防御特化と合流。
月曜に次を上げます。
間違えて【身捧ぐ慈愛】を使ってしまったメイプルは、ジャングルから一度出ることにした。
理由の一つは貫通攻撃を一度受けてしまうだけで倒されてしまう状態となっているためである。
また、ジャングルにおける戦闘回数もそれなりに多く、疲れてきていたのもある。
メイプルはペインに一言、ジャングルから出ることを伝えると、光に包まれて通常フィールドへと帰っていった。
「次の場所へいくか。分かりやすい位置に来ることができたのは楽でいい」
ペインが一人呟く。
どこも同じような景色が続くジャングルでは、数少ない目印となるような場所が役に立つ。
ペインはここから少し離れたところにある、ゴーレムが大量に現れるというエリアへ向かおうと考えた。
そうなればここに用はもうない。
ペインは帰還用の魔法陣に乗って、捻れた大樹へと戻っていった。
「ああ……よし。行こう」
ペインは気持ちを入れ替えて、改めて一歩を踏み出す。
そうして階段を下りていくペインだったが、途中で階段を上ってくる面々と鉢合わせた。
それはクロム、ミザリー、カナデ、マルクスの四人である。
同じ場所を目指し歩いていた四人はちょうど大樹の近くで出会い、協力することにしたのだ。
四人もそれぞれペインに気づく。
クロムはペインに話しかけてペインが向かおうとしている場所を知ると、四人で相談し、ペインに一つ提案した。
それはペインが少し待ってくれれば手を貸すというものである。
四人としては大ダメージを出せるようなプレイヤーが必要だったのだ。
「……分かった。上の攻略方法は?」
ペインは提案を受け入れ、クロム達が確実に勝つことができるかどうかを聞いていく。
「問題ない、勝てるぞ」
いくつかの質問を受けた後、クロムはそう締めくくった。
ペインは後ろの面々をチラッと確認すると、少し考えてから言う。
「俺も行こう。その方がすぐに終わる」
ここで待っているくらいならと、ペインはもう一度戦うことにしたのである。
戦闘での消費もたいしたものではなく、メイプルを連れて一度戦ったことで、攻撃を安全に、じっくりと観察することができていた。
負ける要素はなかったのだ。
「五人ならすぐに終わるな」
魔法陣に触れる直前でペインが言った通りにことは運んだ。
ペインがメインとなって攻撃し、クロムが大盾でボスの攻撃を弾き返す。
ペインは落ち着いて最善の行動を繰り返し、必然の勝利を手に入れた。
クロムもダメージを受けることなく、うまく攻撃を受け流しきった。
その動きにペインとマルクスがどこか安心していたのは、強さと頼もしさからだったのかは微妙なところではあったのだが。
とにもかくにも、ペインを除く全員が新たにスキルを獲得した。
そして、全員揃って元の場所へと戻ることができたため、改めてゴーレム溢れる森の奥へと向かうこととしたのである。




