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剣と少年  作者: 敦
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第59話 殲滅

 海賊船の上、俺とカイナが暴れている。

 カイナは、レイラをいつもの槍の状態で軽やかに振り回したり、突きを繰り出したりして盛大に敵を倒している。

 一方、俺の方もレーヴェをこれまたいつもの大剣の状態で、体を回転させながら周囲にいる敵を薙ぎ払った。

「くそっ、なんだ、こいつら、つえぇ」

 歴戦の海賊たちもおびえている。

「ふんぬ」

 そんな言葉とともに思いっきりレーヴェを振りぬいた。

「うぎゃぁぁあ」

 すると、その線上にいた複数人の海賊が一斉に吹き飛んでいった。

「くそぅ、距離をとれ」

 そうやって指示を出している男が1人メインマストの陰に見えたが、今は、放置しつつさらにレーヴェを横なぎに振りぬいた。

 ちなみに、俺は先ほどから降りぬくことしかしていない、その理由は、下手に振り下ろせば船ごと切り裂いてしまうからだった。

「無駄だ。アイスアロー」

 距離を取り始めた海賊どもにアイスアローをぶつけてやった。

「クソッ、魔法か」

「くそがぁ」

 海賊の一人がやけになって俺に突っ込んできた。しかし、俺はそれをよけざまに切り捨てた。

「どうした、もう、終わりか」

 挑発してみた。

「ふざけやがってぇ」

「待て、突っ込むんじゃねぇ」

 するとそこにやはり先ほどから、指示を出している奴がそれを制してしまった。

「やるか」

 俺はそうつぶやいてから、思いっきりレーヴェを振りかぶった。

「うぉぉうりゃぁ」

 そして、雄たけびを上げつつ、レーヴェを振りぬいた。

『レーヴェ』

『任せて』

 その際俺は念話でレーヴェに呼び掛けた。それだけで、レーヴェはわかったようで、素早く刃の形状をより鋭利へと変化させた。

 そのおかげで、メインマストごとその男を切り捨てていた。

 もちろん、その勢いは激しいものだったようで、男は真っ二つになるどころか爆散していた。

「うぉっと、ウィンドカッター」

 俺はそんな男のことなど忘れたかのように、すかさず上方に向かってウィンドカッターを放った。

 それにより、メインマストと、ほかの前後にあるマストをつなぐロープを切断、そうしないと、メインマストの重さで、ほかのマストまで巻き込み船が転覆する恐れがあるからだ。

 そして、もう一つ

「フロート」

 この船に乗り込む際にも使用した、ものを浮かせる魔法をメインマストにかけて、船外に運びそれを解除、そうすることで、その場で倒れそうになっていたメインマストの被害を一切なくした。

「うし、そりゃぁ」

 それを見届けるまでもなく俺は次の敵を打倒していった。

 こうして、カイナと2人甲板に現れた海賊を次々に葬っていった。


「……お前ら、強すぎだろ」

「ありえないだろ」

「ほんと非常識だねぇ」

 ここでようやく合流した冒険者たちとナーヤの痛烈な一言だ。

「悪かったな。それより、まだ、終わっていないぞ」

 俺はそういうと、まだどこからか沸いてくる海賊を倒していった。

「わかっているけど、俺たちのやることがねぇよ」

 と言いながらも数人の雑魚海賊を倒している。

「まぁ、だいぶ減ったし、後は船内だね。カイナ、先頭を頼める」

「了解」

 ナーヤのその言葉を聞いてカイナが1人倒しながら返事をしてナーヤと合流した。

 それからは、甲板は男たちの楽園がごとく、敵も味方もどこを見ても男ばかりとなった。

「さっさと、片付けるぞ」

 サイトスのその声とともに、俺たちは残りの海賊を殲滅していった。



一方、そのころカイナは、女性冒険者5名と船内に入っていた。

「はぁ」

「ぐわぁ」

 カイナは先頭で突き進み現れた海賊たちを、次々に聖剣のころとは、違う形の片手剣に変えたレイラでもって切り捨てていった。

「カイナちゃんって、剣も使えたんだね」

「私は、武器全般がつかえるから、やぁ」

「武器全般って、すごっ、さすがは、悪魔族を討伐しただけあるよね」

「まぁ、あの時はノーランに助けられたけどね」

 これもまたカイナの本音だ。実際ノーランがあの場にいなければ、あの時カイナはあの悪魔族に倒されていただろう。

「たぁ」

「ぐはぁ」

「あたしも負けてられないねぇ」

 そんなカイナに負けじとナーヤも次々に海賊を倒していった。

「まだまだぁ」

「そらぁ」

 そんな2人に当てられたほかの女性冒険者たちも必死になって後方から来る海賊を倒している。


 そんな感じで突き進んでいくと、船底あたりにたどり着いた。

「はっ、役に立たねぇ、連中だぜ。まさか、ここまで乗り込んでくるとはな」

「お前は、船長のヒュリップね」

 ここでナーヤがいつもより緊張した声で尋ねた。

「ああ、よくわかったな」

 そう、今カイナたちの目の前にいる男こそこの海賊ヒュリップスの船長にして、最悪の海賊ヒュリップだった。

「なるほど、つまり、あなたを倒せばいいわけね」

「おいおい、ずいぶんと威勢がいいじゃないか。俺にかなうと思っているのか、あぁ」

 ヒュリップはカイナにいやらしい笑みを浮かべながら、バカにしたようにそういった。

『あらあら、相手のとの力量の差が見えないっていうのは、身を滅ぼすわね』

『レイラ、どう』

『そうね。あらあら、あの人、戦斧スキルが5みたいよ』

 だからこその自信であった。

『なるほどね。私と同じか。でも、私にはレイラがいるものね。レイラ、あれを試してみる絶好の機会じゃない』

『あらあら、うふふ、そうね、そのとおりね』

 カイナはレイラと自身の力をフルに使えるとあって、喜んでいる。そんな頼もしいカイナにレイラも嬉しそうだ。

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