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ようやく王都を奪還できた。私達の戦いはまだこれからだがな

 さて、次ステージは序盤最難関の王都奪還ステージだ。


 攻略WIKIのこのステージの書き込みでは、未だステージはクリア不可でクソゲーとか書かれていたりするが実際唐突にめちゃくちゃ難易度が上がるのは事実だ。


「さて進む前に状況を再確認するか。

 ステータスウインドオープン」


 私がそういうとホログラフのタッチパネルのようなモニターが中空へ現れデータを示した。


 王子シャルル

 王子レベル:6

 マナ量:1000

 マナ回路範囲:50

 経験値:600

 所持金:400


 カロル

 レアリティランク:R

 クラス:双剣使い:接触しているすべての敵に2回の物理攻撃

 レベル:6

 攻撃力:250+10

 移動速度:50

 攻撃速度:40

 足止め数:2

 必要マナコスト:200

 所持品:分厚い本(攻撃力+10)


 ミシュリーヌ

 レアリティランク:R

 クラス:大剣使い:単体の敵に物理攻撃

 レベル:6

 攻撃力:1475+10:冷気属性

 移動速度:30

 攻撃速度:80

 足止め数:1

 必要マナコスト:500


 アナ

 レアリティランク:R

 クラス:鈍足魔法使い:魔法範囲攻撃でダメージを与え鈍足状態にする・飛行ユニットに攻撃できる

 レベル:6

 攻撃力:575

 移動速度:30

 攻撃速度:80

 射程:140

 範囲:120

 必要マナコスト:300


 シュゼット

 レアリティランク:R

 クラス:弩使い:射撃攻撃で単体の敵に物理攻撃・飛行ユニットに攻撃できる

 レベル:5

 攻撃力:775

 移動速度:30

 攻撃速度:60

 射程:210

 範囲:単体

 必要マナコスト:400


 アデライード

 レアリティランク:R

 クラス:魔剣使い:単体の敵に闇属性攻撃、防御力を半減させる

 レベル:6

 攻撃力:525

 移動速度:50

 攻撃速度:50

 足止め数:1

 必要マナコスト:300


 イオナ

 レアリティランク:R

 クラス:大砲使い:射撃攻撃で範囲の敵に物理攻撃・敵を一時行動不能にする

 レベル:5

 攻撃力:775

 移動速度:30

 攻撃速度:90

 射程:230

 範囲:120

 必要マナコスト:600


 イオナの能力は長射程・高攻撃力の範囲攻撃で相手を一時的に行動不能もできるが、攻撃も移動も遅いのと必要なマナが多いのがネックか。


「では先に進もうか。

 ようやく懐かしの王都へ戻ってきたな」


 私がそういうと感慨深げにミシュリーヌがうなずいた。


「ええ、長い道のりでした。

 ようやくたどり着けたのですね」


 そしてシュゼットも言う。


「私たちで帝国を追い出すのだ」


 しかしカロルが不安そうに言った。


「私たちだけで王都を取り戻すなんてできるのかな?」


 私はカロルへ向けて言う。


「カロル。

 ここまで来たらできるかどうかではなくて、やるしかない」


 私がそういうとカロルがうなずいた。


「そ、そうだね。

 うん、頑張るよ」


 そして私は皆に向けて宣言した。


「よし皆行くぞ!」


「はい!」


 MAP


 空空道村道道道道村道

 空空道空空空空空空道

 空空道空空空空空空砦

 空空道空空空空空空空

 本道村道道道道道道道道道村道道道道敵


 ここが厄介なのは上側の砦と敵本拠地から両方敵が出てくるので部隊を分けないとならず、砦を落としてから先に進まないとマナ回路の接続の関係で敵本拠地へ向かえないということ。


 さらに敵の本拠地から高い耐久力と防御力を持つゴーレムが進んでくるのでそれを抑えないと敗北してしまうということだったりする。


 なので戦力を分散しないといけないが、その振り分け方次第では上の砦が落とせなかったり、ゴーレムを抑えられなくて完全に詰むのでクリアできないクソゲーとか言われたりしたのだよな。


「上の砦にまずカロルとミシュリーヌが向かってくれ。

 なるべく早く落としてほしい。」


 私がそう言うとカロルがうなずいた。


「わかったよ、王子」


 そしてミシュリーヌもうなずいた。


「わかりました、なるべく早く砦の守り手を倒しましょう」


 二人の言葉にうなずき私は言葉を続けた。


「正面の守りはまずはイオナ、君に任せたい。

 大砲を打ち込めば固まってやってくる雑魚を一掃できるだろう」


 私の言葉にイオナがうなずいた。


「ええ、私にお任せください」


「とはいえ敵は飛行ユニットも差し向けてくるだろうから、アナもマナがたまり次第で出撃して魔法で敵の接近をなるべく遅くしてくれ」


 私の言葉にアナがうなずく。


「了解です」


「シュゼットとアデライードは後詰になる。

 マナがたまったらシュゼットは飛行してくる敵を、アデライードは敵の主力を攻撃してくれ。

 このころにはおそらくカロルやミシュリ-ヌが合流できるはずだ」


「任せるのだ」


「わかりました、敵主力は私にお任せを」


「この戦いは皆が力を合わせ連携してこそ勝利できるだろう。

 勝利を我らに!」


「はい!」


 彼女たちは私の指示を信じてそれぞれ出撃していった。


 カロルとミシュリーヌが上の砦から出てきたゴブリンと交戦撃破して砦にたどり着き、そこを守っている帝国の騎士と戦っている頃に、正面の敵本拠地から現れた巨大なゴーレムが群れをなしたゴブリンとともにゆっくりとこちらへと、しかし確実に近づいてくる様子にはやはりプレッシャーがかかる。

「では頼むぞイオナ」


「了解です」


 私がイオナの手の甲に口づけをすると魔力回路が接続されくすんだ灰色だった戦装束(ウォー・ドレス)が色彩をまとい緑色に染め上げられた。


「では、迎撃します!」


 イオナが背負っていた大砲から砲弾を巨大ゴーレムの足元めがけて打ち込むと砲弾がさく裂し、ゴーレムは一時足を止め、ゴブリンたちは大きなダメージを受けている。


 ただ砲弾の再装填などに時間がかかることもあって、ゴーレムたちを完全に足止めすることはできない。


「アナ、援護を頼む」


「はい、任せてください」


 同じく足止めを得意とするアナも出撃し、鈍足魔法で敵の移動力を低下させる。


「これでプレッシャーも収まった」


 そしてアナが空中の敵も足止めしている間にシュゼットも出撃して敵を叩き落す。


 そしてカロルから通信が入った。


「こっちの砦は征圧したよ!」


「了解、なるべく急いで戻ってきてくれ」


「了解しました。

 なるべく急ぎます」


 カロルとミシュリーヌがこちらへ引き返している間も敵の巨大ゴーレムはじりじりと近づいてきているが、何とか間に合いそうだ。


「アデライード!

 ミシュリーヌと協力してゴーレムを倒してくれ!」


「了解です」


 イオナの砲撃でゴブリンなどの雑魚は全滅し、アデライードの魔剣がゴーレムを切り裂くとその防御力は低下する。


「とどめです!」


 そして戻ってきたミシュリーヌの大剣がゴーレムを両断してこちらの本拠地を襲われる前に倒すことができた。


「まさかゴーレムが倒されるとは?!」


「帝国辺境伯サムソン、今日がお前の命日だ!」


 敵の本拠地にはグランナイトのサムソンがいたが、皆にタコ殴りにされて倒れた。


「こ、こんなばかな……」


 ”ステージクリア”


「ふう、何とかクリアできたな」


 実際にソシャゲの時はゴーレムの足止めがきっちりできないで本拠地を攻撃されて落とされることも多かったわけだが何とか一発クリアできた。


「ようやく帰ってこれたのですね。

 私たちの王都へ」


 ミシュリーヌが笑顔で私に言った。


「ああ、ようやくだ」


「でもボロボロだから復興が大変そうだね」


 カロルが心配げにそういう。


「確かにな。

 だが今は王都を奪還できたことを喜ぼう」


 本来であれば帝国を打倒するまで長い長い戦いがあるのだろうが、今はまず王都の復興などが最優先だな。


 私達の戦いはまだまだ始まったばかりだが、祖国を取り戻せたことを今は喜ぼう。


このお話はここで管轄諭させていただきます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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