東の青龍噴水広場、水の女神噴水広場
今日はホテル雅から出てる東の青龍噴水広場行きの乗り合い馬車に乗り、東の青龍噴水広場に行く。カラカラと石畳の上を動く馬車。ジルとホムラはホテル雅で東の青龍噴水広場に行く事で美味しい店についてボーイに聞いてた。
「東の青龍噴水広場は、水が美味しいですし、お酒をいっぱい作ってる店が多いですよ」
と、聞いて酒が好きなホムラは、ジルに「明日行きましょう」と言っていた。
馬車が、停留所に止まりる。
「う~、お尻が痛いです。」
「乗り合い馬車だからね。今度、ボス素材でクッションを作ろうか?」
停留所に止まり、ジルとホムラはお尻を摩りながら乗り合い馬車から降りる。
「でも、クッションは前に作りましたよ」
「そうだったか?」
「そうですよ」
ウフフと笑いながら歩くジルとホムラ。
今度マジックバックをさばくって見ようと思うジルだった。
広場に続く道の間にはお酒のお店が何軒も有った。店舗事態色んな酒を売っていて店舗どうしの酒が被る事は無い。深く広く酒を下ろしているのだう。
「酒は買わなくていいのか?」
「“KUU”と言うお酒が有るのですが、中々店に出ないお酒でして」
「気になってると…」
「はい。」
「処で今さらだけどホムラは何で敬語で話す様になったの?」
「大したことは無いのですよ。ただ丁寧に話す様に心掛けするようになって話をしていたら板についてしまったのですよ。たまに地がでますけど」
「そうだったのか。朝ごはんが、まだだから何処かの喫茶店に入って軽く何か食べない?」
「いいですね。一度入りたかった“コリヤ喫茶店”に入りましよう」
コリヤ喫茶店に入り“お好きな席にどうぞ”と言われたので、部屋の奥の窓側のソファー席に座りメニュー表を取る。「朝7時から11時までのモーニングサービス」と書かれてるメニュー表を見ててジルとホムラはどれにするか迷っていた。
「お冷やとお手拭きです。お決まりましたらそこのボタンでお知らせ下さい」
銀色のお盆を持って調理場に戻って行った。
「今の時間帯はモーニングサービスが付くそうです。何にしますか?。Aセット、Bセット、Cセットがおります。Aセットは山切りパン半分とゆで卵、Bセットは山切りパンと卵ペースト、Cセットは山切りパンと小倉あん付きです。」
「じゃ、始めに飲み物を決めないと行けないね。紅葉が無いからホットコーヒーでもいいか?別料金でかかるけど、サラダもあるからサラダとゆで卵とモーニングサービスはCセットにしないか?」
「Cセットですね、僕はゆで卵を食べたいのですが、」
「別に料金はかかるけど銅貨1枚だから大丈夫だよ。サラダは、銅貨3枚どうする?頼む?」
「頼みます」
テーブルの隅にあるボタンを押して少し待つ。
「ご注文はお決まりですか?」
「はい。ホットコーヒーのCセットを2つと別にサラダとゆで卵を各2つてお願いします」
ジルが話している間に、店員は紙に書き留めながら復唱する。
「ホットコーヒーのCセットを2つとゆで卵とサラダを各2つですね、かしこまりました」
店員が復唱して帰る。
「オーダー入りました~」
と遠くで声が聞こえる。
ジルとホムラはお冷やを一口飲んでお手拭きで手をふく。
「始めて来ましたね。コリヤ喫茶店、店内の雰囲気もいいですし、落ち着きが有って、圧迫感もありませんね。」
「そうだな」
「お待たせ致しました。先にサラダをどうぞ、こちらドレッシングです。」
オリジナルドレッシングと醤油ドレッシングが入った篭をテーブルの上に置いて店員はキッチンに戻って行った。
「先に野菜から食べようか?」
「食べましょう」
オリジナルドレッシングをサラダにかけて一口パクリと食べる。
「「美味しい」」
「このオリジナルドレッシング、マジうまい」
ホムラの地が出る事は相当美味しいのだろう。
「帰りにこのドレッシングを買って帰ろう」
「そうですね」
ホムラもジルもパクパクと野菜を食べて行く。
「お待たせ致しました。ホットコーヒーにモーニングセットです。」
テーブルに山切りパン半分と小倉あんとゆで卵が入った篭とホットコーヒーを置いて店員はキッチンに戻る。店内は相変わらず店員を呼ぶ音が鳴る。
山切りパン半分に小倉あんをぬって一口食べる。溶けたマーガリンに小倉あんの甘さが美味しい。
「コーヒーの苦さがいいですね」
「そうだな。こうやって2人で食べるのも何年ぶりだろう?」
「気が付いたらロートやネロが今したから5、6年は軽くたっていると思いますよ」
「5、6年は~か…」
厚切り山切りパンに小倉あんを乗せてを食べながらサラダも食べる。途中コーヒーを飲みながらジルとホムラは話をしていた。
ゆで卵の殻をむき、塩を振りかけて食べる。中は半熟だ。
「半熟卵ですね」
「本当だ。美味しいな。」
3口でゆで卵を食べた。
「ゆで卵のおかわりが欲しい?」
「い、いえ」
「食べたい時に食べた方がいいよ。コリヤ喫茶店には中々これないからさ」
「そうですね。頼みます」
ホムラは言って店員を呼ぶボタンを押す。ピンポーンと鳴る音。ものの数分で店員が来て、ジルはお冷やの追加とホムラはゆで卵を3個頼み、さらに卵サンドを頼んだ。
テーブルに運ばれる卵サンドにゆで卵が3個にお冷や。
ホムラの食事が始まる。
30分後、ホムラが頼んだ食事はペロッと胃袋に収まり「食べた。食べた。」と言っいた。
コリヤ喫茶店での軽食?を食べて店を出たジルとホムラは、また歩いて水の女神噴水広場に向かって歩く。
「お酒のお店が多いですね」
「“KUU”のお酒は無いな?」
「お酒好きなら大金積んでも飲みたいお酒らしいです」
「じゃ、一軒づつ聞いてみるか?」
「あーダメダメ。カモにされてしまう」
「そうか…ところで話は変わるが“KUU”ってどう書くの?」
「分かりません。」
「まずはどんな字で書くか分からないと探せれないね」
見たことも無い字で“空”と書かれた看板が目に入ったジルとホムラ。
「何て読むんだろ?」「どんな意味でしょうか?」などなど思いながら店内に入る。店内は明るく清潔で試飲ができる店だ。
「いらっしゃいませ。何をお探しで?」
「“KUU”のお酒を探していまして」
「“空”ですね。こちらになります。」
店員が案内する奥に“空”と書かれた瓶が有った。
店主曰く、「始姐様のお付きの人に“トシ様”と言う冒険者がおりまして、彼が始めて試飲したお酒でして、美味しいと言った始めてのお酒です。瓶は青くまるで青空みたいだなと言われてね。昔は“KUU”でしたが、“空”の方がいいと言われました。その時の見事な達筆で初代がこの酒は今後“空”にすると言ったそうですよ。」と述べた。
「この“空”の文字は何文字なの?」
「“漢字”でございます」
「「KANZI?」」
「漢字です。沢山の文字を一言で表す事の出来る素晴らしい文字です」
「それが“カンジ”って言うんだ。」
「私達は初代の頃からトシ様に教えて頂いた漢字の一覧表を作ったのです。一冊どうですか?今なら金貨20枚!」
「たっけぇ!」
思わずホムラの地が出てしまった。
「手作りなので、どうしてもこの値段になってしまうのです」
「買った。金貨20枚で」
「ジル!?」
「今しか買えないよ。ホムラ。それがたった金貨20枚。安いだろ?」
ジルがキラキラの目で言って来ます。
「今、お持ち致します。」
店主が部屋の奥に行っている間にジルとホムラは棚に並んでる酒を見て試飲をしていた。
「お待たせ致しました」
店主が持ってきた本は分厚かった。一般的に本は薄くて当たり前なのだ。
「ごんぶとが2冊!!」
「1冊金貨10枚で、2冊有るので金貨20枚です」
「ぼったくり?」
ボソッと店主に聞こえない程の小さな声で、ホムラは言う。
店主は、聞こえて無い。ジルとの話をしている。
「中を見ても?」
「どうぞ」
ごんぶとの本を手に取るジルは、中をペラペラめくり、ニヤリと笑うと店主を見て「買った」と言った。
店主の嬉しい顔がキラキラに輝いてる。私蔵じゃなく死蔵だったのかも知れない。
お酒の試飲をして空を買い店を出るジルとホムラ。ジルは本を手に入れて、僕はお酒を手に入れて、ウッハウッハです。
ジルと僕は歩いて水の女神噴水広場に来た。
女神は抱えたカメから水が溢れだす。どうやら星座の水瓶座の様に本当は肩にかけたカメから水を出している構図にしたかったが、うまく行かず、抱える形に落ち着いた。
「ここが水の女神噴水広場か~」
「旨い酒があるといいですね~」
「…ホムラ。酔ってる?」
「へ?酔ってませんよ~」
酔っぱらいは必ず言う。「酔ってない」と…。
顔が赤く、千鳥足で、呂律が回らない。
水の女神噴水広場に行くまでの間に行き先々の店で試飲をしてすっかり酔っ払ったホムラ。
「ジル~飲んで無いじゃないですか?」
「飲んでるよ」
嘘です。さっきから空になった紙コップに水魔法で水を入れて飲んでいるのだ。
「僕の酒が飲めないのかぁ~?」
(ホムラの酒じゃないよ)
紙コップに入った酒をジルの頬にグイグイとつけるホムラ。
「ほらほら飲み過ぎだって」
「僕は酔ってない!」
「はいはい。…すまない店主。近くに乗り合い馬車はあるだろうか?」
「お客さんどちらのホテルに泊まっているんだ?」
「良く、分かったな。ホテルに泊まっていることを?」
「お連れさんが、ホテルに泊まっているとさっき話していたから」
あぁ…。警戒して損をした…。
でも…そうでもないようだ。
「ホムラ、後ろに2人」
「いますね。どうします?」
「ここはか弱い男のふりのしときますか?」
「せんでもいいだろう。たぶんスリだろうし」
「なら酒を飲んでいいですね」
そう言ってホムラは買ったばかりの一升瓶の酒を開けて飲んでいく。
「明日は二日酔い確定だなぁ」
「僕は二日酔いはしないよ~」
「大丈夫かな?」
何とかホテルの処まで通る馬車を見つけて乗るジルとホムラ。千鳥足のままホテルに消えていった。
「頭が痛いですー!」
「顔色が病人だな、ホムラ。ほら液体薬。二日酔いを治す薬」
「ありがとうございます」
ベッドから起きるとユンケル黄帝液の程の瓶を渡しホムラはグイっと飲んだ。
「後、水だ」
もらった水を飲んでホムラは眠った。




