第二十二話 日雇い提督は仁愛を得て英雄になる? ⑨
「第一から第六戦隊は正面敵艦隊に突撃開始ッ! 第七から第十戦隊のうち奇数は左翼、偶数は右翼に展開中の海賊艦隊を殲滅せよ!」
航空隊の奇襲により敵艦隊が大混乱を来し、完全に脚が止まったのを好機と判断した達也は、迷わず麾下の艦隊に攻撃を下命した。
それを受け銀河連邦軍精鋭中の精鋭が研ぎ澄まされた牙を剥き出しにし、敵艦隊目掛けて突撃を開始する。
各々の護衛艦を指揮する艦長達は、全員がガリュード艦隊で艦長を務めていた猛者達であり、ラインハルトの呼びかけに真っ先に賛同して集まった中核メンバーばかりだ。
数多の修羅場を共に潜り抜けて来た彼らの連帯感は強固であり、指揮官としての技量も軍の中では大きく抜きん出ていた。
また、自分達より若年の達也を侮る者は一人もおらず、忠節を尽くし従うに足る司令官だと認めており、その信頼には揺るぎないものがある。
嘗てガリュード艦隊に於いて人語に絶する活躍を重ね、絶大な戦果を挙げ続けた達也の能力を知るだけに、それは彼らにとって至極当然の事だった。
「艦長。手筈通りに頼む。牽制攻撃の後は本艦も前に出るぞ」
達也の言葉に頷いたレオノーラは、前方を見据えて復唱する。
「了解しました! シルフィード両舷半速前進! 進路を艦首右二度に修正! 《スターダスト・ディスティニー》スタンバイ! 目標本艦前方の敵艦隊!」
エレオノーラが口にした大仰な兵装は、高出力陽電子砲のコードネームであり、戦略兵器として運用される砲艦のキャノン砲と同程度の威力を誇る代物だ。
この一撃で複数の敵戦闘艦艇を同時に撃破できる、強力極まる兵器だった。
「照準ヨシッ! 発射準備完了ッ!」
「全艦耐ショック防御。スターダスト・ディスティニー発射ぁ──ッ!」
艦首発射口から発射されたそれは、猛り狂う大河さながらに渦を巻きながら敵艦隊の中央に位置していた護衛艦群を薙ぎ払う。
そして、間髪入れずに加速した六つの戦隊が、抉じ開けられた穴にその身を踊り込ませるや、一斉に周囲の敵艦群に向けて砲撃の火蓋を切った。
一戦隊は五隻の護衛艦で構成されており、それらが見事な単縦陣を形成し、その獰猛な牙で敵艦隊を切り裂いていく。
先頭の旗艦と鎖で繋がれているのではないかと錯覚する程に、後続艦は前を行く僚艦の進路を見事にトレースして見せ、敵艦と擦れ違う機を逃さず手当たり次第に砲撃を敢行し、対艦ミサイルを叩き込む。
ゼロレンジに等しいこの距離ならばミサイルの命中精度は問題にならず、次々と命中しては派手な爆発炎を宙空に咲かせていった。
各戦隊は敵の陣形を突き崩して突破するや、再度反転して突撃を繰り返しては、慌てふためく敵艦を当たるを幸いに屠っていく。
その姿は古の戦国時代最強と謳われた武田騎馬隊か、将又、WWⅡに於いて欧州の大地を鋼の蹄で蹂躙した独機甲師団を彷彿させる圧倒的な暴威だった。
六条の矢が戦場を縦横無尽に切り裂いていく光景は、正しく『疾きこと風の如く侵掠すること火の如く』と説く孫氏兵法の真骨頂だといえる。
航空戦力による奇襲で主導権を握り、卓越した技量を遺憾なく発揮して暴れまわる護衛艦群が敵を更なる混乱に陥れていく……。
ミラージュ・コートという新装備の効果に依る所が大とはいえ、思惑通りの展開を見せる戦況に達也は胸を撫で下ろしていた。
しかしこの時、想定外のアクシデントがすぐ間近に迫っていようとは、露ほどにも気付けなかったのである。
※※※
片やベイ総司令は、怒号と悲鳴が飛び交う艦橋で呆然と立ち尽くしていた。
圧倒的戦力を以て一気に敵を殲滅する筈が、奇々怪々な奇襲を受けた挙句、少数とはいえ俊敏な機動力と正確無比な攻撃力を併せ持つ、獰猛極まる敵艦隊の攻撃に晒されたのだから、それも致し方がないと言えるだろう。
味方艦隊は混乱の渦中で反撃も儘ならず、成す術もなく被弾しては漆黒の宙空に炎の大華を咲かせ爆散していく。
喪失した戦力は既に三割を超え、健在な艦艇も大なり小なり損害を被っており、阿鼻叫喚の地獄絵図さながらの光景が眼前で繰り広げられていた。
自軍の優位性を見せ付ける為に密集陣形を採っていたのが仇になり、大破し行動不能に陥った艦が邪魔をし、戦闘継続可能な僚艦までもが動きを封じられているのだから、組織立った反撃など出来る筈もない。
(なんだこれは……なにが、どうしたら、こんな馬鹿げた事が起こるというのだ)
ベイ総司令は答えの出ない問いを脳内で繰り返すだけで、完全に思考停止状態に追い込まれてしまう。
「閣下ッ! この上は至急残存戦力を纏め、この場を退避するべきですッ!」
茫然自失状態の総司令に代わって旗艦を艦隊後方に下げ、無傷の味方艦を集結させた参謀長が無念を滲ませた声音で意見具申する。
しかし、最も腹立たしい策を提案されたベイ総司令は、我に返るや嚇怒して声を荒げ、その進言を退けた。
「馬鹿な事を言うな! 未だ総戦力は我が軍の方が奴らを上回っているのだぞ! 役に立たなくなった艦を盾にして反撃に転じるのだッ!」
損傷艦とはいえ、まだ生存者がいる筈の僚艦を、盾代わりにしろという理不尽な命令に嫌悪を懐く参謀長だったが、今はそんな事に斟酌している場合ではない。
決断が遅れれば全滅もあり得ると判断した彼は、懸命に司令官を説得した。
「そんな命令を下したら、被弾し戦意を喪失した艦が逃亡を図るのは必至であります! 陣形を維持できなくなれば艦隊は一気に崩壊し、取り返しがつかない事態を招いてしまいますぞッ!?」
「う、五月蠅いッ、きさまぁ~~臆病風に吹かれおったかぁ!」
「閣下ッ! 混乱をきたしている今。敵航空隊の第二波攻撃を受ければ、今度こそ甚大な被害を受けて撤退も儘ならなくなるでしょう……どうか御決断下さいッ! この上は生き残った戦力を温存し、一時帝国に身を寄せて捲土重来を図るしかありませんッ! どうか、どうかッッ、閣下ぁッ!」
屈辱と込み上げて来る怒りに身を震わせながらも、右腕と頼む参謀長の必死の諫言をベイ総司令は辛うじて受け入れた。
両翼に展開した海賊艦隊は既に各個撃破されており、壊滅に等しい損害を出している以上、戦いの帰趨は誰の目にも明らかだ。
一旦冷静さを取り戻せば、彼も軍事政権を率いて一国を差配した為政者であるから、引き際は自ずと弁えていた。
血が滲む程に唇を噛み締めていたベイ総司令は、信頼する腹心の言に従い小さく頷いて見せる。
「ありがとうございます閣下! 通信士ッ! 生存している全艦に通達せよッ! 『直ちに撤退を開始』だ! 損害が軽微な艦はありったけの弾幕を張って被害艦の撤退を援護しろ!」
説得に成功した喜びに浸る間も惜しむ参謀長は、すぐさま全艦に撤退命令を下したが、その英断は遅きに失したと言う他はなかったのである。
※※※
(せっかく白銀司令から《シルバーゴースト》を譲って貰ったのに……その御披露目が第二波攻撃隊だなんて締まらないわぁ)
念願だった憧れの漆黒のティルファングを手に入れたアイラは、早速機体を専用カラーの真紅に塗装し直し、尾翼に居座る大鎌を担いだ白銀の幽霊はそのままに、機首の両サイドの前部下方に、新たなノーズアートをペイントした。
それは二代目ゴーストを名乗る意思を鮮明にした彼女なりの決意表明でもあり、実戦デビューを前に大いに意気込んでいたのだが……。
『お前は第二次攻撃隊に廻ってくれ』……という父親のラルフからの命令で出鼻を挫かれてしまい、士気が上がらないこと甚だしい。
(あ~~ぁ、一番槍を掻っ攫って、志保や詩織達に自慢してやろうと思っていたのにぃ~~)
開戦前から戦場に潜んでいた第一次攻撃隊とは違って、第二波攻撃隊は敵の侵攻ルートから外れた暗礁宙域に配備された航宙母艦の艦載機部隊だ。
総戦力は五百機。手負いの敵残存艦隊に更なる痛撃を与えるのが主任務だった。
とはいえ父親を筆頭に、凄腕ぞろいの第一次攻撃隊の実力ならば、無傷の獲物が残っている可能性は極めて低い。
それでも、ここで徹底的に敵を叩けば、戦いの趨勢はほぼ決まる。
そう思い直して、砲火飛び交う戦場に突撃しようとした時だった。
通過したデブリ帯の陰に不審な物体を発見したアイラは、突入を中断して機首を返したのである。
その物体に見覚えがあったのがその理由だが、見間違いでなければ、本来はこの場に存在する筈がないモノだったが故に、疑念に衝き動かされての反転だった。
編隊指揮官の叱責を無視したアイラは、再度デブリの傍をフライパスして不審物を確認するや、驚きに目を見開いてしまう。
(銀河連邦軍の特殊輸送艦!? どうしてこんな場所に?)
それは間違いなく銀河連邦宇宙軍で正式採用されている特殊輸送艦だった。
アイラは非常時用の特殊コードを送信して、所属と任務の確認を問い質したが、輸送艦群からの返信はない。
なぜこんな場所に三隻もの輸送艦が潜んでいるのか?
敵艦隊後方に位置するこの場所に、身を隠す様にして配備された目的は?
それらの疑問に明確な答えを導き出す前に強烈な悪寒が背筋を走り抜けた。
(やばい、やばいっ、絶対にヤバイよあれはッ!? こんなモノが仕込まれているなんて聞いてないッ! つまり白銀長官以外の人間の仕業だ!)
戦場で幾度も死線を潜り抜けてきた経験が、『あれは危険なモノだ!』と最大級の警鐘を鳴らし続ける。
もし彼女が生粋の銀河連邦軍軍人であったならば、不審艦とはいえ自軍の艦艇に対しアクションを起こすのを逡巡していただろう。
だが、傭兵上がりのアイラは迷わず自分の直感に従い、導き出した最適解を即座に実行したのだ。
「ルートRY途上の岩塊群に不審艦を三隻発見ッ! 誰何するも応答はナシッ! 因って敵と見做して撃破するッ!」
最後尾の補給艦に機首を向けると同時に標的をロックオン。
刹那の間も置かずに、翼下のパイロンに搭載された二本の対艦ミサイルが発射され、無防備な状態の輸送船に命中して大輪の爆炎を咲かせた。
(よしッ! もう一度……つッ──ッ??)
大破炎上して爆散した最後尾の輸送艦から意識を切り替え、再突入を図ろうとした時だった。
残存のニ艦から正体不明の小型機が一斉に射出され、それらは不規則な高機動を描くや、数多の爆炎の大輪を咲かす戦場へと乱入して行くのだった。
最も至近に居たアイラ機にも当然の如く謎の小型機が襲い掛かるが、有人機では在り得ないその鋭角的な機動を見た彼女は、瞬時に相手が無人機だと見抜く。
そして、愛機を強引に横滑りさせてその突撃を躱し、擦れ違いざまに反転するや、照準器には頼らずに勘だけでトリガーを絞った。
ほぼ正面から撃ち合う形になったが、彼女の鍛えらえた第六感が勝り、無人機は宙空にその亡骸をバラ撒いて塵と化す。
「こちら第三戦隊三番機アイラ・ビンセント少尉。多数の無人戦闘機が戦場に解き放たれましたッ! 所属並びに目的は不明ッ! 注意されたしッ!」
味方の危機に身を焦がしながらも、残った輸送艦をそのままにはできないと思い定めたアイラは、禍根を一掃するべく翼を翻すのだった。
※※※
この時バイナ連合軍の残存艦隊にとって不幸だったのは、反撃の為に後方に退避して部隊を再編している最中に不意打ちを受けた事だった。
「何事かぁッ!?」
後方に位置していた駆逐艦クラスの護衛艦が相次いで爆散する悪夢を目の当りにしたベイ総司令は、咬みつくような剣幕でオペレーターに怒声をぶつけた。
「てっ、敵襲と思われますが……小型の無人兵器ですッ! 約百機の無人機が、は、速いッ! それに機動が不規則で、レーダーでは捕捉できませんッ!」
最低限の情報しか得られない歯痒さに、ベイ総司令は歯噛みするしかない。
「おのれぇ~~ッ! 無粋な玩具まで持ち出しおってぇッ! ウィルスを即時投入せよッ! 各艦は対空迎撃を開始ッ!」
だが、対AI戦闘の教本通りの指示を出したにも拘わらず、無人機の暴虐は全く衰える気配はなかった。
「そ、そんな馬鹿なッ! 駄目です! ウィルスが無効化されましたッ!」
その信じ難い事実に愕然としたオペレーターが絶句した瞬間、激しい衝撃を受けて大きく艦橋が揺れた。
「左舷スラスター三番から十五番まで大破ッ! 機関部も火災発生ッ!」
船務参謀の悲痛な報告を受け、艦橋は大混乱に陥ってしまう。
最早これまでと悟った旗艦艦長は、躊躇わずに退艦を進言した。
「閣下ッ! 本艦は最早これまでです! この上は一刻も早く後方の僚艦ドールィに司令部をお移し下さいッ!」
「馬鹿者がぁッ! まだだ、まだ負けてはおらんッッ! これからがッ──ッ」
屈辱に震えて駄々を捏ねるベイ総司令は艦橋前方に飛来した物体に気付き、言葉を失ってしまう。
それは、漆黒の機体に小振りのデルタ翼を生やした死神そのものだった。
寧ろベイ総司令や艦橋にいた士官達にとって、この死神はひどく優しい存在だったのかも知れない。
機首のドーム部分に設置されたカメラが忙しなく動く様子と、銃口のマズルフラッシュが煌めくのを見たのを最後に、何の苦痛も感じずに人生の終幕を迎えられたのだから……。
※※※
「てっ、敵旗艦爆散しましたッ! 周囲の敵艦群大混乱を起こしていますッ!」
「脱出艇は確認できたか?」
「いえ一隻も……恐らく司令官以下全乗員が艦と共に……」
アイラからの緊急伝を皮切りに、戦場はその混沌の度合いを深めていた。
バイナ連合軍の旗艦が沈んだ事によって、戦闘の帰趨は決まったと言える。
しかし、突如戦場に介入して来た正体不明の戦力によって、先の展開が見えなくなったのは大きな誤算だった。
「だっ、駄目ですッ! あらゆるウィルスが無効化されました! あの小型無人機を沈黙させるには、物理的な攻撃で撃破するしかありませんッッ!」
その切羽詰まった報告にも表情を変えない達也だったが、心の中では盛大に舌を弾いて悪態をつくしかなかった。
(クルデーレの奴め! とんでもない隠し玉を用意していやがったな)
「各戦隊には本艦より後方に退避し、密集陣形を組んで対空迎撃に専念せよと伝えてくれ! 狙っても当たりはしないから、CIWSで弾幕を張って回廊を形成し、そこに誘い込んで主砲榴弾で仕留める様にとな!」
(それでも命中率は低いだろうが……だが、気休めでもやらないよりはマシだ)
一番効果が高いと思われる戦術を指示したのと同時に、解析に専念していた情報参謀から驚愕の報告が齎された。
「分かりましたッ! あれは数か月前に北部方面域のレイド共和国で接収された、無人兵器ヴァルキューレXXX。通称【黒衣の未亡人】ですッ! ジェノサイドモードで起動中ですから、敵味方の区別なく攻撃してきますッ!」
「なんて事ッ! あんな物を持ち出したら、自分で自分の首を絞める様なものじゃないのッ!? クルデーレの奴は何をとち狂っているのよッ!?」
自席のコンソールパネルを叩いたエレオノーラが、忌々しげに吐き捨てる。
北部方面域で勢力を拡大させていた中堅海賊ギルドを支援した嫌疑で告発されたレイド共和国は、それを機に銀河連邦に反旗を翻した元同盟国だった。
当然、銀河連邦憲章違反を理由にして北部方面域駐留艦隊が粛清に派遣されたのだが、自軍の不利を悟った共和国指導者が投入したヴァルキューレXXXによって、派遣艦隊は実に四十%にも及ぶ損害を出すに至ったのである。
その騒乱の後、鹵獲品を銀河連邦の科学局が総力を以て解析し、無力化の方策を探ったが、未だに有効な手段が講じられていない至極厄介で危険な兵器だった。
「第二波攻撃隊に攻撃中止命令を出せッ! 直ちに戦闘宙域を離脱させるんだッ。通信士! 待機中の各航宙母艦に通達ッ! 第一次攻撃隊の中から腕っこきだけを選抜し格闘戦仕様で出撃させろと伝えろ! 敵は殺人機械だと付け加えておけ!」
技量がやや劣るパイロットには荷が重い相手だし、数を頼みに防空任務につけても被害が大きくなるのは目に見えている。
(幸いにもアイラの機転で母艦は潰した……後は奴らの燃料が切れて無力化されるまで粘り抜くしかない)
消極的な戦術ではあるが、他に有効な手段はない。
今も統制を失ったバイナ連合軍艦が、成す術もなく次々に撃破されているのだ。
そして【黒衣の未亡人】の猛爪が、此方に向けられるのも時間の問題だった。
そう考えた瞬間、オペレーターの悲鳴が艦橋に響く。
「第三戦隊四番艦グリーンベル被弾ッ! あれは大破ですッ!」
恐れていた事態が現実となり、達也は即座に決断した。
「艦長。本艦が前に出て敵を引きつけるッ! 本艦の装甲ならば幾らか時間が稼げるだろう」
この命令に対し、エレオノーラ以下幕僚から反対意見は出なかった。
それ以上の対応策が現状では見当たらないからだが、それは、已むを得ない苦肉の策ではなく『自らの力で道を切り拓く』という強い信念に基づく決断だと、皆が知っていたからでもある。
「了解しました。両舷前進中速。敵の主兵装は大口径の機銃弾よ、ビームシールドはいらない。物理シールドにエネルギーを集中させなさい! 対空戦闘用意ッ! これより迎撃戦を開始するッ! 行くわよッ!」
エレオノーラの力強い指示を合図にして、いよいよこの戦闘も佳境へと向かうのだった。




