38話 行列のできる残念だった店
俺達が六人掛けのテーブルに着くと、おっさんが小袋を差し出して来た。
「こちらが、お借りしていたものです」
「ああ、確かに受け取ったよ」
中には金貨20枚が入っていた。
そして、テーブルに麻婆豆腐や酒が運ばれてくる。
「これはサービスです。好きなだけ召し上がりください!」
「ありがとう、いただくよ」
俺達は麻婆豆腐を口に含んだ。
「「「「「「んんっ!」」」」」」
すると、前回よりも遥かに味が良くなっている!
この味なら行列が出来るのも頷ける。
どうやらおっさんはこの短期間に腕を上げたようだ。
俺達は嬉々として麻婆豆腐を頬張り、酒を流し込む。
程なくして、いつもの光景がテーブルに広がることとなる……
「オレはやっぱりダメな奴だああああっ!! うわああん……」
最初に潰れたのはオルガだった。
「トール様の進化の時、オレは何一つ役に立たなかった……オレなんて……オレなんて、居ない方が良いんだ……」
「そんなことないわよ。あんたの周りが非常識過ぎるだけで、あんたも十分非常識よ。そんなに落ち込む事は無いわ……」
「いや、オレは生きている価値すらない。いっそ消えてしまえばいいんだああああ……」
ダメだこりゃ。
どうやらオルガは、俺の進化時の暴走について何も出来なかったことを余程気にしているようだ。
元々マイナス思考なオルガだが、今回の件で早まった行動をしないか少し心配だ。
「まぁまぁ、たまにはそんな事もあるのである。オルガにしか出来ないことがきっと巡って来るのである。その時に頑張れば何も問題無いのである!」
ドラムがオルガの肩を叩き励ましている。
よし、オルガのことはドラムに任せよう。
そして、やはりアイツも潰れてしまう。
「ねぇダルスぅ〜。アンタいつ『空間断裂』なんて使えるようになったのよ〜。あの火の球を消した時、驚いたんだわさぁ〜。そんなに強くなって、悪い虫が付いたらどうするんだわさぁ〜……女が……アタシの……」
ダルスはいつも通りフォンに絡まれ始めた。
虚ろな目で何やらぶつぶつと独り言を発し、そしてフォンは勢いよく立ち上がると。
「そうだわさ! 悪い虫はアタシが“ブッ”飛ばしてやるんだわさっ!!」
自問自答の末、ダルスに抱きつく。
「暑苦しいっす! あと、口から飛んでるっす!……」
ダルスは苦笑しながらフォンを引き離そうとする。
だが、フォンの怪力には勝てず、ダルスはズブズブとフォンに飲まれていった……
そんなカオスな状況の中で、メルダが溜息を吐く。
「はぁ……ねぇトール。あんたに頼みがあるんだけど……」
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