世界のルールと見えざる手!?
活動報告にも書きましたが、タイトルの順番を逆にしました。
旧:ステイホームはダンジョンで! ~ダンジョンのある新しい生活~
新:ダンジョンのある新しい生活! ~ステイホームはダンジョンで!~
ステイホームって、そろそろ死語に……。
「ヤバい、ですか? ……たしかに、記憶を消されるのは、怖いですね」
「怖いというか……それを誰がやってるかってことがヤバイんです……!」
記憶を消されたり、黒いナニカに追放されるのは、まあ困る。
いやだし、怖い。
だけど、なぜそれが起こるかが問題だ。
どうしてそうなるのか。
誰がやっているのか。
どんな強力な存在なら、そんなことができるのか……!?
「誰が……? あっ! たしかにそうですね。あの時、他に誰もいなかったのに……!」
「その場に居なくても、監視できる。心の内までも読み取れるってことになる」
「……そんなことができるのは――神様?」
オトナシさんのシンプルな答え。
――神。
すごく、納得できてしまう。
なんでもできるくらいに強く、世界中のどこでも目が届く。
そういう存在のしわざなのかもしれない。
あるいは、世界そのもの。
ちょっと、スケールが大きすぎる。
俺がどうにかできる問題とは思えない。
いや、どうにかする必要はないのか?
ただ、規則を破らずに暮らしていれば問題はない。
その規則、破ってはいけないルールが知らされていないことが問題なんだが……。
「神様……か。もし居るとして……なんでそんなことをするんだ?」
なぜ、ダンジョンやスキルのことを知られたくないんだ?
「えっと……ダンジョンのことが嫌いなんじゃないかなあ?」
嫌いだから消す。嫌いだから追放する。
わかるような気はする。
でも、なんでだ?
「うーん。なんで嫌いなんだろう?」
「なんでって……自分とは違うからじゃないかなあ?」
神が治めるこの世界。
スキルやダンジョンを嫌うこの世界。
自分の世界とは違う存在である、スキルを嫌っている?
「ダンジョンやスキルは、この世界にはない? 違ったもの……異物なのか?」
「あー。だから外では魔法が使えないのかなあ? 魔法のことも嫌いなのかな?」
でも、この世界にもスキルはある。
知られていないが、あるはずだ。
「でも、ストーカーはスキルを使えていた。この世界でもスキルは使える。スキルは、ちゃんとあるんだ。――たぶん、俺もさっき忍術を使ったと思う」
「うーん。嫌いなのに……なんで使えちゃうんだろう?」
あのときの【分身の術】は不完全で、いつもとは違った感じだった。
まるで、邪魔されているみたいな。
押さえつけられているみたいな……。
「そのナニカにとっては、スキルは存在するけど、使わせたくないもの……なのか」
「なんでダメなんでしょう? 便利なのになぁ」
この世界で魔法が使えたら……。忍術が使えたらどうなる?
俺だけじゃない。オトナシさんだけじゃない。
ストーカーも……その他にも何人ものスキル保持者が居るはずだ。
皆がこの世界で自由に力を使えたら……。
世界はどうなる?
全く違ったものになってしまう。
前に考えた、ダンジョンから薬草やポーションを持ち出したら起こる問題と同じだ。
戦争になる。奪い合いになる。力の強いものが、より強い力を求める。
そんな世界になってしまうだろう。
力を持っていても、使わない。悪事を働かない。
そういう人もいるだろう。
善人は力をつけない。レベルが上がらない。スキルを育てられない。
……そうなったら、悪人が世界を支配する。
少なくとも、今ある秩序は失われてしまう。
善か悪かが問題なのではないかもしれない。
そういう変革を望まないんだ。
禁則事項によって異物を排除する。
この仕組みによって、世界の調和は保たれる。
神がそう望むのか……。それはわからないが……。
「そう、スキルは便利すぎる。強すぎる。世界のバランスを崩してしまう」
「だから、禁止する? だから隠そうとするのかなあ?」
「そうかもしれない……。これは、うかつに外でダンジョンの話はできないぞ」
「……怖いですね。それに、あのドロドロにつかまったら、どこに行くんでしょうね?」
ルールを破ったものは追放されてしまう。
その行先は?
ストーカーがどこへ行ってしまったのか……それは、わからない。
知る方法もない。自分がそこへ行く気もない。
「さあ……。世界から追放されるようなことをストーカーは言ってましたね。言葉通りに受け取るなら、この世界。……いつも俺たちが暮らしてる世界ではない場所なんでしょうね」
この世界――。
現実世界というのか……地球世界というのか?
この世界はいろいろあっても平和だと言える。
すくなくとも、俺たちは平和に暮らしている。
追放された先がここよりいい場所とは限らないんだ。
地獄みたいな世界だったら、目も当てられない。
そこから戻れるあてもないんだ。
ぞっとする話だ。
「この世界ではないというと、えーと、異世界でしょうか?」
「うーん、そうかもしれませんね。あるいは、ダンジョン?」
オトナシさんがなるほどという感じで手を叩いてうなずく。
「あ、ダンジョンも異空間ですもんね! 外部とは異なる法則が適用される、とかなんとか」
――異空間? 異なる法則?
ダンジョンは異空間……なのか?
妙に具体的な言い方だな。
オトナシさんは、なにか俺の知らない情報を持ってるんだろうか。
「オトナシさん、ちょっと待って! 今の話ってどこから? 何かのゲームの設定とか?」
「えっ? チュートリアルでシステムさんが説明してくれましたよね? ダンジョンには敵がいて、異空間だって」
「んん!? チュートリアル? そんなのあったんですか。初耳です!」
チュートリアルシステム?
何それ!?
そんなものがあるのか?
俺の時には出てこなかったし、選べなかったはずだ。
これも何か条件があるんだろうか。
「あれっ? ダンジョンに入るとみんなに出てくるんじゃないのかな。――どう? ……あ、そうなの?」
答えながらオトナシさんが、視線を外す。
何もない空中を見つめて、頷いたり会話をしている……ように見える。
コワいコワい!
急にどうしたっ!?
――電波な人みたいで、ちょっと不気味な絵面になってるんですけど!
イマジナリーフレンド……空想上の友達だろうか?
いや、実際に目に見えない何かと会話している……?
魔法少女――魔法女子大生だけに、マスコットでも居るのか!?
どれだけ新要素満載なんだよ、オトナシさん!
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