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剣と少年  作者: 敦
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第50話 ついにその手に

 ナンバル勇者王国に来て5日、その間俺とカイナは観光をしたりして過ごしたが、さすがに観光だけでは実が持たない、そこで、1日でできるような依頼をこなしつつ過ごしていた。


 そんなわけで今日ついに作戦決行の日となった。

「最終確認をするぞ」

 俺たちは朝からギルドに集まっていた。

「ああ、頼む」

 会議に集まっているのは、俺とカイナ、当然レーヴェもだが、後はギルドマスターであるハッサンとミレイ、アレイド、ゴードンの高位冒険者3名だ。

「まずは、俺とカイナで剣の見学に向かうんだろ」

「そうだ。それで、ちょうどお前らの番になったところで、騒ぎを起こす」

 俺としてはその騒ぎが気になった。

「どんな騒ぎを起こすつもり」

 カイナも気になったようで俺より先に尋ねた。

「なに、ちょっとした、騒ぎだ、お前らが気にすることじゃないさ」

 つまり、俺たちは気にせずレーヴェの姉たる剣を手に入れることだけを考えろと、言外に示しているということだろう。

「わかった、そういうことなら、カイナ、俺たちはまずそのすきをついて剣のどこかに触れることだけを考えよう」

「そうね。そうするわ」

『触れるところは、どこでもいいわよ。できれば柄あたりがいいけど、無理なら組みひもでもいいわ』

「ええ、わかった」

 カイナは少し緊張しながらそう答えた。

「そのあとはどうする」

「そうだな。お前らはそのあと、いつものように観光して、街を出て、あそこに高台があるだろ。夕方ごろあそこに来てくれ」

「そこで、剣を呼ぶってことね」

「そういうことだ」

 こうして、簡単な最終確認は終わった。

 そのあとは、俺とカイナは適当に市内を回ってから、行列を考えて午前中のうちに聖剣見学の列に並んだ。


「やっぱり今日もすごく並んでいるのね」

「だよな。さすがは聖剣ってところか」

 俺たちも周囲の目を考えてなるべく聖剣を見に来た貞で話をしている。

「ここって、毎日こんなに多いんだな」

 この街のどこにこんなに人が泊れるところがあるんだと、思えるほどの数が並んでいる。


 そんな感じに並んで数時間、ようやく剣が遠くに見えてきた。

「いよいよね」

「ああ、そうだな」

 俺たちは緊張していた。

 そして、ついに俺たちの前のやつらが見学を始めた。

 少しして、見学が終わり、その場を離れようとした。まさにその時だった。

「泥棒だー」

 誰かがそう叫んだ。

『始まったか』

 その瞬間、周囲の目が声のした方に向いた。

 俺は遠さに警備兵たちを見たが、彼らは動かない、彼らにとっては市民の物が盗まれるより、剣や王城の警護が優先だからだ。それでも、目を向けることはする。

 つまり。

『そうみたいね。カイナ、今よ』

「……」

 レーヴェの合図にカイナはうなずくと、周囲を確認しつつレーヴェのあなたる剣に手を伸ばした。

 もちろん俺は、その目隠しに動いた。

 ちなみに、実は、俺たちの前後の見学者数名も冒険者で、俺たちの味方であり、俺と同じくカイナの目隠しに動いてくれている。

 そして、そのすきをついて、カイナがついに剣に触れた。

 その瞬間わずかに光ったように思えるが、どうやらうまくいったようだ。

 実は、俺がレーヴェに触れたときもそうだったが、神剣が目覚めるわけだから、当然まばゆい光があふれる。しかし、そんな光が出ては最悪だ。そのため、俺たちはその光を抑えることをカイナに頼んでいた。


 数日前、俺たちは宿に集まっていた。

「いよいよだな」

「ええ、ノーランやレーヴェの話を聞いてから、ここまで、長かった気がするわ」

『私もついにお姉さまとお話ができるのね』

 レーヴェも楽しみで仕方ないといった感じだ。

「そうだな。それでだ、カイナ、実はな、俺がレーヴェを手に入れたときなんだが」

 俺はそこで、カイナにレーヴェと出会ったときのことを詳しく話した。

「光? そうか、そういえばカルムの槍を手に入れたときも光ったよね」

『ええ、そうよ、でも、お姉さまが目覚める光はあんなものではないわ』

 あれはほんとにすごい光だった。

「ちょっと待って、それじゃ、みんなが必死で目をそらしてくれるのに意味がないじゃない」

 カイナの言う通り意味がない、だからこそのこの会議だ。

「そうだ、だから、カイナ、剣に触れるとたぶん剣の意識の中に入るはずだ。それと同時に剣とつながるから、すぐに光を抑えるようにその剣に指示を出してほしい」

「指示、そんな一瞬でできるの」

『大丈夫よ、こちらの世界では一瞬でも意識の中では少し時間があるわ。ほら、デリタルダンジョンで見た記憶、それとお母さまと会った。あの時と同じよ』

 レーヴェが言った通り、あの時現実世界ではほんの一瞬の出来事だった。

「わかったやってみる」


 こうしたことで、剣の目覚めの光を最小限に抑えることができた。

 ちなみに、触れた場所は柄だ。組みひもでもよかったんだが、カイナは確実性を求め、柄を触ったようだ。

 だが、さすがに素早く誰にも気づかれずに終えることができた。

「なんだろうな」

「さぁ、まぁ、よくわからないけど、見学も終わったし、行きましょう」

「だな」

 それから、俺たちは、その場を離れた。


 それから、数時間が立った。俺たちは、王都を望む高台にいた。

「大丈夫か、カイナ」

「ええ、大丈夫よ。いつでも行けるわ」

 そんな頼もしい言葉とともに、カイナがついに剣を呼ぶこととなった。

 ゴクリ

 俺たちの後ろには、ハッサンをはじめ3人の行為冒険者たちが集まっていた。

「行くわ。……来て、レイラボルグ」

 カイナがそういった瞬間、王城の方から一条の光がカイナのもとにやってきて、徐々に剣の形になった。

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