第55話 アルバーの子孫と転生者2
「まぁ、今はそれを置いておいて続きを話すぞ」
俺は続きを話すことにした。
「っで、そのカルムは手記を残していて、それを見たことでデリタルダンジョンの墓を作ったのがカルムであることが分かったんだけど、じゃぁ、なぜカルムがその墓を作ったのかということだろう」
「ええ、確かに、それは気になります」
「手記にはなんと書かれていたんですか」
ノイスとクインもそれは気になったようだ。
「理由はな、カルムには前世の記憶があったからだ。それにより、カルムはエレナこそ自信の前世であると確信した。だから、自分の前世の墓を作ったってわけだ」
「前世? ですか。……あれ、ですが、カルムというのは確か男性、エレナは女性ですよね」
前世の記憶を持つことは珍しいが、いないわけではないためにここは疑ってこないようだ。
「ああ、そのことだけど、カルムは、本当はカルミナという女性だったんだよ」
「えっ、女性ですか……ああ、そっか」
ノイスはわかったようだ。さすがは商人といったところだろう。
「そうだ、200年前当時、女性冒険者にとっての暗黒の時代だ」
「なるほど、そういうことでしたか、それにしても、すごい偶然ですね」
「そうだろ、でもな、その偶然はまだ終わっていない」
「どういうことですか」
「これは、俺も驚いたんだが、実はここにいるカイナは、そのカルムとエレナの転生者なんだよ」
「えっ」
「うそっ」
そういって2人してカイナを見つめた。
「私も驚いたわ。まさか憧れてた人が自分の前世だったなんてね」
カイナもそういった。
「ですが、なぜそれが分かったのですか」
「それはな……」
俺はそこでカルムの槍について説明した。
「……そのようなことが、ですが、僕も商人として数多くの情報は得ています。その中に確かに、そのような現象は確認されていると聞いたことがあります」
さすがは商人よく知っているようだ。
「まぁ、それで、エレナはカイナにとっても前世ということで」
「せっかくだからお墓参りに行ったのよ」
俺の言葉にカイナが重ねた。
「そうでしたか、ですが、それと、アルバ―がどのような関係が」
ノイスの指摘が入った。
「それがあるんだ。俺たちがデリタルダンジョンついて……」
俺はそこで、台座にレーヴェを刺してからのことを話した。もちろんまだこの時はレーヴェの話はしていない。
「記憶ですか。それで、カイナさんの前世であるエレナさんの最期を見られたんですね」
「ええ、さすがにその犯人には驚いたけどね」
「その犯人とは、誰だったんですか」
クインはそれが気になったようだ。
「その犯人はエレナにガイと呼ばれていた。エレナの弟子だったんだ」
「お弟子さん、ですか」
「そう、でもそれは偽名で、本名はガイナルという」
「ガイナルですか、それは一体どんな……えっ、ガイナルって、まさか!」
ノイスも思い至ったようで驚愕している。
「そうだ、今現在勇者王として知られているガイナル・ダート・ダ・ナンバルだよ」
「そんな、まさか、それは本当なのですか」
「ああ、これは間違いない。それで、それを見た後、俺たちの前にある方が現れた」
「ある方、ですか」
「ああ、俺たち人族の母、レイフ様がな」
「!!!!!!」
「!!!!」
ノイスとクインも盛大に驚いた。
「な、なな、なぜ、レイフ様が……」
ここまでくるとさすがに俺たちを疑うことこはしていない。なぜなら俺たちがレイフ様の名を出したからだ。
「それは、カイナの前世、エレナと俺の前世に関係があるからなんだ」
「エレナさんと、ノーランさんの前世ですか、それは一体」
「さっき話した、ガイナルが奪った剣、まぁ、今聖剣と呼ばれているものだけど、あれは、もともと神々がエレナのために作った神剣なんだけど、実は、俺の前世も同じく神剣を与えられるはずだった」
「そうなのですか」
「ああ、といっても、俺の前世は第2候補であって、エレナに神剣が渡らなかったから急遽用意したものだけどな。それで、その剣はミルダンジョンに安置されていた」
「ミルダンジョンですか」
「そうだ、そして、その安置された時期は、アルバ―がちょうどミルダンジョンに挑もうとしていた時、つまり……」
俺はここでためた。
「ま、まさか、いや、ですが」
ここまでくればノイスも気が付き始めていた。
「そのまさかだよ、ノイス、その神剣が与えられるはずだったのがアルバ―、そして、アルバ―は俺の前世だ」
「!!」
「!!!」
ノイスとクインが再び驚愕した。
「ああ、まさか、そんな、あなたが、僕らの、ということは、まさか、先ほどのアルバーの話は」
ノイスはようやく信じてくれることになったようだ。
「そうだ。本当の話だよ。レイフ様にその光景を見せてもらったんだ。そんで、この剣が、アルバ―が本来受け取るはずだった、レーヴェボルグだ」
そういって俺はレーヴェを鞘から抜き放ち2人に見せた。
「こ、これが……」
「アルバ―の……」
2人は震える手でレーヴェに触れようとした。
『やっと、信じてくれたようね。アルバーの末裔たち』
「!」
「! な、なに、今の、こえ」
「まさか、この剣が」
「ああ、紹介しよう、俺の剣レーヴェボルグだ」
そういって、俺はレーヴェを2人にも紹介した。
「こっちの槍はレイラボルグ、エレナが受け取るはずだったもので、今まで聖剣として展示されていたものよ」
『あら、あら、こんにちは』
レイラも紹介した。
「!!!」
さすがに、一度に全部話し過ぎたのか、2人の頭が付いていけてないようだった。
『大丈夫と思うか』
俺はそれとなくレーヴェに聞いた。
『大丈夫よ。なんといってもアルバ―の末裔ですもの』
レーヴェはそういって微笑んでいるような気がする。




