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【四周年】社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
一章 ステイホームはダンジョンで!

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見敵必殺! 三階層の中央の戦い!?

 モンスターを狩りながら三階層を進む。


 三階層の未踏破部分を進んでいる。

 ドーム状のフロアの中央部分だ。


 中央部分は天井が高く【暗視】状態でも見通せない。

 ここにコウモリがいるとしても、距離があるためお互い発見できないだろう。


 中央部分に進むにしたがって、様子が少し違ってくる。

 足場は平坦で、歩くには都合がいい。


 ところどころにガレキのような岩が積みあがっている部分がある。

 このダンジョンには珍しいことだ。


 何せこのダンジョン、驚くほどに何もないんだ。

 一枚岩のような床と壁。起伏はあるが、何も落ちていない。

 拾って投げられる小石などが落ちていないということだ。


 だから、これはとても珍しい。

 両手で持ち上げられる程度の岩が積みあがっているだけ。

 それだけのモノ(オブジェクト)があることに、俺は驚いている。


 床から生えている石筍や天井からぶら下がる鍾乳洞はある。

 これは床に一体化していて動かせないのだ。


 四階層の輝く水晶も、ナタでこじっても取り外すことができず、砕けはしたものの塵になって消えてしまった。


 このダンジョンには、ほとんどモノがないのだ。

 物資がない。資源がない。石や、木や、草がない。

 利用できる物体(オブジェクト)がないんだ。


「へえ……岩か。何かに使えそうだけど、投げるには重いな」


 積みあがった岩山を手で押してみる。

 さしたる抵抗もなく、ガラガラと崩れる。

 岩は塵になったりせず、そこに残る。


 つまりこれは、動かすこともできる岩なんだ。


 もしかすればクラフトの素材に使えるかもしれないが……岩だしな。

 石の武器は重そうなので、あまり興味がわかないな。



「なんだ? なんでこんなものがある?」


 さらに進むと、巨石と呼べるような高い岩が現れる。

 ストーンサークルのような巨石だ。

 これがいくつも立ち並んでいる。


 初めての地形なので、警戒を強めながら足を進める。


 巨石と巨石の間が通路のようになっている。

 狭いすきまは人間が通るには狭い。

 間隔があいている部分を通っていくと、目の前をふさぐように別の巨石が立ちはだかっていたりする。

 さながら迷路のようだ。


 視界が限られ、先が見通せない。

 石の林のようだ。

 射線が取れないので、手裏剣での投擲攻撃はやりにくそうだ。


 そして、この場所からは複数のゴブリンの気配がする。

 もしかすると、ゴブリンが住みかとしているのかもしれない。


 少し戦いにくいかもしれないぞ。

 いつもの戦術とは違った動きが求められる。


「ゴブっ!」

「アギギイ」


 巨石の陰にゴブリンだ。

 無駄口をたたいていてくれるおかげで、発見はたやすい。


 巨石を壁に見立てて駆け上がり、頭上から奇襲する。

 両手にナタとクナイを持った俺は、同時に二匹のゴブリンを打ち倒す。


「よし、案外戦いやすいな!」


 この環境は俺には好都合だった。

 遮蔽物が多いことで【隠密】【暗殺】の独壇場だ。


 加えて、この巨石は蹴っても揺らがないほど重く、安定している。

 先ほどの岩山のように動かすことはできないようだ。


 つまり、石の壁だ。

 壁とくれば、俺の庭。ホームグラウンドだ。


 【壁走りの術】で駆け上り、巨石を蹴って反対側の巨石に飛びつく。

 そして、そこからさらに跳躍。

 巨石から巨石へと三角跳びの要領で飛び移る。


 接地した面が俺にとっての床になる。

 つまり、手をついてしまえばそこが足場だ。


 森で猿が木々を伝って飛び回るように、遠心力で自分を前方へ飛ばす。

 接地して止まることもできるし、蹴って反対側へ飛ぶこともできる。

 上へ登ることも、飛び降りることも自由自在だ。


 この巨石地帯にはゴブリンが多く集まっている。


 迷路状になっているために、お互いが連携することもない。

 数の利はない。各個撃破していくだけだ。

 ここは、格好の狩場だ。


 変態的な軌道で立体的に飛び回る俺を、ゴブリン達は追いきれない。

 すれ違いざまに頭を砕き、喉を裂く。


 回転しながら、跳びながら、変幻自在の攻撃を繰り出す。


 抵抗することも許さぬままに、ゴブリンを狩りつくしていく。

 無双だ。壁無双だ!


 堅実で地味な俺の戦闘スタイルが、ここでは華々しい戦果を上げている!


 【壁走りの術】と【軽業】【跳躍】のシナジー効果がすさまじい!

 【暗殺】【致命の一撃】が発動しない場合でも【片手剣】で威力を乗せる。


 まるで、俺のために用意されたような有利な空間だ。


「壁走りの術でこうも無双できる日が来るとは! 感動もひとしおだな!」



 迷路とはいえ、上部は閉じられていない。

 壁を登って、巨石の上を進めば、迷うことはない。


 それに、あまり広くはない。

 すぐに中央までたどり着くことができた。


 ストーンサークルの中央は広場になっている。

 その中央に宝箱が置かれている。


「おっ? こんなところに宝箱? あからさまに怪しいぞ……」


 周囲にはゴブリンの気配がある。

 通ってきたルートのゴブリンは見つけ次第狩ったが、すべてを回れたわけではない。


 広場の中央にある宝箱は目立つ位置にある。

 ヒカリゴケやキノコも多く、少し明るく照らされている。


「ま、行ってみるか。ゴブリンが集まってくるなら手間が省けて助かるってもんだ」


 レベリングも目的の一つだ。

 まとめて倒せるなら、効率がいい。


 俺は巨石の上から飛び降りて、宝箱へ向かう。


 見た目は四階層の宝箱と同じ。

 いちおう、横側から宝箱を開ける。

 やはり、罠はない。


 さて、宝箱の中身は――


 ――薬草だ。薬草がひと房だけ……。


「まあ、三階層だし……。鉄鉱石ならよかったけど、薬草も助かる。良しとしよう」


 なんとなく中身がショボく感じられるが……先に四階層の宝箱を開けているからか。

 本来なら三階層のコレが初宝箱のはずなんだ。

 中央部分を飛ばして先に進んでしまったせいだな。


 そこへ、集まってくるゴブリンの気配。



「……もしかして、この宝箱を守っているのか? ……薬草を?」


 ストーンサークルの中心に置かれた宝箱だ。

 まあ、それっぽい。

 確かにお宝だ。


「ゴブリンの魔石はモノリスで薬草に引き換えられるけど……もしかして、ゴブリンは薬草大好きなのか。薬草教とか崇めてるのかな?」


 おっと、ゴブリンが広場に入ってきた。

 続々と、岩陰から走り出してくる。


「ゴアっ!」

「ゴアアッ!」


 なんか、いつもより興奮気味。

 俺が手に持ったままの薬草に反応している様子だ。


 集まってきた他のゴブリンも、騒ぎ始める。

 その数は10匹を超える。


 これは、過去最高のゴブリンの群れだ。

 俺は薬草を掲げて、ゴブリンを煽る。


「これが欲しいか? なら、かかってこい!」


「ゴブアァ!」

「ガァァ!」


 ゴブリン達が咆え声をあげる。


 そして、大乱戦が始まった。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] つられる [一言] 薬草に釣られるゴブリン……………ww ゴブリン、ベジタリアン?
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