3話 ステータス
5/30 設定に欠陥があったため武器設定を変更しました。
どれくらいそうしていたかはわからない。
だがこの時間は、無駄ではなかったのだろう。
おかげで考えることができ、ゾンビを殺すことにも割り切れた気がする。
次からもゾンビを倒すたびに、こうなったらやってられないもんね。
その時、頭の中で「ピコ〜ン」と機械音がして、誰かは分からないが女の人の声がした。
『初回、経験値獲得を確認。ステータス画面を解放します。レベルが上がりました。』
えっ?なんのことだ?と思う前に何もなかった視界にいきなり、画面が現れた。
でもデカすぎて邪魔だ。
そう思ったら今度は、小さく見やすくなった。
さっきステータス画面っていってたし、俺のステータスでも書かれているのか?
神崎 清 16歳
レベル 2
体力 100
力 10
耐久 10
速さ 15
精神力 12
スキル なし
ナンダコレハ?落ち着いて状況を整理しよう。
まず、ゾンビを倒す。
罪悪感から立ち直る。
でステータス画面が現れる。
初回、経験値獲得ということは、おそらくあのゾンビを倒したからだろう。
でそれでレベルが上がったと。
ステータスというものがあるということは、レベルが上がると一緒にステータスも上がるのだろう。
おそらく、それに伴って身体能力も上がっている。
思い切りジャンプすると大体、俺の身長の半分くらい飛べた。
ということは、あの男子生徒ゾンビの身体能力と知性が上がったのは、共食いしたからではなく、ゾンビを倒してレベルが上がったからか。
スキルというのは、よくわからんが、なしって書いてあるから今は無視だな。
とにかく、脱出を再開しよう。
身体能力も上がったことだし、さっきより楽に勝てるかもしれない。
一階へ降りる。
長い廊下を見回すと、右に一体いた。女子生徒ゾンビだ。
女を傷つけるのは、嫌だがさっき割り切ったところなので躊躇はしない。
先手必勝、俺はゾンビに向かって走る。
その音に気づいたゾンビは、こちらを振り向くが、もう遅い。
既に間合いに入っていた俺は、先程と同じように目に箒を突き刺す。
「ウガァアアアアアア………」
ピクリとも動かなくなったゾンビを見て、多少の罪悪感は込み上げてくるが、さっきよりも遥かにマシだ。
アナウンスが聞こえないところを見ると、どうやらレベルは上がらなかったらしい。
まあいい。
この身体能力で、タイマンならそこらのゾンビには負けないだろう。
校外には、もっと強いゾンビがいるかもしれないし、レベルを上げておくべきかもしれんな。
俺は、音を立てないように南校舎を出る。
この校舎には、おそらくもうゾンビはいないだろう。
外より、校舎内の方がタイマンに持ち込みやすいと考えた俺は、北校舎に向かうことにした。




