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【四周年】社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
一章 ステイホームはダンジョンで!

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高く飛ぶために……! 【スキル検証】【跳躍】【軽業】

 四階層の攻略に向かう道すがら、新しいスキルを試していく。


 まずは【跳躍(ちょうやく)】だ。

 跳躍力を増加させるという、シンプルなスキルだ。

 ジャンプ力に補正がかかる。体感では二割増しという感じ。


 ステータスの敏捷がBになったときに感じたような、体の軽さだ。

 ちょっと視界が高すぎて、怖いくらいだ。


 高く跳ぶと、着地で足を(くじ)くんじゃないかという不安を覚える。

 だけど、その心配はない。


 着地の衝撃が、緩和されているのだ。


 衝撃が吸収されるように、ふわっと着地できる。

 副次的な効果として、着地音も小さくなる。

 【隠密】とのシナジーもちょっとあるな。


 落下ダメージの減少効果みたいなものもあるんだろう。


 これがないと、着地でケガする。

 親切じゃないか。


 【跳躍】君はなかなかできる奴だ!


 壁を走ったりして高所で戦う機会の多い俺にはうってつけのスキルだった。


 ためしに壁を登って自由落下してみても、着地の衝撃吸収は発動した。

 ただ、高く跳ぶだけの効果じゃなかった!



 つづいて【軽業(かるわざ)】だ。


 スキルから情報が、知識が流れ込んでくる。

 アクロバットや曲芸のような動作に補正がつくらしい。


 つまり、バク転とかバクちゅう……サーカスの曲芸師みたいな動きだな。


 ためしに後方宙返りをしてみる――


 ――成功!


「……ステータスの敏捷のおかげでスキルがなくてもできるけど……これはスムーズだな!」


 何度か試してみると、フォームが洗練されてくる。

 これまでも飛んで着地することはできていたけど、美しさが違う。


 指先や足先まですっと意識の通うような宙返りだ。軸のぶれもない。

 体操選手の競技みたいな、美しい動きができる。


 これはオリンピックの体操で金メダルが狙える……出場しないけど!



 細い綱を渡ったり、棒の先端に登ってバランスを取ったりもできそうだ。

 ジャグリングのような手わざにも一定の効果がある。

 手裏剣の手さばきも精密さを増している。


 バランス感覚にも補正があるようだ。

 【歩法】と同じように、自分の身体を制御するスキルなんだな。


 サーカスと例えたけど、この動きはまさに忍者だ。

 忍者には手品や曲芸の要素もあるからね。


 ……というか、忍者には無限の可能性があるからね。


 銃忍者も魔法忍者もなんでもありだ。

 俺なんて、野球忍者か壁忍者だからな。

 ……何か不本意だけど。


 相手の目を欺き、注意を引き、注意をそらす。

 狭いところも、高いところも、足場の悪いところもなんのその。


 まさに【軽業】は、忍者のためにあるようなスキルじゃないか!



 アクロバティックな動きと言えば【受け身】と少し似ている。


 前に転びそうになるところを【受け身】で回避したときの動き……あれは我ながら格好よかった。

 側転みたいな感じでクルっと態勢を立て直す。


 アクロバットの基本技のスクートのようでもある。

 手を前について、足を前方に投げ出す感じ。


 これは助走技なので、そこから次の技に繋げていく。

 とんだり跳ねたり回ったり……連続して行えば、これまでより素早く動くことができる。

 アクロバティックな動きは敵から動きを予測されにくくなる。回避にも活きる。


 こうした動きは攻撃にも転用できる。

 遠心力を利用してナタやバットを振るうのもいいし、蹴り技に繋げてもいいだろう。

 いずれは体術や格闘技も学んでいきたい。


 学びたいことややりたいことがどんどん増えていく。

 いきなり何でもできるようにはならない。


 高く飛ぶためには助走が必要だ。

 理想の忍者になるためには、歩いて、走って、跳んで……いずれは高く羽ばたくのだ。


 漫画の忍者は木から木に飛び移ったり、ビルを飛び越えたりもする。

 しかし、【跳躍】も【軽業】もそれほどチートな効果はない。


 だがこれで十分。チートなんて要らない。

 積み上げた技術、研鑽したスキルこそが武器なんだ。


 スキルは知識を与えてくれるし、動作を補助してくれる。

 それでも、自動的にできるわけではない。


 アクロバットや忍者の動画で調べたからこそ、その技を試すことができる。

 何度かの試行錯誤で、よりスムーズな動きができるようになる。

 練習は必要だ。


 それにたぶん、この手の練習はスキルによらず俺の経験になる。

 ステータスによる補佐なしでも、簡単な技は外でもできるようになるはずだ。

 それは……ワクワクすることじゃないか!



 修行なんて流行らないけど、これは趣味だ。

 急いでダンジョンを攻略する必要なんてない。


 できなかったことができるようになることが楽しい。

 進めなかった階層を越えて、その先へ向かうことが楽しいんだ。


 過程や方法など、どうでもよかろうと言う人もいる。


 でも、俺はそうは思わない。


 今すぐこのダンジョンの最下層へ楽に行けるとしても、俺は断るだろう。

 それはゴールじゃない。

 たどり着いたそこで、なんの感慨も得られないと思う。


 金儲けもそうだ。

 このダンジョンは金を生まない。

 むしろ、攻略のために外で買い物をしているから収支はマイナスだ。


 生活の足しになるわけでも、楽に暮らせるわけでもない。

 むしろ無駄な苦労をわざわざやっているだけにも思える。


 物事の価値はカネで決まるわけじゃない。

 現実世界では、結構な比率がカネで解決できる……それはそうだ。


 このダンジョンの品物は外に持ち出せない。

 ダンジョンで得たスキルやステータスすらも持ち出せない。


 だからと言って価値がないのか?

 違う。


 持ち出せるものもある。

 それは、俺の人生を変えるだけの価値を持っている。


 俺は、ここで得た「経験」と「知識」を持って外へ出る。


 仕事に追われて暮らしていた頃と違って、今の俺は自由に人生を謳歌している。

 真に生きていると、毎日この肌に感じている。


 これこそ、俺がダンジョンに潜る意味だ。

 これは、カネでは買えない。



 三階層の未踏破ルートを駆け抜ける。

 前回は左側を回ったので、今回は右側だ。


 壁を走り、宙がえりをし、着地の反動を前転して和らげる。

 回転の勢いを次の跳躍に繋げていく。


 アクロバットやパルクールの動画で勉強してきた技を次々にこなしていく。


 初めての技でも【軽業】のおかげで身体の動かし方が分かる。

 【跳躍】のおかげで高いジャンプができる。着地もスムーズだ。

 【歩法】で足さばきと体重移動も安定している。

 【壁走りの術】とのシナジーもあって、立体的な動きも滞りない!


 もちろん、ステータスの敏捷と【身体強化】系のスキルの効果も大きい。


「うおお、こりゃすげえ! 世界が変わったぞ!」


 壁を蹴って三角跳びからの前方宙返り。

 空中で棒手裏剣を投擲! 着地しながら回転して、遠心力を乗せたナタを打ち込む。


 回避の動きが素早く行えるので、飛んでくるコウモリをかわしながら攻撃することもたやすい。

 回避と移動、移動からの攻撃がテンポよくつながっていく。


 分身も交えながら、変幻自在の移動からの攻撃。

 敵は狙いをつけにくく、こちらは安全に忍び寄る。


 これは……ニンジャ力が高まってきた!



 あっという間に三階層の右手側を走破してしまった!


「よし、このまま四階層を攻略しよう!」


 勢いのままに、四階層への階段を駆け下りた。

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