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8章 バイロン編のあらすじと登場人物

開けましておめでとうございます。またポツポツと始めていきたいと思います。


そして、本年が読んでくださった方とっていい年になりますように!


週に2,3回のうpでやっていきたいと思います。よろしくお願いします。

登場人物とあらすじ



バイロン: 

 本作もう一人の主人公。レイドル侯爵のもとから逃げた後、コルレオーネ一座に身を置いて女優としての日々を過ていたが、現在はダリスの宮中でメイドとして仕えている。ベアーとは初等学校でのクラスメイト。


リンジー:

 宮中で唯一、バイロンが気を許せる同僚。かわいいとは言い難いが性格があかるく、笑うと人の良さが出る。以前の事件ではバイロンとともに九死に一生と呼べる状況を切り抜け、バイロンとの親交をさらに深めている。(特技:マシンガントーク)


マイラ:

 第四宮の宮長(別名:メイド長)、生真面目で業務に対する姿勢は思慮深い。だがその一方で『女の園』ともよべる第四宮を統べるだけの知己はなく、謀略、策略といったことに対応する術は皆無である。


レイドル侯爵: 

 バイロンとそのリドラを経済的に支援してきた人物。その顔には幾重にも包帯が巻かれ素顔を覗くことはできないが、貴族の間では『ダリスの銀狼』として恐れられている。


マーベリック: 

 レイドル侯爵の執事、バイロンとレイドル侯爵のパイプ役を担っている。一見するとイケメンだが、時折見せる目つきの中には殺意が垣間見える。以前の一件でバイロンに対して特別な感情を抱き始めている。


ゴンザレス:

 マーベリックの配下。白髪を短髪にした職人風の男で市井に潜んで様々な情報を集めている。経験豊富な猛者で人物眼は確かである。


一ノ妃:

 ダリスの最高権力者。深い思慮と未来を見通す眼力を持つ。高齢だがいまだその睨みは衰えず、高級貴族たちも一目を置かざるを得ない存在。


二ノ妃:

 隣国、トネリアから嫁いできた皇女。娘が病死したことで権力の座からは追われている。現在は観劇にうつつを抜かしているが、その腹は読めない。


三ノ妃:

 マルスの母、帝位につく子供を産んだことで傲慢になっていたがマルス暗殺によりその求心力を失い、現在は『妃』という地位さえ失いかねない状態に陥っている。(この章では登場しません)


マルス:

 魔法少女大好きの少年。小太りで鈍重、学力も低く、将来の帝としては芳しくないと思われている。絵をかくのが好きだがその腕前はいまひとつ……。以前の事件で暗殺されたと思われていたが一ノ妃の知恵で助かり、現在は谷あいの村にある精肉店で働いている。


三公爵: 

 帝位につく資格を持つ高級貴族。ボルト家(政治、経済を担う)、ローズ家(軍事、安全保障を担う)、レナード家(文化、教育を担う)がある。


レナード公爵:

 帝位筆頭の高級貴族、現在のダリスでは彼の右に出る者はいない。トネリアの富豪とも親交があり、人脈も広い。帝位につくために着々と布石を打っている。


ルーザ:

 レナード公の懐刀とも呼べる占い師。その履歴ははっきりせず、その存在自体が謎に包まれている。一体彼女は何者なのだろうか……


キャンベル卿:

 レナード公に取り入り、貴族の世界で出世を目論む野心家。キャンベル海運という海運会社を営んでいる。利に聡く、立ち回りのうまい男。


パストール:

 トネリア(二ノ妃の出身地)の豪商。ダリスでの商売を成功させるため二ノ妃に取り入っている。金融面特に保険関連の利権を手に入れたいと考えている。現在はキャンベルやレナード公とも親交を気づいている。


ライラ:

 バイロンの同輩、コルレオーネ一座の看板女優だったがバイロンにお株を奪われた経歴を持つ。現在は引き抜かれ都にある国立歌劇団の研究生として日々を送っている。




あらすじ


 狩りの途中で起こったマルス暗殺事件は宮中で大きなうねりを引き起こした。帝位につくはずのマルスがいなくなったため権力闘争のパワーバランスが変化し人間関係に亀裂が走ったのである。


 だがバイロンはマーベリックとともにその暗殺事件の背後にある影に気付くと首謀者である執事長シドニーに行きついた。そして彼女の計略の綻びを見つけると、ナターシャとサラという実行犯を特定する。そしてサラの供述により事件は解決へと向かう……


 だが、奸計を弄してマルス暗殺の一翼を担ったシドニーは失踪して姿を消し、ナターシャも口封じに殺されてしまう。結局、事件は灰色の解決となる……後味の悪い結末であった。


                             *


 さて、それから1カ月、宮中では新たな体制が敷かれて一見平穏に見る日々が訪れていた。執事長不在の状況でも大きな問題も起こらず宮中行事はタイムスケジュール通りに淡々と進んでいた。



だがそれはうわべだけで新たな問題も生まれていた。



 それは『次の執事長に誰がなるか』というメイドとバトラーによる権力闘争であった。第一宮から第四宮まである宮中では第一宮の宮長が執事長のポストに就くのが慣例であったが、シドニーが第一宮出身であるためその慣例が適応できない状態となり、それが新たな火種を生んだのである。


 そしてそのうねりは再び暗雲として沸き起こり宮中を覆った。バイロンのいる第四宮でもそれは例外ではなく、第四宮のメイド長であるマイラはその渦中に飲まれ七転八倒の状況に追い込まれていた。



そして執事長を決めるための選挙が行われていようとした………







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