神代文字(しんだいもじ)
部屋にあるシーツをジル、ホムラは、水魔法を使って洗濯機の様に洗う。植物を原料とした石鹸を使って。
「梅雨明けだね」
「洗濯物が乾く。シーツも洗える」
「我はタオルを干してきたぞ」
「俺も服を干してきたよ」
昨日の雨が嘘の様に晴れ渡る。
洗って濡れたシーツを外の竿に干す。風に飛ばされない様に竹で作られた洗濯ばさみの様な物で止めた。
「今日のお昼は何にする?」
「東屋で適当に作って食べる。肉も魚もまだあるし。ロートとネロは何食べたい?」
「何でもいいぞ?」
ロートの言葉にジルはムスっとしマジックバックに手を突っ込むみ掻き回す。
「何でもいいなら、ほら食べろ」
ロートにマジックバックから氷の塊を手渡し、ロートは「何?!」と言わんばかりの顔をした。
「何でもいいんだろ?食え。」
冷ややかな目をして氷の塊を指でさして言うジル。
「「・・・」」
僕とネロは顔を見合わせたまま、身動きが出来ずにいる。
ここで間に入り仲裁に入るとこっちまで飛び火する。何度かの経験で僕は悟った。こう言う時のジルに関わっては駄目だ。
「あっ・・・。嫌・・・。その・・・。えーと・・・。・・・ごめんなさい。」
「「・・・」」
「・・・分かればいいんだよ。分かれば・・・」
ジルの無言圧力に僕は背筋が伸び、ネロは見えない尻尾が有るなら股の間に隠れている。
何事もなかった様にストーブに薪をセットして木の皮に火魔法で火を着けて、薪の間に入れ蓋を閉じてヤカンをセットしてロートから氷の塊を貰うとナイフで砕き入れた。
ホムラとネロは鍋に凍った肉と野菜を持ってきてナイフで一口大の大きさに切る。
ヤカンの蓋がカタカタ鳴ってからお茶の葉を入れて、テーブルの上に置いた。
鍋をセットして、油を引き切った肉を焼きピーマン、トマト、玉ねぎ、なすを入れて塩胡椒を入れて味を整える。
鍋をテーブルの中央に置いてヤカンから紅茶をマグカップにつぐ。
「じゃ、いただこうか」
ジルの声で食事かま始まる。
「「「「いただきます」」」」
トングで野菜と肉を掴み小鉢に入れてフォークで食べる。
「うん。旨い」
「美味しい」
「即席なのに」
「氷だったら腹が冷えてた」
思い思い付いたの言葉をのべるジル、ホムラ、ロート、ネロだった。
ご飯を食べて、ジルはロッキングチェアでゆらゆら揺れてマジックバックから取り出した本を読む。
食べた食器や鍋はロートとネロが洗いテーブルの下に置き、王都で買ったハンモックに寝そびれる。
ホムラは背凭れに身体を預けて紅茶を飲む。
涼しい風が頬を掠めて流れる。
ジルの手元の本のページがペラペラと捲られる。
「その本は好きだね」
ホムラの言葉にハンモックから降りてきたロートとネロはジルの背後から覗き見る。
「ほお~。もう滅んでしまった太古の文字か」
「古代語よりも古いですね」
「どれぐらい古いんだ?」
「3000年前位だな」
ネロが言うとロートは頷き言葉を発した。
「神代文字と言うし神代文字とも言う。何にせよ、失われたのは間違いない」
「そうなんだ。神代文字と言うのか~」
「わくわくしてますね。ジル」
「ああ。今まで、この文字が分からなくて、自分でこんな感じかな?って、適当に勘と絵図で解読していたが・・・そうか、神代文字か、図書館に行けば有るかな?解読書」
「無いな。神代文字の事を知っているのは長く時を生きている種族のみよ。龍族はもう使ってない。今の長老でも読めんだろうな?」
「何で失われたのだろう?」
「さぁ、分からんが、我はその文字を使っていた人はあのお方と小姓と後は、・・・彼奴らしかおらんかった」
「確かに、神代文字を使ってあのお方と小姓の人は話をしていたな。聞き流していたが、ドラゴン族の長が嫌な顔をしていたのは覚えてる」
「復活させたら?」
ジルが真面目に聞いてくる。
(ジルは難解な文字とか失われた文字とか好きだからな~)
「何も起こらんが、人前で話すのは辞めた方がいい。」
ロートが真面目な顔をして言うのでジルは頷き「分かった」と言っていた。
それからロートとネロはハンモックに戻り横になりながらロートとネロは2人だけで念話で話をする。
「(ロート。神代文字の事教えなくて良いのか?)」
「(ジルなら自分で説いていくさ)」
「(ロートなら読めるだろ?)」
「(買いかぶりすぎだ、ネロよ。神代文字に日文に阿比留文字も入っていた。それを絵と大体の感覚的に解読しようとしていたのは凄いがな)」
「(長達も嫌がるでしょう)」
「(きっとな。我は一眠りする)」
目を閉じて寝る体制に入ったロートにネロは空を見上げていた。
「・・・分からん。まずは基本になる本を探そう。」
本を閉じてマジックバックに突っ込むみ、冷えた紅茶を飲んだ。
今、ジルの手元にある本は全て、神代文字、日文、阿比留文字をぐしゃぐしゃ入れ混ぜた文字だ。少なくとも3種類の文字の元になる始まりの本を探す事が目的地た。
きっかけがあれば、すいすいと解読出来るだろう(多分)。
「もう、本はいいのですか?」
「ああ。あの行商人はもう来ないだろう?手に入れたい本は、もう手に入ったが、解読出来る文字一覧表が欲しい」
「アマ○ンで検索してみれば?」
ホムラがぼそりと言った。
イヤイヤイヤ。それは無理だろよどう考えても!ここ、日本じゃ無いからね?
ホムラよ。ここはネットショッピング出来ないのだよ?アマ○ンなんてある訳無いじゃん?
「アマ○ンにあれば配達してくれるよ?。」
「もそもそも、ここはネットワークは無いぞ。」
「そもそも、ネットワークって何ぞや?!ロート!!ヘルプ!!」
「何だ?我は寝ているのだ」
「じゃ寝ながら聞いて。アマ○ンって何?」
ジルの言葉を聞いたロートがハンモックから転げ落ちた。慌てて立ち上がり、土で汚れたズボンの裾を払う。
「アマ○ンはな、・・・仮面ライダーアマゾンだ。」
「?」
(くっ・・・不発だな。)
「ママゾンなら聞いた事が有る。何処かの国でバカな首相がいて国民を奴隷と思って海外に国民から無理やり集めた血税を外国に使って、自国国民よりも外人優遇にして自分の息子が公用車で出掛けて問題になっても3ヶ月で許して謹慎を解いて、政界でなに食わぬ顔をして恥じ知らず馬鹿だろう?党内や身内にはいい顔して、国家公務員は3万円の賃金値上げ。国民は50円の賃金値上げで「嬉しかろう」「上げてやったぜ」と上から目線の態度で言う。物価があがってんのに金持ちにはいい顔して貧乏人に早く死んでと言う。テレビと言う箱形の何かなでは、粛々にとか、様々とか、検討ばかり言って、言い訳ばかりで何もしない無能な政府と役人がいてキックバックは有耶無耶にして終わらせちゃう」
「アマ○ンの事は?」
「ここには無い。諦めろ。ネットワークが無い代わりに我らには魔法が有る。」
「そうだね。」
(ロートは世界中を旅していた。きっと住んで愚痴が出る程、最低な首相なんだな)
ジルは1人で納得していた。




