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余った金貨で美味しい物を食べに行きましょう2

ホテル雅を出たジル、ホムラ、ススム、アユの4人は、王都ちある隠れ家的な店を探していた。


「おかしいな?この道だったはずなんだが?」

そんな事を言いながらジルは、周りを見ながら話す。

この通りに隠れ家的な店は無い。

軒並み看板を出している。

「ジル、何時の情報ですか?」

「10年前だったかな?」

「か、かなり古い記憶ですね。」

「ホムラとコンビを組む前だからね~」

「何の店ですか?」

とアユが聞いて来た。

「ハンバーグ店だったはずなんだが、古い記憶だから曖昧ですまんな」

ジルの中にあるハンバーグを出してくれる若い男性と優しく微笑む女の子と回りに酒盛りをしている大人達の記憶。

とても楽しくてほわほわして嬉しい気持ちになる。

でも、ジルが探している店は見つからない。


「ジル、こちらの道に行って見ませんか?」

ホムラが指を指す道は、雑草が生えて、虫が沢山いる様な処。

虫がいる=蜘蛛がいる。

ジルは、ホムラが指した道を見て首を横に振る。

「行きたくない。奴らが絶対にいる。」

とポツリと呟くジル。


結局3時間かけて歩き回ってもジルの記憶にあるハンバーグ店に辿り着く事が出来なかった。


「有りませんね。では、僕の曖昧な記憶から美味しいハンバーガー店を探しませんか?」

今度はホムラがそんな事を言いながら、周りを見ながら話す。


ホムラの中にあるハンバーガーを出してくれる若い男性と優しく微笑む女の子と回りに騒がしい大人達の記憶。

とても楽しくてほわほわして嬉しい気持ちになる。


でも、ホムラが探している店は見つからない。


結局さらに3時間かけて歩き回ってもホムラの記憶にあるハンバーガー店に辿り着く事が出来なかった。


「有りませんね。仕方がない近くの唐揚げ屋に行きませんか?」

ホムラが指を指す方に唐揚げ屋があってジル、ススム、アユが店に視線を送り見る。

「あー、あそこは………」

ススムが、言葉を濁す。

「どーったの?」

「もしかして不味い……とか?」

ジルの言葉に頷くススム。

「ハイ。はっきり言って不味いです。同じお金を払うなら美味しいお店がいいです。」

キッパリ言うアユ。

「では、何処が美味しい処があるか?」

ジルがホムラを見て言うとマジックバックをさばくりジャーンと王都のガイドブックを出した。

「それ、蝦夷のガイドブックだよ。王都は、………こっちにあった……はず。」

ジルも自分のマジックバックをガサゴソと探している。

「王都のガイドブックは、こちらに有ります。」

ソーっとススムのマジックバックからガイドブックを出した。

「「ありがとう」」


そう言ってジル、ホムラ、ススム、アユは中央の噴水広場にあるベンチに座り王都のガイドブックを開く。


「魚料理がありますね。」

右から本を覗くホムラ。

「やっぱり肉料理でしょうか?」

左から本を覗くススム。

「アユは何処に行きたい?」

急に話をふられてアユは、びっくりしてジル、ホムラ、ススムの顔を見て思った事を言う。

「私は、食べ歩きがしたいです。」

「食べ歩き…いいね!」

「思えば僕達もやったことが無かったです。」

「奴隷商人が良く買い食いをしていました。」


方針は決まった。

ジル、ホムラ、ススム、アユの4人は噴水から近くのいい香りがする屋台に足を向けて歩く。

「ハイ。らっしゃい!何します?」

「焼き串を4本下さい。」

「はいよ。銅貨8枚だね」

ジル、ホムラ、ススム、アユの4人は銅貨を出して、噴水の広場のベンチに座りら“ガブリ!”と食べた。

溢れる肉汁に柔らかく噛みごたえのある肉に満足する4人はすぐ食べ終わるとゴミをゴミ箱に入れて次の店に行く。

あっちの屋台、こっちの屋台に向けて歩く4人は、ハズレが当たる事もなく屋台メシに舌鼓を打っていた。

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