六階層のチラ見結果! 劇的進化……!?
回想です。
時系列は一章のボス戦後
■二章から読み始めている人向け(居る……?)
新階層へ入ったという理解でOK!
だいぶ脱線したな!
前回のダンジョン攻略の最後、俺はくだり階段を見つけた。
そして、様子を見てきた。
わかったことは色々あった。
――俺は、偵察したときのことを思い出す。
六階層はこれまでとは様子が違っていた!
洞窟風じゃない。
六階層は、まるでゲームの迷宮だ。
――そこは、人工的に作られた石造りの迷宮だった。
石畳が敷き詰められ、壁も整えられている。
なんと、壁には松明が赤々と燃えている。
いったい誰が火をつけて回ってるんだ?
すごくファンタジーだ。
――だが、ダンジョンに現実の常識は通じない。
気にしたら負けな案件だ。
でもいつか、松明補充係を見つけてやりたいとは思う。
この明るさは、俺にとって不利だ。
隠れ潜む暗がりが足りない。
闇が……足りぬ!
ちょっと挙動不審な厨二病患者みたいになってしまう。
通路は直線的。
天井はジャンプしても届かないほどには高い。
【壁走りの術】を使えばすぐに天井へ行ける程度。
通路にはドアがあって、部屋の入り口になっているようだ。
ドアは木製だ。
かならずドアがついているわけではない。
ドアのない入り口もある。
いくつかのドアを開けてみたが、中は狭い部屋になっている。
アパートの部屋くらいだな。
調度品はほとんどない。石作りの長椅子があったりする。
これは重くて持ち上がらないが、固定されていないのでずらしたりすることはできそうだった。
家具があるなんてね。
――急に文明的だ!
そして当然、敵もいる。
現れたのは――相変わらずのゴブリン。
だけど、ただのゴブリンじゃない!
ゴブリン研究家(自称)の俺から見れば、違いは歴然だ。
文明レベルが大幅な進化を遂げている!
腰ミノや腰布から――粗末とはいえ武器や防具を身に着けるまで進化している。
革鎧やローブ、剣や杖を持っている……!
人類の進化で言ったら、数百年は進化したことになる。
見た目の変化だけなのかもしれないが、これはすごいことかもしれない!
当然、見た目だけじゃない。
中身までもが進化を見せている。
――正直、俺は目を疑った。
ゴブリン達が、ある程度のまとまりを見せて動いていた。
列をなして歩いていた。
前後を警戒してさえいた。
あまつさえ――俺の【隠密】を見破りさえしたのだ!
これは、ちょっと衝撃を受けた。
いや、かなり!
コウモリなら、わかる。
エコーロケーションによる探知のせいだ。
だが、ゴブリンに見つかるとは……そんなバカな!
気を抜いてスキルを解いていたわけじゃあない。
いつも通り【隠密】【消音】【歩法】のフルセットで忍んでいた。
隠れる場所がない通路で、壁掛松明が光を投げかけていた。
――明るくて見通しがよかった。
それでも、ゴブリンに見つかるほど【隠密】はやわじゃないはず。
いや――俺の【隠密】が衰えたんじゃない。
ゴブリンが、強化されたんだ!
つまり、ゴブリンが何らかの探知能力を手に入れているんだろう。
俺を見つけたゴブリンは、何かを叫ぶ。
――俺は耳を疑った。
わめくだけだったゴブリンが警告を発している。
敵がいる、俺が居ると知らせているんだ。
やつらは、あきらかに会話をしている。
コミュニケーションを取っていたんだ!
これは、もうこれまでのゴブリンとは違う。
もう、ただのザコとは言えない。
なんらかの成長をしたんだ。
それが何かを考えなければ――調べなければならない!
ゴブリンの上位版なのかもしれない。
ステータスかスキルを得たのかもしれない。
これまで通りのつもりで挑めば、足をすくわれる。
俺には【鑑定】のような便利スキルはない。
相手の名前や能力が分からないんだ。
だから自分で見極めなけりゃならない。
次は、じっくりと観察してやろう!
今回は偵察、様子見だ。
情報を持ち帰って、じっくり対策を考えるんだ。
そうして俺は、ひとまず偵察を終えたのだった。
会話するだけで驚かれるゴブリンさん!




