ばれ難病と指定されている。俺は違う。」
「そうだったな」
一緒に風呂に入った時の姿を思い出して笑うロート
「そうだ。ライガーウルフの親子がまた来たぞ」
「そうか。梨か林檎でもあげとくか?」
「嫌。たまには与えなくしとけば?」
「せっかく来たんだ林檎でもあげとく」
ロートにそう言って林檎の木に向かうジル。その後を追うライガーウルフの親子。
木から林檎を取りその場でナイフで実を切りライガーウルフに投げる。ライガーウルフはいつもの事の様に口で上手くキャッチして咀嚼する。
でも、やっぱり肉が良いのか、氷室の方を見つめるライガーウルフに軽くため息をついた。
ライガーウルフが勝つか、ジルが勝つか、いい勝負だ。
そして、今日勝ったのはジルだった。
ライガーウルフは沢山林檎を食べて森に帰って行った。
「ジルがいる時だけ来るんだよね。ライガーウルフの親子」
ホムラが去っていくライガーウルフを見てジルに言う。
「そうか?」
「そうだよ」
(ジルが優しいのは動物は分かっている。でも、3日おきに来るのはやめて欲しいな。せめて半年に一回だよ。ジルにも相談しとこ)




