恨む者もいれば感謝する者もいるということか
さて、娘を助けられなかった村人の恨みを買おうとも私たちは先に進まなければならない。
「さて状況を再確認するか。
ステータスウインドオープン」
私がそういうとホログラフのタッチパネルのようなモニターが中空へ現れデータを示した。
王子シャルル
王子レベル:5
マナ量:900
マナ回路範囲:50
経験値:500
所持金:1100
所持品:銀のペンダント(冷気属性付与:攻撃力+10)
カロル
レアリティランク:R
クラス:双剣使い:接触しているすべての敵に2回の物理攻撃
レベル:5
攻撃力:240+10
移動速度:50
攻撃速度:40
足止め数:2
必要マナコスト:200
所持品:分厚い本(攻撃力+10)
ミシュリーヌ
レアリティランク:R
クラス:大剣使い:単体の敵に物理攻撃
レベル:5
攻撃力:1460+10:冷気属性
移動速度:30
攻撃速度:80
足止め数:1
必要マナコスト:500
アナ
レアリティランク:R
クラス:鈍足魔法使い:魔法範囲攻撃でダメージを与え鈍足状態にする・飛行ユニットに攻撃できる
レベル:5
攻撃力:560
移動速度:30
攻撃速度:80
射程:140
範囲:120
必要マナコスト:300
シュゼット
レアリティランク:R
クラス:弩使い:射撃攻撃で単体の敵に物理攻撃・飛行ユニットに攻撃できる
レベル:5
攻撃力:760
移動速度:30
攻撃速度:60
射程:210
範囲:単体
必要マナコスト:400
なんだかんだ皆、地道に強くはなっているな。
そしてようやく所持金が1000を超えたので雇用もできる。
「金もたまったことだしそろそろ人材募集をしてみようか」
私がそういうとミシュリーヌがうなずいた。
「ええ、やはり4人のままではきついでしょうし、そのほうがよろしいかと」
しかしシュゼットが不安そうに言った。
「私たちに協力するという人が果たしているでありましょうか?」
「やってみないとわからないが、たぶん大丈夫だと思う」
「で、あればいいのでありますが……」
単純にゲーム的なシステムであればどんな状況でもガチャを引けば新しい人材は得られる。
まあキャラ被りする可能性も決して低くはないが。
ただここはあくまでもゲーム的な世界ではあるが完全にゲーム的なシステムで動いているわけではないという点が不安ではあるが。
「一回の雇用にかかる金額は1000だから安くはないが……まずはやってみよう」
団員募集の張り紙をしてしばらく待つと一人の女性がやってきた。
「今、こちらで団員募集をしていると張り紙を見たのですが」
「ええ、ぜひ私たちと一緒に戦ってもらえれば」
「私はアデライードと申します。
武器はカースブレードになります」
「それはありがたいな。
これからよろしく頼むよ」
「こちらこそ」
アデライードのステータスを見てみようか。
アデライード
レアリティランク:R
クラス:魔剣使い:単体の敵に闇属性攻撃、防御力を半減させる
レベル:5
攻撃力:510
移動速度:50
攻撃速度:50
足止め数:1
必要マナコスト:300
攻撃力はあまり高くはないが防御力を半減させるというのは強いな。
「では先に進むとするか」
この町を離れようとしたときに一組の親子が私たちの前にやってきた。
「この度は娘を助けてくださりありがとうございます」
父親らしい男が私たちにペコっと頭を下げた後まだ幼い娘がシュゼットに羽飾りを差し出した。
「おじちゃん、おねえちゃん私を助けてくれてありがとう。
これお守りなの」
と幼い娘は青い羽根をシュゼットに差し出した。
「私にこれをくれるのでありますか?」
「うん、せめてものお礼なの」
「これは……何よりもうれしいものでありますな」
シュゼットの顔は泣き笑い状態だがきっとすごくうれしいのだろう。
私たちは感謝を求め戦っているわけではないが、恨み言を言われるよりも感謝の言葉を贈られるほうがありがたいのは確かだな。




