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もう泣き言はいいません!愛する人を守るために立ち上がります  作者: Karamimi


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第43話:いざ魔王のもとへ

「分かった、すぐに応戦をしよう。ジルバード達は、すぐに魔王討伐に向かってくれ。あらかじめ準備しておいた魔法陣を使えば、近くまで移動できるだろう」


 陛下がすぐに私たちに指示を出した。


「魔法陣を描いておいたのですか?」


「ああ、魔王のいる森の奥の洞窟には近づけなかったが、その手前まではいけたからね。あらかじめ、魔法陣を描いておいたのだよ。これで体力を温存したまま、魔王の元に向かえるだろう?それでも洞窟までは、馬で半日程度かかるけれどね」


 そう言って笑ったジルバード様。私はてっきり1週間かけて、魔王のいる洞窟まで行かないといけないと思っていたのだが…どうやら用意周到だった様だ。


 よく考えたら私たちは、2度目の戦いなのだ。今回の戦いは、私たちに随分有利なはず!


「さすがジルバード様ですわ。それでは私たちも、参りましょう。一刻も早く魔王を倒さないと、どんどん犠牲者が増えますわ」


「そうだね、アイリーン。…本当に君も行くのかい?」


「ジルバード様ったら…今更まだそれを私に聞くのですか?もちろん、行きますわ。昨日も話したではありませんか。未来の子供たちの為にも、ここで負の連鎖を断ち切ろうと。その為にも、今回は何が何でも魔王を倒さないといけないのです!」


 もう二度と、私やジルバード様の様な、宿命を背負った人間が生まれない様に。その為の戦いなのだ。


「グリム、アイリーン、気を付けて行ってくるのだぞ」


「2人とも無理はしないでね。どうか、生きて帰って来てちょうだい」


 両親が再び私とお兄様を抱きしめたのだ。500年前の私の両親は、子供を2人とも失った。どれほど辛く悲しかっただろう…


「ええ、もちろんですわ。私がお兄様を守りますから」


「アイリーン、変な事を言わないでくれ。俺がアイリーンを守ります。どうか父上と母上も、ご無事で!特に龍には気を付けて下さい。ご無理はなさらない様に」


「ええ、分かっているわ。また4人で、必ず会いましょうね」


 そう言って泣きながら笑ったお母様。4人で再会できることが、どれほど難しい事か、お母様も理解しているのだろう。


「それではお父様、お母様、行って参ります。皆様、参りましょう」


 ゆっくりしている場合ではない。既に魔王軍が襲い掛かって来ているのだ。私達はやる事をやるまでだ。


「それで、魔法陣はどこに描かれているのですか?」


「王宮の裏の森だ。今護衛たちが魔法で魔法陣を通って魔物たちがやってこない様に、結界を張っている。俺たちが魔法陣を通った後、すぐに消すように頼んであるよ」


 要するに、魔法陣で行く事は出来ても、戻る事は出来ないという事なのだろう。魔法陣は人間だけでなく、魔物たちも通る事が出来る。今魔物がはいってこない様に、必死に護衛たちが食い止めているのだろう。


 急いで魔法陣の場所に向かう。


「ジルバード殿下、こちらです」


 既に魔物たちが魔法陣を通ろうとしているのを、必死に護衛たちが抑えていた。


「ここを通るのか?」


 近くにいた騎士が、ポツリと呟いたのだ。他の者たちも、不安そうな顔をしている。


 きっと魔法陣を通った奥には、おびただしいほどの魔物たちがいるのだろう。躊躇したくなる気持ちも理解できる。


「私が先陣をきるわ。あなた達、覚悟が決まらないのなら、このまま街での戦いに加担してちょうだい」


「待って、アイリーン!」


 躊躇している団員を他所に、そのまま私は魔法陣の中に飛び込んだ。


 次の瞬間、一気に景色が変わり、おびただしいほどの魔物たちが襲い掛かって来たのだ。


 一気に魔力を込め、魔物たちに向かって放出する。


「アイリーン、君って子は。先陣をきって魔法陣に飛び込むだなんて。予想はしていたけれど、凄い魔物たちの数だね」


「そりゃそうですわ。この子達は、私たちが来るのを、首を長くして待っていたのですもの。お話をしている暇はありませんし、この子達全ての相手をしている時間もありませんから、参りましょう」

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