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防御特化と第七回イベント。

今年ももう終わりですね。

11月、12月は投稿が減ってしまい申し訳ありませんでした。

また来年は心機一転頑張りますのでよろしければあたたかく見守ってやってください。


それでは良いお年を。

メイプルが罠に溢れる屋敷を探索してから数日が経過したものの、メイプルはまだ本来手に入れるつもりだった【アイアンボディ】と【ヘビーボディ】を手に入れることができないでいた。


そんなメイプルはギルドホームの椅子に座って足をプラプラと振りながら考えている。


「むう……どこだろう?どこかにあると思うんだけどなあ、時間帯限定とかなのかな?」

うーんうーんと考えていたメイプルだったが、その思考はメッセージの通知音に遮られた。


「んー。あ、次のイベントだ。ダンジョン攻略タイプかあ」

メイプルは情報を読み込んでいく。

イベントは小さめの階層が十層積み重なった塔の攻略で、選択した難易度に応じてメダルの枚数が変わるというものだった。

時間加速はなく、進んだ階層まで転移することができるため、長めの期間のうちにクリアを目指すようになっている。


「一番難しいのに皆は行くのかな?んーと、一人でクリアすると報酬が良くなるんだね」

最高難易度ならば、複数人でクリアした時は貰えるメダルは一人当たり五枚。ソロでクリアした場合場合十枚である。


「他のプレイヤーと戦うのは、今回はなし……うん、そうだね。よしよし」

これなら気楽に楽しめるとメイプルは一人うんうんと頷く。

このイベントは四月の頭から開催されるとのことだった。

メイプルはその表示を見て、ふとあることに思い至る。


「もう一年も経つんだねー……私にしては珍しく楽しんでる?次のイベントかあ……」

メイプルが色々とやってきたことを思い返してみても楽しんでいる記憶ばかりがそこにはあった。

思い出すだけで笑顔になるような記憶や、数えられる程の、しかしそのために鮮明な苦戦した記憶。

それらを振り返っていたメイプルに、次第に探索へ向かう気力が戻ってくる。


「んっ、よーし!次のイベントの前にささっとスキルを集めるとしましょうっ!」

メイプルは椅子からぴょんと立ち上がると、心機一転六層の町へと繰り出した。



そうしてギルドホームを出たメイプルだったが、特に状況は何も変わっていない。

メイプルが探しているスキルがどこにあるのかは分からないままである。


「どうしようかな……そうだ!久しぶりに掲示板で情報でも探してみよう!」

メイプルはいいことを思いついたというようにそう言うと、町の中心へと歩いていった。


メイプルが人混みをすり抜けて掲示板を確認していくと、今まで迷っていたことが馬鹿らしくなるほど簡単に二つのスキルの情報は見つかった。


「なるほどなるほど、ちょうど最近見つかったんだね!えっと……」

メイプルが情報に目を通していく。

そして、情報を確認し終わると同時にメイプルの表情は曇った。

まず、【アイアンボディ】と【ヘビーボディ】はそれぞれ【VIT】の他に【MP】と【STR】が必要なスキルだったのである。


【アイアンボディ】

炎、電気属性のダメージが二倍。

魔法以外のダメージを30%減。

消費MP50

効果時間2分

5分後再使用可


習得時要求MP数値50 VIT数値80


【ヘビーボディ】

ノックバックを受けなくなる。

【STR】が【VIT】以下の場合移動不可。

消費MP10

効果時間1分

3分後再使用可


前者は今のメイプルでは習得できず、そしてそもそも効果が薄い。

ほぼ受けることのないダメージをカットする効果はメイプルにとってMPと引き換えに手に入れるものではないのである。

後者は単純に一分間動くことができなくなることが問題だった。


「手に入れられる場所は……あった!メモしておいて、よしっ。んー、一応スキルを覚えることはできそう?でも……」

手に入れるならば【ヘビーボディ】だが、それもメイプルには必要そうに思えなかった。

メイプルは掲示板の前から離れて、大通りを歩きながらスキルをどうするか考える。


「あって困ることもないし……それに、せっかく調べたんだし!【ヘビーボディ】は手に入れておこっと!後は……」

メイプルはいくつかメッセージを送り、それから【ヘビーボディ】を手に入れるためにフィールドへと出ていったのだった。


きっちりと情報を得てしまったメイプルがその辺りにいるモンスターに倒される訳もなく。

しばらくの後にメイプルは無事にスキルを手に入れたのである。




そして、メイプルがほんの少しレベルを上げたり、黒装備を壊したりしつつ月日は少し流れた。


そんなメイプルが今日も今日とてログインし、ギルドホームの扉を開ける。

メイプルが勢いよく開けたのは五層のギルドホームの扉。

そして、その先にはサリーがいた。

サリーは勢いよく入ってきたメイプルに少し驚いた後、話し始めた。


「あ、メイプル。今日からイベントだね。どうする、ソロ?それとも八人で行く?」

サリーは後ろに誰もいないことから、ソロだろうと推測した。


「ソロでも、八人でもないよ!」


「……?」


「今回はサリーと二人で行くんだよ!」

メイプルが事前に送っていたメッセージ。

それは、今回はできればサリーと二人で参加したいということを書いたものだった。

そしてサリーと二人での探索を駄目だというような人は【楓の木】にはいなかったのである。


「久しぶりにさ、二人で遊ぼうよ?」

メイプルのその言葉にサリーは少しきょとんとした様子で、そしてすぐに楽しそうな笑みを浮かべた。


「いいね!なら、目指すは……」


「もちろんノーダメージ!」


「ちゃんと五層でも回避の練習はしてたから、衰えてないよ」


「私も、サリーを守りきる準備は完璧っ!」

それならばと、二人は早速イベントのために設置された塔へと向かう。

その足取りはいつにも増して軽かったのだった。


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