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ラティナの趣味と装飾品

「ねぇラティナ、その綺麗な奴は何?」


「あぁそれね、ちょい待ち」



ナナシを抱擁しラティナは何処か満足げに立ち上がる

僅か離れた場所に陳列する純銀の装飾品

それはピアス、指輪、ネックレスと言った小さな飾りが大部分を占める

例外は彼女の二の腕に嵌められた水牛の腕輪のみだろうか

ラティナは並べられたチャームの中から小さな指輪を一つ取り出し、唱えた



武器(ウェポン)装飾(チャーム)短剣─



指輪の中からおよそ30センチ程度のスティレットが飛び出した

それと同時に指輪は色を失い浅黒い漆黒へと変化する



「これはチャームと言って武器に近いもの。これは私のチャームで最も安価なものだよ」



チャームの種類は大きく分けて3種類


武器を顕現させる武器(ウェポン)装飾(チャーム)

守護者を顕現させる召喚(サモン)装飾(チャーム)

魔法を内包した魔法(マジック)装飾(チャーム)


この三つがこの世界におけるの象徴だ



「私は世界各地を回ってチャームを集めてるの、ちょっとした目的があってね」


「その目的って?」


「秘密」


「じゃあ別の質問、その拳銃はチャームには見えないけどなに?」



ラティナのコレクションの中でも一際異質に映るのが、漆黒の拳銃だ

御伽話に登場する処刑隊の装備によく似ている

しかし、玩具にしては些か出来が良すぎる気がした



「これは古代兵器、普通の拳銃と違って物質でのみ稼働する」



ラティナはコートの上から銃を取り出し引き金を握る

それと同時に凄まじい轟音と共に銃の上がシャクトリムシのように蠢いた

金属の殻板が飛び落ち、前方のコンクリートが弾け飛ぶ

まるで音の衝撃波だ



「正式名称はルガーP08。大昔の帝国軍の標準装備だったものだね」


「帝国?」


「ええ、詳しい事は知らないけどね。これは目的ではなく趣味かな。世界各地にはこれみたいに古代文明の遺物が潜んでる、チャーム探しの片手間に集めてるの。実は対人なら最高級チャームより効果的だったりするよ?」


ラティナは拳銃を元に戻し寝床へと戻ってくる

床に散乱した下着を拾い徐に履き始めた


「次は貴方の番だよ?」


「何が聞きたい?と言っても殆ど答えられないだろうけど」


「貴方何者?チャームは知らないのに拳銃は知ってる、王族でも無いのに真紅の瞳を持ってる。場合によっては殺すけど、安心して?殺すならいつでも殺してるから」



しっとりとした聖母のような声音だった

そして、それと同時に僅かゾッとした

彼女が自分を救った事は、当然自分如き不要と判断すればいつでも処理できるという事

背後に陳列する無数のチャームがその証明

いや、寧ろ身から離した場所に置いている以上大したチャームではないのかもしれない

仮に奪われたとしても、彼女の右腕に敢然と煌めく水牛のチャームがあれば全てをひっくり返す事が出来るということか



「捕まった時点で詰みってことね」


「物分かりが宜しい、でも助けられたって言って欲しいかな?」


「そうね、取り敢えずお礼は言っておくわ。ありがとう」


「どういたしまして」


「さて、何者か?ね…正直わからないんだけど、ニグルアルブム収容所の出身って言えば伝わる?」


「……」



その一言でラティナは察したようだった

僅かに唾を飲み込み、一瞬その瞳が憐憫の感情に染まったが、すぐに立て直した

大きな溜息を漏らし、近くに転がるコンクリートの汚れを払い腰掛ける



「もう良い、お腹空いたでしょ?何か食べに行こ!」



そう ラティナは朗らかに笑った

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