デュラハン
屋敷に着いたホムラ。
だが、いくら待ってもジル、ロート、ネロは、現れない。
さて、どうしたものか?と考えていると屋敷の窓から突然光が外に漏れた。
咄嗟に光が当たらない処に逃げて、ホムラはジル、ロート、ネロに念話で呼び掛ける。
「(ジル、ロート、ネロ、僕の声が聞こえたら返事をして)」
だが、何も返事がない。
「どうすれば?………考えろ、考えろ」
身体を低くして辺りを伺う。
ガチャと音がして扉が開いた。出て来てのは黒髪の青年だった。
『鼠がいたような気配が有りましたが、気のせいでじうか?』
(古代語?!)
中から聞いたこともない音楽が、聞こえてくる。
両手を口元に持って最小限の呼吸でバレない様にするホムラ。
『!。………はい。只今戻ります。始姐』
(始姐だと!。この屋敷は始姐族の物だったのか!。ここで出て行ったら殺される?。大昔、1000年前は、気に入らない事があれは、46cmの砲弾が飛んで来るってジルが言っていた。言葉に気を付けないと。でも………怖い。動けない。)
黒の装備服で良かった。影に隠れて見えない。
青年が部屋の中に入っていく。扉が閉まり部屋の明かりが一斉に消えた。
だが、暗くなった屋敷から響く音。ギシッ。ギシッ。と響いてくる誰かの足音に動けなくなるホムラ。
(怖い。怖い。)
ガチャと音がしてゆっくりと扉がギィィィと音を立てて開いた。
コツコツと足音を立てて石の階段を降りて、ホムラの前に立つと
「何やってんだ。ホムラ?」
と言った。
「えっ?」
声がした方に顔を上げて月明かりで照らし出した人を見て
「………ジル~~~」
泣きながらホムラは立ち上がりジルに抱きついた。
「何処行っていたんだよ~~~!!。ロートもネロもいないし~~~!!。怖かったよ~~~」
身体を離しジルの前で文句を言う。
ただ、ジルは笑うばかり。
「ロートもネロも一緒にいるよ」
「ぐすっ」
「さぁ行こう」
出された手を見て僕は言ったんだ。
「………あんた誰?」
笑顔のままで固まるジルの顔。
「何言ってんだよ。俺だよ。ジルだよ。もう忘れたのか?」
からかいながら言うジルにホムラは、
「違う。ジルは何処だ?ロートは?ネロは?皆何処にいる!!」
ジルの顔のままで、次第に歪んで行く口元で言葉を発した。
「なーんだもうバレたのか。早いなー。」
「!!」
ビックリした顔が、美味しいのか歪んだ口元で笑う。
「………ホムラお前は危険だ。今消しておかないと…」
後ろに隠していた腕をホムラに見せる。
そこには錆び付いた切れ味の悪い抜き身の剣があった。
「錆び付いで切れ味の悪い剣で切ると相当痛いらしいよ。是非とも実験台になってくれるかな?」
風を切る音。
ジルの顔でジルの声で言う偽物のジルの首と胴が離れた。
「相変わらず躊躇しないな。」
「そこに我は引かれたのだ。」
そこに立っていたのは、ジル、ロート、ネロだった。
鈍器で殴られたのか頭から赤い血が流れてる。
「許さねぇ」
「それはこちらのセリフだよ。名も無き魔物君。」
泣き別れた頭を鷲掴みしてニヤニヤ笑うネロとロート。
ジタバタ動く体に錆び付いた切れ味の悪い剣を突き刺してネロが言った。
「実験台になれて良かったなー」
地面に張り付けになった体を両腕で剣ごと体を浮かせて剣を地面から抜く。
首はネロが持っている。頭を鷲掴みして体はゆっくりと歩いてネロの方に向かう。
「こっちだ!こっちだ!こぉ…」
ジル、ロートが見ていた首は、言葉に反応してネロの方に向かっている事に気付くとロープで口に咥え言葉を発せなくした。簡易的な猿轡だ。
まるで自分の首を探すデュラハンの様だ。
月明かりが出ている庭に移動したジル、ホムラ、ロート、ネロは、ゆっくりと歩いてくる剣が突き刺さったままの体をみて地面に頭を置いて転がらない様に足蹴にする。
「(ネロこの次はどうするんだ?)」
「(まさか何も考えていないとは言いませんよね?)」
「(どーするんだ?)」
ジル、ホムラ、ロートからの念話で押し黙るネロ。
そのはずだノープランなのだから
夜空が一層に輝きあと少しでデュラハンの手が近付くと言うところで青い光がジル、ホムラ、ロート、ネロとデュラハンとなった魔物君を包んだ。
Gyaaa
どうなったかは分からない。
ただ、ホムラだけは見ていた。
おぞましい魔物君の姿になって青い光で包まれたら頬の肉が焼きただれて黒い粒々の粒子になって消えて行くんだ。体も時間がかかっていくがジル、ロート、ネロが閉じた目を再度開けたら何もない。
有るのは始姐の家しかなかった。
時間にしたら30分ぐらい体感でかかったと思ったのにジルが持っていた懐中時計はの針は23:02分を指している。ここに来たのは大体19:30程を指していたはずだ。
それで21:00には撤収しようと話をしていてのにまさかの2時限オーバーどうなってるんだ?




