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【四周年】社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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燃える行動と、燃えない盾!

 リンが驚いた顔で一匹目の火トカゲを指差す。


「あっ!」

「む……!」


 瀕死の火トカゲが這うように岩陰へ隠れようとしている。

 俺が術を防御に割り振ったため、拘束が緩んだのだ。


 リンの手の先で火球が大きくなっていく。


「逃げちゃダメですよー!

 ファイアボールッ!」

「フギーッ!」


 燃え上がった火トカゲが身もだえする。

 耐火性の高い皮を持つとはいえ、既に腹が裂けている。

 それに、圧倒的火力の前にはちょっとした耐火性では耐えられない。


 しばらくして、火トカゲは塵になって崩れ去った。


「倒しましたー」

「おつかれ、リン!」


 トウコが首を左右に向け、岩陰を探る。


「もうトカゲは居ないっスよね!?」

「近くに敵さんはいないみたい――」


 リンがそう言いかけたところで、俺たちの頭上で物音が聞こえた。

 岩棚の上から届いたのは、おなじみの耳障りな声だ。


 俺たちの遥か頭上。

 最上段の広い足場から、数匹の赤ゴブリンが姿を現した。


「……上だ!

 ゴブリンがいるぞ!」


 ゴブリンたちは何かを振りかぶっている。

 投げ槍だ!


「アギッ!」

「アギャッ!」


 風を切る音。

 薄暗い中で投擲物を目で追うのは難しい。

 だが、見えなくてもわかる!


「何か投げたぞ!

 身を守れ!」


 俺は身をかがめ、岩陰に隠れる。

 リンは盾を上向きに構えた。

 トウコは岩から少し離れた位置にいる。


 数本の槍が、放物線を描いて俺たちへと降り注ぐ。


 トウコが岩陰に向かって走る。

 そのうちの一本が、トウコの頭上へと迫る。


 近くに投げ槍が落ちてくる!


「ヤバっ!?」


 気づいたトウコが顔を引きつらせ、前方へ身を投げ出す。

 槍の直撃は免れた。

 だが、まだ熱水晶の爆風範囲にいる!


「トウコちゃん!」


 さっと、リンがトウコと槍の間に割り込む。

 それと同時に槍が床に突き立った!


 爆発!


 風が吹き荒れる。

 目に熱風が入り、思わず俺は顔を覆う。


 風が収まった。

 くそ……どうなった!?


 涙のにじむ目で、必死に二人の姿を探す。


「トウコ、リン!

 無事か!?」


 ぼやけた視界の中、リンの声が聞こえる。


「――大丈夫です!

 うまくいきました!

 今回は燃えないように防げましたっ!」


 意識して【防火】を使ったのだろう。


 リンの盾が煙をあげている。

 だが盾も体も燃え上がってはいない。

 うまく防いだのだ。


 ついで、元気なトウコの声。


「リン姉、あざっス!

 ひやー、危なかったっス!」


 かばわれたトウコも無傷!


「見事だ、リン!

 無事でよかったな、トウコ!」


 リンの成長に感心し、トウコの無事に安堵する。

 そうしながら、俺は即座に次の手を打つ。


「――【濃霧】!」


 俺たちの周囲に濃い霧を発生させる。

 頭上のゴブリンたちの視界を遮り、安全を確保。


 さらに、俺たちがいる岩棚から少し離れた、別の突き出た岩の上へ【分身の術】を発動!

 ここは上からよく見える、目立つ場所だ。


 分身は手を叩き、大きな身振りでゴブリンたちを挑発する。


「ゲヒャッ!」

「アギッ!」


 ゴブリンたちは目立つ分身に向けて、次々と投げ槍や手榴弾を投げ始めた。

 爆発音が響く。


「今だ、一気に行くぞ!」

「はーい!」

「りょっ!」


 敵の攻撃が分身に集中している、そのわずかな隙。

 俺たちは霧に紛れながら、ゴブリンたちのいる最上段へと一気に駆け上がる!


「……アギッ!?」


 俺たちがすぐそこまで迫っていることに、ゴブリンの一匹がようやく気づく。

 だが、もう遅い。


「くらえっ――【水刃】!」

「チャージショット!」

「ファイアラーンス!」


 俺の腕から放たれた矢の【水刃】が一体を貫き、トウコの散弾が二体を蜂の巣にし、リンの炎の槍が別のゴブリンを貫いて炎上させる。

 ゴブリンたちが反撃に出る前に、さらに刀による追撃を加える。


「……ふぅ。掃討完了だな」

漁夫(ぎょふ)は許さないっス!」


 あっという間に静寂が戻った岩棚で、俺はリンの肩を叩いた。


「リン、さっきの盾は見事だったぞ。

 もう完璧にマスターしたんじゃないか?」

「えへへ……ゼンジさんのおかげです!」


 はにかむリンの頭を、俺はポンと軽く叩いて笑顔を返した。

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