共にひとりで生きてみる

　主人公、深神(みかみ)南(みなみ)の中学生時代は厄災に塗れていた。
　母親は蒸発し、父親には疎まれ、学校では凄惨なイジメを受けていて、彼女だった幼馴染はそのイジメの主犯に寝取られた。
　人生の厄は全てここに詰まっているのではないかというほど、悲惨な3年間を過ごしていた。だからだろうか、彼が小学生の頃から続けていた文通の相手がアイドルだったなどと言う間抜けな豪運が訪れたのは。
　彼はがんばって厄に塗れた3年間を耐え抜いたのだから、これからはハッピーエンドが待っているに違いない。