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「本借りに来たわよ」
「あれ、アリスさんとティンカさんが一緒なんて珍しいですね」
「入口の所であったのよ」
赤いドラゴンさん(ミニチュア)とティンカさんが仲良く並んで図書館に入ってきました。
クリスが配架を手伝ってくれています。クリスかジュニアスさんどちらかが護衛についてくれているんですよ。
クリスは結構強いんですよ? 旅する商人さんって盗賊に襲われることもあるので色々と学んでます。
「おっティンカ、お前何読むんだ?」
「私だって本位読むわよ!」
あれから2日たちました。もうすっかりティンカさんは元気です。
ぷんぷんと怒っていますが、しかしアリスさんが来られたのは意外でした。
「アリスさん、マリエルさんは?」
「ユライと一緒だぜ、あいつらずっと一緒なんだ。あたしを放っておいてマリエルのやつ……いちゃいちゃしやがって!」
ぶうっと膨れるドラゴンさん、可愛いですね。
ユライさんはこの村に魔術師ギルドの支部をたてるために帰ってきたようです。
この村出身だから任されたそうですよ。
アリスさんとマリエルさんが離れ離れにならなくてよかったです!
二人ずっとべったりらしくアリスさん拗ねているようですよ。
「本を借りにきてくれたんですか?」
「おう、あたしだって本位読むからな!」
しかし赤いドラゴンさんも可愛いですねぇ。ティンカさんは早速新しく入ったおしゃれ関連の本を見ています。
大きいのですごく読みにくそう……小型本はなんとかしたいですねぇ。
「どんな本が読みたいなどご希望がありますか?」
「そうだなぁ、竜が出てくる本がいいな!」
レファレンスを開始します。むぅ、竜が出てくるとはざくっとした感じですね。
何冊か机にだして並べてみましたが、恋物語はお好きじゃなようで冒険系を喜んで見ていました。
火の竜さんはそういえば活動系でしたね。
「これいいな! マリエルも図書館にくるって行ってたぞ」
「それは嬉しいですね」
「お、新しい人がってドラゴンさんかもしかしたらアリスさんか?」
「おう、あんたがクリス? あたしはアリス、マリエルの相棒だ!」
クリスが本の整理を終えてこちらにやってきました。気さくですねぇ相変わらず。
あっという間にアリスさんと仲良くなったみたいですよ。
しかしアリスさん相変わらずですね、元気いっぱいです。
アリスさんは火竜です。一番数が多い竜さんなので王都でも知っている人が多いのですよ。
だから商人さんでも交流して意外に商売などもしている竜さんなのです。
だから気さくにクリスとお話をしています。
これならジュニアスさんのことを話してもいけます……よね? 実際かなり正体を隠していることが心苦しくなっているのですよ。
「ジュニアスはどうしてる?」
「元気ですよ。村に本を届けに行ってくれてます」
「あいつ相変わらずアルジェに……言えてないのか」
「はい?」
「なんでもないぞ、あたしは何も言ってない!」
うーん、どうもジュニアスさんのこととなると言葉を濁す人多いですね。
相変わらずつるんでるなと言われましたが……。
「ユライ、悪い奴じゃないんだがあたしはどうも好きじゃないなぁ」
「え?」
「何か隠してるような気がするんだ」
「まさか」
マリエルさんをとられた嫉妬だと思いますけどねぇ、何故かうーんと首をひねり、首ってどこになるんでしょう? まぁ取りあえずおかしいなというように言葉をアリスさんは続けます。
しかし冒険活劇で竜と人間の冒険者が一緒に魔獣を倒す話なんてよくあったものですよ。
いやあ、クリスがこれおもしろそうと言っていたので入れてみたんですけど、結構評判いいですね。
「あたしこれ借りて行くよ」
「私これ! でも重い……」
「ジュニアスさんに届けてもらいますよティンカさん、他の妖精さんたちのリクエストもありますし」
「お願い!」
おしゃれ本ばかりと思ったら恋愛ものも読むリストにティンカさんは入れていました。
クリスがお前もまともな本を読むんだなと突っ込みを入れてきてます。お、ティンカさんがすごく怒ってますよ。
移動図書館は来月に可能になるかもしれません。
馬以外に馬車を作る案がうまくいきそうなのですよ。丈夫な馬車なら山の上までこれそうなのです。
「利用者も増えましたね」
「うん、よかったねアルジェ。読み聞かせ会はいつ次するの?」
「来月ですよ」
「私も手伝うよ」
「ありがとうございますティンカさん」
利用者は今一日15人に増えました。イベントの時は30人以上です。
それに移動図書館の利用者は50人を突破しました!
私もすごく忙しくなってます。
おじい様のご寄付をうけてもいいですかね? 実は明日のお休みに会いに行く予定なのですが……。
順調な日々が続いていますが、そろそろクリスはおじ様のお手伝いに戻らないと駄目ですし、手伝ってもらいすぎですね。
私ももっと頑張ります! ものすごくアリスさんがカードを渡したら喜んでくれました。
ドラゴンさんの利用者も増えてます。うーんこれは将来的にドラゴンさん用の大型本もいれたほうがよさそうですね。
ジュニアスさんが帰ってきて、夕方に閉館したらお茶をしようと話をしていました。
するとどんと扉が開いて、ユライさんが慌てた様子ではいってきたのです。




