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【四周年】社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
四章 副業は公儀隠密で!

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ダンジョンに入る資格? 切り離しと認識阻害!?

 公儀隠密は忍者不足組織だけど、御庭は忍者集団にしたい。

 だから俺。忍術を使える忍者である。


 なら、ダンジョンで職業を得ればいい。

 そうすれば誰でも忍者になれる。


 俺はそう思っていた。

 でも違う。


 ダンジョンに入るには資格がいるらしい。



 御庭が言う。


「僕はダンジョン保持者(ほじしゃ)ではない。だからダンジョンに潜る資格がないんだ」

「え!? ダンジョンを持ってない……? 資格がない?」


 ダンジョンを持ってないって……それは、いいのか?


 ダンジョンのこと、スキルのことを知られてはいけない。

 俺が禁則事項を破ったことに――ならないな。

 御庭たちはもともと知っているんだ。


 俺が知らせたわけじゃないから問題なし。



 御庭は席を立って、冷蔵庫の前へ立つ。

 冷凍庫を開けて、手を突っ込んだ。


「ダンジョンには波長の合った人間しか入れないんだ。この通りね」


 俺にはそこに、黒い水面が見えている。

 御庭の手は、その中につき込まれている。だが、変化はない。

 ダンジョンの中に引き込まれず、平然としている。


「ね? というわけで、僕はダンジョンで忍者になれない。残念ながら。君がうらやましいよ」


 御庭が肩をすくめる。


 忍者の末裔でありながら、忍術を使えない御庭。

 そのうえダンジョンで忍者になることもできない。

 うまくいかないね。


「誰でもダンジョンに入れると思っていました……」

「ダンジョンはこの世界のものではない。だから波長の合う人間しか入れないんだ。君はその適性があったんだね」

「波長……? 俺はなにか特別ってことですか?」


 俺は普通の人間だ。

 そう思っている。

 特殊な家柄も、変わった能力もない。

 選ばれた人間だとか、特別な才能なんてものがあるとは思わなかった。


「特別と言えば、特別だね。だけど、ダンジョンと波長の合う人間は結構な数いるんだ。隠されているだけでね」

「数が多い……?」

「ダンジョン保持者は人に知られないようにするから、見つからないんだ」

「ああ……俺もそうでした。知られないようにしてましたね」


 俺はダンジョンのことを誰にも話せない……知られちゃいけないと思った。


 俺もリンもトウコもダンジョン保持者だ。

 ストーカーもダンジョン保持者だ。

 こう考えれば、ダンジョン保持者は多い。


 明確にダンジョン保持者でないのはシモダさんくらいか。

 それ以外の人は、どっちだかわからない。

 確かめるわけにもいかない。


「正解だね。もし知られると、消されてしまう。だから数は多いけど、知られない」

「なるほど……」


 ストーカーの件だ。

 彼は禁則事項に触れてこの世界から追放された。


 このとき一般人のシモダさんはダンジョンやスキルの情報を知らされた。信じた。

 だが、その記憶は消された。



 俺は深刻な顔で頷く。

 御庭は俺の顔を覗き込んで言う。


「思い当たるふしがあるみたいだね?」

「……あります。目の前で、スキルを使った人が消えるのを見ました。そして、目撃した人は記憶が消されていた……」


「それが、切り離し(パージ)認識阻害(ブロック)だ。――世界による隠蔽(いんぺい)だ。この世界を守ろうとする力が働いている」

「切り離しですか。俺は追放って呼んでました」

「追放……うん。同じものだと思う」


 ()()と言っていたのはストーカーだ。

 彼にはシステムメッセージ、天の声が聞こえているようだった。


 御庭の言っている用語である「切り離し」よりも「追放」のほうが正しいかもしれない。

 追放された当の本人が言っていたんだからな。


 繋がってきたぞ……。


「ちょっと疑問なんですが、どうして御庭さんたちは認識阻害されていないんですか?」

「それは僕らが異能者だからだね。普通とは違う」


 異能者だから……?


 俺はスキルを使える。忍術を使える。

 つまり、普通とは(こと)なる能力を持っている。

 これを異能と呼ぶんだと思っていた。


 なにかズレがあるな。


「そもそも異能者って……なんです?」

異能力(いのうりょく)を使う人が、異能者だ」

「じゃあ異能力って、なんですか?」


 言葉の意味はなんとなくわかる。

 普通じゃない力。超常(ちょうじょう)の力。ファンタジーな力だ。


 だけど、俺と御庭の認識にズレがあっては困る。


「この世界にもともとある特殊な力のことを言う。超能力とか霊能力みたいなものと言えばわかるかな?」

「なんとなくは」


 俺は冷静を装って頷く。

 しかし内心では、かなり驚いている。


 ええっ!? もともとあるのか超能力!

 霊能力もあるのぉ!?

 なんでもありかよ、現代日本!


「異能者とスキル保持者は別物なんだ。つまり僕と君とは系統が違う。君の能力はダンジョン由来のもの。ダンジョンのスキルの力だ。それはこの世界にもともとない能力なんだよ。この世界からみれば異物であり、イレギュラーな力だ」

「ダンジョンは異物(イレギュラー)、ですか……」


 異能力はこの世界にもともとある。

 そして、ダンジョンはそうではない。


 在来種と外来種みたいなものか。

 ……え? 俺、外来種なの!?

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