忍者武器を作ろう! 苦も無く作れるさ! 【装備】【クナイ】
本日二話目! ひたすらクラフトする話!
難産でした。10時間くらい調査と執筆にかかっています。
忍者刀はまだ早い。
今できるものを作ろう。
「今は、レベル2でも作れる忍者武器を作ろう!」
次の候補も忍具の代表格だ。
忍者モノなら必ずと言っていいほど登場する。
これも、絶対に外せない!
「クナイならいけるんじゃね? スキルレベル2でも無理なくいけるんじゃね!?」
簡単ではないだろう。
だが、普通の範疇のはずだ。
【忍具作成】レベル2で作ることができるはず。
穴を掘ってヨシ、投げてヨシ、斬ってヨシ!
クナイは、三拍子そろった便利アイテムなのだ。
現実では、もともと職人や旅人が使う道具だったらしい。
これさえあれば苦が無いというので、苦無。
シャベルのように穴を掘ったり。ちょっとした工具だ。
そして、刃もついていなかったらしい。
サイズも小さい。10センチ程度。
大クナイと言っても15センチほど。
携行もしやすく、旅のお供にうってつけ。
誰が持っていても怪しまれない。
だから、忍者も好んで持ち歩いていた。
史実、現実で考えれば、クナイはあからさまに忍者なシロモノではない。
でも、俺が作りたいのはあからさまに忍者な品である。
ニンジャでNINJAなクナイなのだ。
ニンジャ以外は持ち歩かないようなアレなのだ。
「といっても、クナイにもいろいろある。サイズもそうだし、用途もそうだ。俺が欲しいのは、暗殺用の鋭い近接武器だ」
暗器、隠し武器として使うのではない。
投擲用の飛び道具としてでもない。
クナイは投擲するにはバランスがよくない。
形状のせいで重心を先端側にはできないし、形状も適さない。
回転させて投げるなら、切っ先が相手に突き刺さるとは限らない。
俺が棒手裏剣で投げるときは回転させずに投げている。
これを直打法と呼ぶ。ナイフ投げ界隈では無回転投げと言ったりするらしい。
まあ、呼び方はどうでもいい。
回転すると必ず刃が相手に刺さるとは限らないということ。
そして、狙って当てるのは高度な技術が要求されるってことが問題なのだ。
クナイには起伏が多く、引っかかる部分が多い。
このために棒手裏剣と同じフォームで投げるには適さない。
サイズの大きさから空気抵抗や重力の影響、重心のバランス等々……。
俺には把握しきれないいろんな要素が絡んでくる。
それを意識して投げられるほどの技術は俺にはない。
俺自身にはそんなベテランの技はない。
だが、そこはファンタジーだ。【投擲】さんに任せておこう。
うまく飛ばしてくれるはずだ。
投げにくい形状なら、トビクナイを使えばいいじゃないかとも思うが、今回は作らない。
薄く小さいクナイの亜種だが……。
トビクナイを投げるくらいなら棒手裏剣でいいんだよね。
なんせ、棒手裏剣は安い。俺の場合はクギだからな。
クナイはそれなりに高価だ。
現実には、あまり投げることはなかったという説がある。
もったいないからね。
旅人のお供としてのクナイは、工具のようなものだ。
現代で言うならドライバーとかレンチとかトンカチを投げてしまうようなもの。
カネがかかってしょうがない。そういう感覚だと思う。
俺がクナイを使う場合も、同じ。
素材に貴重な鉄鉱石を使うつもりなので、入手も限られる。
なくしたくない。モッタイナイ。
サイズも少し大きめをイメージしている。
あまり小さいと【片手剣】とみなされない心配があるからだ。
さすがに15センチの刃物は片手剣とは言えない。
小剣とか短剣になってしまう。
片手剣と言うには、最低でも30センチは必要だろう。
少し大きいが、漫画やゲームのクナイとしてはあり得る大きさだ。
小さな刃物には、手を保護するパーツがないことが多い。
刀の鍔のように手を保護する仕組みがないのだ。
匕首やドス、一部のダガーなども、鍔がなかったりする。
突いて使う場合はとくに、ズレて手をザックリいってしまう気がするが……。
カチコミする人たちは、両手を添えてカバーしているようだ。
さすがチンピラとは違うね。
ナタやノコギリは、こういう心配がないように幅厚で刃のついていない部分がある。
包丁もそうだ。柄と刃の間に、幅が広くなる部分がある。
クナイは、このあたり明確な説明がない。
クナイって、絵では見るけど、説明を聞くことってないからな。
両刃の投擲武器だ、というだけでおきまりのクナイが頭の中にイメージされる。
でも、実際にクナイを使う俺は、もっと考えておく必要がある。
クラフトにはイメージが大切だからだ。
クナイは指を保護する仕組み、パーツがあいまいだ。
握った手を傷つけないように、持ち手側には刃がついていない……はずだ。
絵的には刃になっていてもおかしくない描かれ方をすることもある。
こんな武器をくるくる回しては、自分の手がいくつあってもたりない。
といっても鍔はクナイのパーツとしてありえない。
鍔付きにしたクナイは、何か違う刃物だ。
あの形は崩すことはできない。アイデンティティだからだ。
そして柄の部分。
これは金属そのままな場合が多い。
投げる場合はそれでもいいが、手に持って武器とするなら問題だ。
戦いで使えば、血で汚れることもある。汗で滑ることもある。
敵の血は結構すぐ塵となって消えるが、瞬時ではない。
戦いの最中に血で滑って武器を取り落としては危ない。
これを考慮しておかないと、使ったときに困ることになる。
金属そのままでは、衝撃ももろに伝わってしまう。
クナイで敵と強く打ち合う時点でそもそもダメだが、とっさの場合に受けることもあるだろう。
手がしびれたり、武器を弾き飛ばされたりしてはいけない。
何か工夫が必要だ。
例えば日本刀の柄のような工夫……。
革や糸を巻くのだ。
柄巻きというものだ。
柄革《つかがわ》や柄糸で柄を補強し、手に馴染むようにする。
クナイの場合は簡易的でいいはずだ。
あまり複雑な物は作れないし。
そして、柄の先端は輪になっている。
これもクナイのアイデンティティのひとつだな。
この部分が、棒手裏剣との違いとも言える。
色々な使い道がある。
忍具は、こういう使い方のバリエーションを考えるのが楽しい。
この部分に指をかけてクルクルと回すこともできる。
輪に紐を通して分銅や鉤縄代わりにしたりできるし、投擲した後に引き戻して回収したりする。
爆薬や毒薬などをここにはめ込んだり縛り付けて投げるのもいい。
「よし、作りたいイメージは固まったな。これでクナイを作ってしまおう! この場所は敵から見えにくいし、暗がりだ。宝箱の後ろに隠れていれば安全だろう」
もちろん【隠密】は常時発動している。
さて、作るクナイの具体的なイメージを想像する。
イメージがあいまいだと、作られる品もそれなりだ。
素材は鉄鉱石。魔石は潤沢にある。
布を敷いて、その上に並べる。
全長で30センチ。
持ち手が三分の一ほどを占める。
刃渡りは20センチほど。
刃の先端、切っ先が鋭くなっている。つまり、先端ほど厚みが薄い。
刺し貫く攻撃にうってつけだ。
左右対称の両刃で、どちらの手に持っても、逆手でも順手でも扱える。
中央が厚く、外側が薄い。
中央付近が分厚く盛り上がっている。
鋭角の四角錐と、鈍角の四角錐を二つ組み合わせたようなフォルムだ。
平面で考えれば引き延ばされた菱形のようになっている。
三角錐の鈍角側の部分を分厚くし、安全を確保する。
握るときに刃に近くなる部分だ。ここに刃を付けず、ツバに近い働きをさせるのだ。
これで安心。
今度は持ち手、グリップ部分だ。
柄巻きをして、手に馴染むようにする。
今ある素材は……素材を敷いている布くらいしかない。
これを加工するイメージ……。
布を糸に、糸をより合わせて……柄糸にする。
簡易的に編んだ糸をまいて、強く引き締める。
グリップ部分はこれでいいだろう。
柄の末端、柄頭は円形の輪になっている。
輪は柄よりも厚みがあるので、手からクナイがすっぽ抜けにくくなる。
輪の内径は、指を一本入れてゆとりがあるくらい。
大事なことだが、色は黒。艶消しの黒だ。
さあ、イメージは固まった!
理想のクナイのイメージをスキルへ伝える。
「忍具作成! たのむぞ!」
しっかりと発動した手ごたえ!
素材が光に包まれ、分解され、再構築される。
光が収まると、想像通りのクナイが完成した。
よし、成功だ!
会心の出来ばえ!
これは……この後じっくりと愛でるとしよう!
もしかしたら世界最高クラスに詳しいクナイの説明かもしれない……!?
あくまでも主人公の理想のクナイなので、他のバリエーションを否定するものではありません。




