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【四周年】社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
一章 ステイホームはダンジョンで!

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クローゼットダンジョン・第三階層。リベンジなるか……?

バトル回!

「久しぶりの三階層だ。今回も壁沿いに進むか」


 階段を出て左へ出る。ルートは前回と同じ。


 上を確認するが、天井に潜むコウモリは見つけられない。

 鍾乳石が視界を遮ってしまう。


 高い天井を【暗視】の白黒視界で探すのはなかなか目が疲れる。


「おっ、いたいた。ちょっと遠いから、ほっといても平気だな」


 進むルートから外れている。

 全部の敵を倒して進む必要はないから、無視して進む。


 前からゴブリンが二匹。

 周囲に遮蔽物はない。戻れば遮蔽物はあるけど、面倒だ。

 ここで倒してしまおう。


「分身の術っ! レベル3!」


 分身の術を発動し、ゴブリンの視界に入るように分身を走らせる。

 もちろん、俺が視界から外れる方向へ向けてだ。


 走らせると言っても、足を上げて、下げて……という細かい動きを指示しているわけじゃない。

 手取り足取り操作する必要はない。

 そういう操作の仕方もできるけど、本体と分身を同時に操作するのは難しいから、いまはざっくりとした指示で動かす。


 走ったり、踏み込んだりといった基本的な動きはできる。

 基本の動作の組み合わせで動いている感じ。


 分身は常にコントロールをしなくてもいい。ある程度は勝手に動く。

 分身が思考して動いているわけではない。

 事前に決めてある動きに従う感じ。



「アギっ!」

「ギギッ!」


 ゴブリンが分身を見つけて興奮した声を上げる。

 分身を追いかけて、こちらに背中を向ける。


 チョロいぜ!

 本体である俺は、ゴブリンの視界から外れて自由に動けるようになる。


 ナタを腰から抜いて忍び足で後を追う。

 スキだらけの背後から、ナタを振り下ろす。


「ァ……!」


 小さなうめきを上げて、ゴブリンが塵へ還る。

 生成された魔石を空中でつかみ取る。

 魔石の落ちる音も立てさせない。


 もう一匹のゴブリンは分身に気を取られてそれに気づかない。


 忍び寄り、背後からの一撃でこれも仕留める。


 魔石を回収し、周囲と上方を確認する。

 乱入してくる敵もいない。


 よし、ステルスキル成功!



 分身を操作して、壁沿いを走らせる。


 分身は【隠密】を発動できない。

 どのスキルも分身には乗せられない。

 ステータスもないので、生身の人間くらいの動きでただ走っているだけだ。

 足音も立てているし、目立っている。


 分身は目立っても構わない。

 分身が目を引いている分だけ、俺は闇に潜んで安全に進むことができる。



「キィッ!」


 先を行く分身がコウモリに発見される。

 一匹に見つかれば、その仲間も集まってくる。


 だが、それでいい。

 分身は見つかることが仕事だ。

 見つかって不利にはならない。むしろ有利になるのだ!


 コウモリに対しては【隠密】の効果が薄い。

 だから、移動しているときにはどうしたって見つかってしまう。


 隠れられないなら、見つかってしまえばいい!


 もちろん、見つかるのは先行させた分身だ。

 俺は分身の後ろにいる分だけ、敵の察知範囲内に入るのが遅れる。


 コウモリが分身に「先制攻撃」をかけている間に、俺はコウモリに「不意打ち」できるというワケ。



「キキッ!」


 分身をめがけて、コウモリ達が襲いかかる。

 棒立ちではやられてしまうので、すぐにランダムな回避行動を取らせる。


 「前へ走れ」とか「サイドステップ」のように、ざっくりとした回避行動を指示するだけ。

 頭で考えるだけで、分身に指示は伝わる。簡単だ。


 「ランダムな回避行動」といっても、敵の攻撃を見て動いているわけではない。

 前に走ったり、横に跳んだりという動作を繰り返しているだけ。


 コウモリの攻撃が分身に届きそうになれば、俺が移動方向や回避方向をコントロールしてやる。

 少し離れた位置で見ているから、避ける方向も誘導しやすい。

 反撃を考えずに大きくかわせばいい。


 ノーマークになっている俺は、その間にコウモリを攻撃する。


 つかみ出した三寸釘を、分身を狙っているコウモリへ投げ放つ。

 もちろん、分身に当てないコースで投げる。


 鋭く飛んだ三本の棒手裏剣が命中し、コウモリを地に落とす。

 落ちたコウモリにとどめの棒手裏剣を放つ。



 客観的に見れば、コウモリの攻撃パターンも見えてくる。

 コウモリは動きの大きい部分を狙ってくるようだ。


 分身の体よりも、たなびくマフラーを狙っている。

 大きく回避行動を取っている分身のマフラーは、ピロピロと大きく動いている。


 本体の俺もコウモリの探知範囲内に入っているはずだ。

 それでも、俺を狙ってくるコウモリは少ない。


 大きく回避行動を取っている分身に比べて、足を止めて手裏剣を打っているだけの俺は目立っていない。

 これは、動作の大きさによって優先度をつけているんじゃないかと思う。


 たまに俺にも向かってくるが、単発的な攻撃への対処はたやすい。

 攻撃に合わせてナタを振るい、叩き落す。


 おっ。分身のマフラーが壊れた!


 分身の装備品は脆い。

 一度の被弾で壊れて消えてしまう。


 マフラーが壊されても、分身は何のリアクションも取らない。

 せっせと回避行動を取っている。

 あたりまえだが、分身は驚いたりせずに指示されたことだけを淡々とこなしている。


 マフラーがなくなったので、こんどは分身の体へ向けての攻撃が増える。

 狙いが正確さを増してくる。


 分身が被弾して消える前に、俺は攻撃に重点を移す。

 分身に気を取られているコウモリへ手裏剣を投げまくる。


「キィィ……」


 命中!

 何匹かのコウモリを撃墜する。


 自分が回避しながら攻撃していた前回と比べて、攻撃のチャンスが格段に増えている。



 攻撃しながら分身の操作も同時に行うのだが、これはかなり難しい。


 例えるなら、右手と左手を別々に動かすような感じ。

 右手で円を描きながら、左手はグーチョキパーするみたいな。

 それよりも難しいけど。


 これはもっと練習すればうまく動かせるようになるだろう。



 避けきれなくなった分身が被弾して、塵と消える。


 残ったコウモリ達は、俺にターゲットを切り替える。

 しかし、コウモリはもう数匹だ。

 余裕で対処できる。


 前に踏み込むよりも横や後ろへ回避する。

 そうすることで、マフラーに対して釣られたコウモリを攻撃しやすくなる。


 俺がステップを踏めば、マフラーはひらひらと舞う。

 攻撃を見切って、すれ違いざまに一撃を加える。


「よっ! うりゃ!」



 マフラーをおとりに、コウモリをナタで切り裂く。

 チョウのように舞い、ハチのように刺す!


 俺の場合は()のように、だな。

 攻略のヒントをくれた蛾先輩には頭が上がらないぜ!


 回避して、攻撃する。

 これをくり返す。


 すべてのコウモリをノーダメージで危なげなく倒すことができた。


「よし! マフラーも分身もバッチリとハマった!」


 前回は苦労させられたが、今回は余裕だな!

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― 新着の感想 ―
[一言] 紙鉄砲でパーンとやればコウモリとかは気絶か怯むかはしそう
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