これまでのあらすじと登場人物
プロットが迷走して思いのほか時間がかかりました。一応この章は最後までいけると思います。(失踪はありません)
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週2~3のうpで行く予定です。よろしく御願いします。
登場人物
ベアリスク ライドル:
本作の主人公、通称ベアー。誉れある僧侶の名家に生まれるが、あまりの貧しい生活にピリオドを打つべく転職の旅に出る。現在は港町ポルカにあるフォーレ商会で貿易商見習いとして日々を過ごしている。(この章ではジョージズトランスポーテーションのインチキに気付いてロイドとともに本社に向かうが……)
ロバ:
ベアーの飼っているロバ。婦女子には優しいが基本的に役に立たない。だが、いざという時は………(本章ではベアーとともに都に向かったり、いなくなったザックと遭遇したりと大忙し)
ルナ:
見た目10歳、実年齢58歳の魔女。ベアーが気になり行動を共にしている。現在、魔封じの腕輪をつけられていて魔法は使えない。イケメンとスイーツをこよなく愛す。(本章ではジョージズトランスポーテーションのインチキを暴く上で大きな役割を果たす。現在も継続中。)
ロイド:
フォーレ商会の責任者で『男爵』という貴族の称号を持つ貿易商。経験から裏打ちされた言動には目を見張るものがある。現在はベアーに貿易のイロハと公用語を教えている。持病のリウマチは時折、膝と腰にあらわれる。(本章ではベアーとともにジョージズトランスポーテーションの本社に乗り込んでいる)
ウィルソン:
ロイドの右腕ともいうべきフォーレ商会の社員。見た目は中年の冴えないおっさんだが、ガッツがある。(前立腺がちょっと弱い)ドリトスの羊毛ギルドとやり合ったときはベアーとともに活躍した。(本章では買収されかけた船会社ケセラセラの交渉を有利にするために全力土下座をみせている)
ジュリア:
30代後半の女性。フォーレ商会は彼女なしでは仕事が進まない。事務能力が高く公用語も堪能である。ベアーの失態を補うべくサングースに赴いたが、危うく殺されかける。ベアーたちの活躍により九死に一生を得る。(本章でも事務能力を発揮してベアー達の手助けをしている)
ロゼッタ:
ベアーがバイトをしていたパスタ店の女将。夫を亡くしてからは無口な妹と一緒に小さな飲食店を経営している。(ここのトマトソースをベースとした魚介のパスタはかなりうまい。)現在はルナがバイトしているのだが、女将もルナも月例会という名のカジノの博打に興じている。相変わらず負けが込んでいる。なお本人は気にしない模様。
ラッツ:
ベアーの親友。コルレオーネ劇団の劇団員として活動していたが脱税により劇団が解散。その後、瓦版の見習い記者に転身する。ポルカの奇跡とうたわれた船会社ケセラセラとキャンベル海運の激闘を記者として陰から支えた。(本章ではカジノの不正を暴くために奔走。その余波として、ジョージズトランスポーテーションの不正を知るに至る。)
スターリング:
広域捜査官の女性。美貌の持ち主で潜入捜査を得意とする。この章ではジェンキンスとただならぬ仲に?
カルロス:
ポルカの元治安維持官。ベアー達の関わる案件を処理したことで広域捜査官に抜擢。ベアー達とも仲が良い。現在はスターリングの同僚として活躍。前からはげ上がる薄毛のタイプだが頭頂部も薄くなりつつある……
ジョージ:
中年の発明家──新たな技術に関して熱い思いがあり、蒸気機関のために人生をかけている。だが金策の面においては甚だしく苦労している。ムラキの手腕により資金繰りをつけるとジョージズトランスポーテーションという組織を立ち上げた。
(ポルカの港でデモンストレーションを成功させたことで巨万の利を得る。だが、蒸気機関には不備があり製品化はできない模様。さらにはデモにもインチキがあり、それが露見すれば身の破滅も……)
ムラキ:
ジョージズトランスポーテーションの資本金をだした投資家。現在は副社長として辣腕を振るっている。バッハ卿を金で懐柔するだけでなく、枢密院を巻き込んで蒸気機関の認可を認めさせる手腕をみせる。ポルカのデモンストレーションもすべてムラキの画策による。
とにかく切れる人物(読者の皆様はすでにこの男の正体に気付いているとおもいますが……)
鉄仮面:
神出鬼没の大悪党、その能力は果てしなく右に出る者はいないだろう……一言で言えば超つおい!!!
富裕な商人:
鉄仮面の片腕となった元盗賊。鉄仮面の配下になることで悪道を着実に進んでいる。悪知恵にたけた武闘派の男。人を殺すことさえ厭わない。(本性ではザックを拉致してムラキのもとにつれていっている。ムラキの指示を受けながら自分の仕事を着実にこなしている。)
ジェンキンス:
広域捜査官の幹部。なかなかの策士であり、倫理観で動く正義の人ではない。金と権力とともに手に入れようとする人物。(この章ではベアーのもたらした情報をムラキに流している。)
バッハ卿:
海運業の許認可を握る大貴族。ジョージズトランスポーテーションの発明した蒸気機関を世に出して巨万の利益を出そうと画策する。ジョージの発明した蒸気機関の安全面に不備があることを知っているが、すでに金をもらったために収拾がつかなくなっている。
モーリス卿:
バッハの子飼い。ケセラセラ買収を担当するこざかしい貴族。ウィルソンが全力土下座をみせて付け届けを仄めかしたことでその気になって猶予を与えてしまう。小銭に目がない。
枢密院最高議長:
ガマガエルのような要望をした初老の男。ムラキとバッハの関係を見抜き蒸気機関から得られた富を横取りしようとしている。大変狡猾で執着心が強い。裏の裏まで知り尽くす老獪な人物。(一ノ妃と因縁がある。)
いままでのあらすじ
蒸気機関の発明を成し遂げたジョージはムラキの指示をうけてポルカでのデモンストレーションを成功させます。その結果は華々しいまでの成功でした。ですが、その裏には甚だしい問題がありました……なんと積み荷を空にしてごまかすというからくりがあったのです。
ジョージはその事実に苦しみますが、ムラキは平気な顔をしているどころか、マーケットで上がった株を元にして許認可権を握るバッハ卿の懐柔や、そのバッハを抑えるための枢密院最高議長を買収します。手練手管を使ったムラキの策略が炸裂したのです。
そしてムラキの策謀の本丸とも言うべきマルスの王政復古の準備も着実に進んでいきます。ジョージズトランスポーテーションの金でバッハ卿に貴族の買収をさせるとマルス復古の法案を成立一歩手前まで持って行きます。枢密院の最高議長、バッハ卿を取り込んだ策略は見事なまでの展開をみせたのです。
一方、そのムラキの策謀に気付いた人々がいました。そう我らが主人公のベアー達です。ベアー達は友人であるラッツの記者としての活動を通してポルカの港で行われたデモがイカサマだと認識します。ベアー達は貴族がらみの事案であることを鑑みると知己を頼ってレイドル侯爵の関係者であるマーベリックの元に向かいます。一ノ妃の裁可を得るためです。
ですが、その動きを察知していた人物がいます。それは広域捜査官のジェンキンスでした。ジェンキンスはベアー達から情報をうまく聞き出すだけでなく、まともな捜査さえせずにデモンストレーションのインチキを知る組合の荷夫を処理してしまいます。なんと広域捜査官の幹部はムラキと内通していたのです。
さらには、真実に至ったベアー達に圧力を掛けるためにムラキは船会社ケセラセラの買収をバッハとモーリスにやらせます。ベアー達は八方塞がりの状態に……
追い詰められたベアー達ですがこの状況下で逆転の発想をみせます。なんとジョージズトランスポーテーションの社長、ジョージの所に直談判に向かったのです──体を掛けた特攻です。
ですがベアー達はなんと、そこでムラキとスターリングと鉢合わせ。そしてまんまと拘束されてしまいます。万事休すとはこのことです。
ですがベアーたちはただ逆上して乗り込んだわけではありません。彼らにも策があったのです。はたして、この後いかに?
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物語はここから続きます。
暑い、暑い、暑い!! 東京は蒸し風呂のような状態です。コロナよりも熱中症の方が危険だと個人的に感じます。読者の皆様、水分補給を!(水分不足は便秘にもなるからね!!)




