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【四周年】社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
三章 冷蔵庫は無理ゲーで!

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死に戻り二周目! 最速攻略を目指そう!

 エントランスホールにゾンビが現れる。

 最初と同じだ。


 攻略は振り出しに戻った。

 俺にとっては二回目の冷蔵庫ダンジョンの攻略がはじまる。

 トウコにとっては何度目になるんだろう……。


 だが、前回とは違う。

 俺はここのルールをいくらか学んだ。

 トウコのやる気も持ち直した。


 俺の手にはキッチンで手に入れた包丁がある。

 武器があるのは大きな違いだ。


「今回の作戦はどうするっスか?」


 トウコが銃を出しながら言う。


 さて、どうしようか。


「そうだな……。今回は俺がメインで戦う。トウコはまず弾丸を稼げ。銃弾を使わずに撃破するんだ」

「リョーカイっス!」


 俺は敵を瀕死まで削る。

 撃破はトウコの役割だ。


 通路からゾンビがでてくる。

 一体だ。たしかこのあと、さらに二体来る。


「こいつらは俺にまかせておけ。トドメ用に花台を持て」

「りょ!」


 俺は包丁を手に、ゾンビへと向かう。

 ゾンビはよたよたとエントランスを向かってくる。

 その歩みは遅い。


 (いち)ウェーブのウォーカーはこんなもの。

 養分だ。経験値や弾丸に見えるぜ!


 ずっとこうならいいんだけどな。


「ウ……アア……」

「おらっ」


 俺はすれ違うようにゾンビの首を切り裂く。

 倒さないように切るのは、逆に難しいな。


 前のめりに倒れるゾンビを残して、さらにエントランスを進む。


 通路から出てきたゾンビの腕をつかみ、エントランスの中央へスイングする。

 よたよたと数歩歩いて、ゾンビが倒れる。


 次のゾンビが俺に腕を伸ばす。

 その腕をナイフで切りつける。

 ひじのあたりを深く切り裂き、手がぶらりとたれさがる。


 そのまま後ろに回り、背中を蹴りつける。

 吹き飛んだゾンビが、さっきスイングしたゾンビの上に重なる。


「手際いいっスねー! ていっ!」


 トウコが花台を振り下ろし、トドメを刺していく。

 これで弾丸は九発。一発も撃たなかったので大幅増だ!


「次は二階で靴と服をゲットするぞ!」

「リョーカイっス! 前回と同じルートっスね!」


 俺は階段を駆け上がる。

 二階からゾンビが来るはずだ。

 こいつは勝手に階段を落ちるはずだが、待っている暇はない。


 どんどん倒して、物資と経験を得る。


 二階をふらふらと歩いているゾンビの背後に忍び寄る。

 蹴りが膝を砕く。

 俺はそのまま先へ進む。トウコがトドメを刺す。



 ドアを抜け、廊下へ。

 廊下に敵はいない。


「ランナーが出ないな?」

「二ウェーブから出るから、まだっスね」


 前回は二階からランナーが現れたが、今はいない。

 まだ(いち)ウェーブだ。


 前回は情報収集のための会話で時間を食っていた。

 今回は最速で鏡部屋、衣裳部屋までいく。


「よし、ここにも敵はいない」

「後ろもクリアっス」


 俺は前回と同じ装備に着替える。

 手早く、ブーツを上着を身に着ける。


 トウコは衣装を前に、迷う様子を見せている。


「うーん。今度はこっちの赤がいいっスかねえ」

「はよせい」


 急かすとトウコも前回と同じ装備に身を包んだ。


「店長、オシャレタイムもとってほしいっス!」

「んな時間あるか!」


 いかに早く装備を整えるかが攻略の成否を分ける。


「前回は店長の質問攻めが長かったんじゃないっスか」

「たしかにそうだが、必要なことだ!」


 前回は、俺が初挑戦だった。

 今回はおしゃべりは少なく済む。


 前回の四ウェーブは、かなりギリギリだった。

 次は余裕で越えるようにしたい。

 そうでなければその先、五ウェーブが突破できない。


「そういえば店長のレベルって今いくつっスか? あたしは2レベル上がって1下がったんで、今5っス!」

「え? お前レベル5!? 低すぎない? そんなレベルでこの激戦を戦ってんのか!?」


 トウコのレベルは想定よりもずっと低い。

 なんとなく俺と同等だと思っていた。

 銃の扱いは熟練して見えるし、戦闘で(おく)することもない。


「えっ? 低すぎるっスかね? 死ぬと下がるからなかなか上がらないんスよねー。調子いいときでも8までしか上がったことないっス!」


 前回はレベル4から始まって、寝室の四ウェーブではレベル5だったんだろう。

 その後、もう一つレベルを上げてから死んだ。


 かなり、デスペナルティの蓄積が進んでいるな。

 低レベルだとレベルは上がりやすい。

 ということは、死んだ場合の下げ幅も大きくなるのか……?


 逆にレベルが高ければ、レベルアップに必要な経験値は高くなる。

 死んだ場合のレベル低下も小さくなる、のか?


 デスペナルティで失う経験値……レベルの低下はどの程度なんだろう。

 死んで蘇るとき、なにかを失う実感があった。

 あれが、デスペナルティだろう。


 ただゲーム的な経験値を失うだけではない。

 あれはもっと、嫌なものだ。


 自分の一部をもぎ取られるような感覚。

 なんとも言えない感覚だ。歯が抜けたような喪失感とでもいうか。

 自分がすり減るような、心がささくれ立つような感じがする。


「ちなみに俺のレベルは13だった。今は……。あれ? 死んだけど下がってない?」


 ステータスウィンドウで確認する。

 ダンジョンに入ってすぐ確認すべきだったな。

 レベルが下がるという経験がないので、クセがついていない。


 今のレベルは13だ。未使用のスキルポイントも6ある。

 これは今日の朝練後と同じだ。


 ……朝の出来事が遠く感じられるな。


「13! さすがっスね! 朝からダンジョンに潜る変態(ヘンタイ)なだけあるっス! レベルが下がってないなら、たぶん死ぬ前にレベル上がってたんスよ」

「ヘンタイじゃねーわ! そうか。レベルが上がって下がったのか……。まあ、悪くないな」


 俺はヘンタイではない。


 ――この誤解は、解かずにおこう。


 トウコは俺を頼りにしている。

 ()()()()()()()熟練のダンジョン探索者だと思っている。

 それでいい。そう思ってくれていい。


 トウコは俺のダンジョンも同様のルールか、似たものだと勘違いしている。

 俺のダンジョンは、こんなにハードではない。


 俺は死んだりケガをしないように、安全第一をモットーとする攻略をしてきた。


 俺は、朝からダンジョンに入って()()()()()()()()()()()ではない。


 死をいとわずにダンジョンに潜る迷宮ジャンキーではないのだ。

 まさか俺が死亡処女(バージン)だったとは思うまい。


 これでいい。勘違いのままでいい。

 トウコが俺を頼りにしてくれなくては困る。

 諦めさせてはいけないのだ。


 死んで衝撃を受けた姿……吐きそうになったり逃げようとした姿は、見せていない。

 弱気は見せない。

 強がって、突っ張って、頼りがいのある俺を演じる。


「よし、次は寝室へ行くぞ!」

「リョーカイっス!」

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[気になる点] トウコが俺を頼りにしてくれなくは困る なくては
[気になる点] 俺は二階を駆け上がる 二階へ?二階に?
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